♪♪～
（笛子）桜子！ 亨 来とるかん！？（桜子）ううん どうして？
姿が 見当たらんの。
どこ行ったか 知らん？
♪♪～
私 こっち！私 こっち。 お願いね！
野木山さん お店 お願いします。
（野木山）はい！ お気を付けて！
（笛子）亨！ どこにおるの！？ 亨！
（冬吾）いねがったが？へば こっちだべ。
♪♪～
亨ちゃん！ 亨ちゃん！亨ちゃん…。
（雷鳴）
♪♪～
（雷鳴）
♪♪～
（亨）うわっ！
♪♪～
あっ 亨ちゃん！
♪♪～
よかった～！
（汽笛）
（笛子）何でなの？
何で １人で外へ出たの！？
おねえちゃんのピアノが
聴きたかった。
ほいでも 「１人で外へ出ちゃ
いかん」って言ったでしょ！
あんたは 足元が
よう見えへんのだから。
私が 「いつでも おいで」って
言ったもんで…。
どうして？
何で そんな事 言うの？ 桜子。
ごめんなさい。
（笛子）私が どいだけ心配してこの子を育てとるか…。
亨！
もう絶対１人で外へ出ちゃいかんよ！
（冬吾）笛子。
亨は いづが１人で外を歩かねばなんねえ。
いづもいづも 人に助けて
もらってる訳には いかねえべ。
今から 練習しておいた方が
いいな。
明日から お父さんと
訓練すべ。 なっ。
亨ちゃん せっかく来たんだから
おねえちゃんのピアノ 聴いて帰る？
そうさせて。
♪♪～（ピアノ「亨のテーマ」）
♪♪～
（達彦）桜子。 夕飯の支度…。
♪♪～
寝ちゃったのか？うん。
かわいいな。
うん…。
俺達も そのうち…→
何でもない。途中で やめんでいいよ。
「俺達も 子どもが欲しいな」って
言おうとしたんでしょう？
うん。
私も 欲しいよ。
亨ちゃんみたいな かわいい子。
♪♪～
ありがとうな。
今日は 本当に申し訳ありませんでした。
ああ… いいんです。
私も ついついあの子の事は 心配して→
かばい過ぎてしまうんです。→
あの子の性格が臆病で内気なのも→
私のせいかもしれん。
そうやって クヨクヨするからまいねんだべ。 クヨクヨするな。
≪♪♪～（ピアノ「亨のテーマ」）
この音…。
うん…。
≪♪♪～（ピアノ）
♪♪～（ピアノ「亨のテーマ」）
亨ちゃん。
亨ちゃん 覚えちゃったの？
「何でも よく覚えとけ」っておねえちゃんが言ったから。
そう…。
おねえちゃんの指をじっと見てたんだ。
そう…。 ほいでも よく覚えたね。
もう一回 弾いても いい？いいよ。
♪♪～（ピアノ「亨のテーマ」）
♪♪～
神様は 亨に
いい耳を くれたんだな。うん…。
誰にでも
得手不得手は あるはんで。
♪♪～
亨は 見るのは苦手でも音を聴ぐのは 得意なんだな。
♪♪～
うん…。
♪♪～
（ピアノの音）
こんにちは。
（ヒロ）はい。 こんにちは。
ヒロさん。 お客さん用に