2021/01/01(金) 04:30〜05:00 美の壺・選「新年を彩る お正月飾り」[字]
では 鏡[外:52DBD05064AA20BB7A690DC00AFC79CA]には どんな意味が込められているのでしょうか?
(山本)この丸い形というのは
人間の心の形ですとか→
魂の形が丸いと言われてるわけですが。
新しい年神様がいらっしゃいました。その年神様のお力が宿っている。
そのものであり 形だと思います。
もともと鏡[外:52DBD05064AA20BB7A690DC00AFC79CA]には その年の豊作と健康への祈りが込められていました。
お[外:52DBD05064AA20BB7A690DC00AFC79CA]の上に飾る「橙」。
「代々家が続くように」という願いから。
地域によって異なりますが
他にも縁起物が飾られます。
これは「うらじろ」といいますが
裏が白いですね。
この姿に
自分たちのご両親さんたちが→
ずっと二人そろって
共に 共白髪になるまで→
お元気でいて頂きたいというのが
この うらじろだと思います。
「カキ」は「嘉来」と表し
幸福を呼ぶように。
「ゆずりは」は
代々家が譲られ 守られていくように。
大変大きな
これ「鬼ゆず」と称しますが→
柑橘類ですね。
柑橘の橘が 吉日の吉です。
これだけ大きいですから
文字どおり→
大吉ということですね。→
こうした文化は決して書物の中で→
伝わってきたようなものでは
ありませんね。→
家庭の中で 行いで
伝わってきたものですが→
さまざまな物に寄せて
思いを述べてきました。
いわゆる「寄物陳思」という
言葉になるかと思います。
寄物陳思。
思いを物に託して表現すること。
言葉の音や 字の語呂合わせで
願いを表す→
日本ならではの
奥ゆかしい表現です。
古来 自然からの最高の贈り物であり
神への供物でもあった米。
鏡[外:52DBD05064AA20BB7A690DC00AFC79CA]は そんなやり取りを
思い出させてくれます。
今日 最後の壺は
「神からのお年玉」。
古都…
鎌倉時代の歌人 藤原定家を祖に持つ和歌の家 冷泉家です。
江戸時代中期 寛政2年の建築。
現存する唯一の公家屋敷で重要文化財です。
冷泉家は 四季の風情に
「もののあはれ」を込める和歌の心を→
800年にわたって伝えてきました。
そんな冷泉家の鏡[外:52DBD05064AA20BB7A690DC00AFC79CA]は2種類あります。
こちらのほうがね 神さんにあげる鏡[外:52DBD05064AA20BB7A690DC00AFC79CA]で
こちらが観音さんにあげるものです。→
昔からね 神さんには 海の物と
山の物とを一緒にあげるんですよね。→
その時に必ず この
海のもんである魚と→
山のもんである
この おみかんとか そんなんを→
一緒にお供えすることにします。
最高の贈り物には海の物と山の物を合わせるのが古式。
贈り物につける のしには
その名残が今でも。
のしの黄色い部分は
もともと海の物として→
アワビが付けられていたのです。
一方 こちらの鏡[外:52DBD05064AA20BB7A690DC00AFC79CA]は柑橘3つと のし昆布。
(冷泉)仏さんは お精進ですから
イワシの代わりに→
この のし昆布になっているわけです。
昔から代々やってるんやと思いますけどいつごろからやってるのかは知りません。
ず~っと昔から。
先祖代々の和歌が保管されているお蔵「御文庫」です。
この神聖な場所に鏡[外:52DBD05064AA20BB7A690DC00AFC79CA]をお供えするのは
当主の大事な仕事。
公家の装束でお参りするのも
昔からの しきたりです。
(冷泉)御文庫の2階に
神さんが おまつりしてあります。→
それは歌の神さんと
それから先祖の神さんなんですね。→
うちの家の神棚でして
そこにお供えする。→
それが うちにとっては非常に重要な
お正月の行事です。
もともと正月は 春を祝うお祭り。
「初春」「迎春」という言葉はその名残です。
冬は夜が長いじゃないですか すごくね。
真っ暗闇だったわけですよね。
真っ暗闇というのは やっぱり
原始的な恐怖でもありますし→
それに対してね 春というのは