2021/01/04(月) 16:35〜16:50 【連続テレビ小説】純情きらり(149)「夢にみた演奏会」[解][字]

♪♪~(テーマ曲)
♪♪~
♪♪~(ピアノ)
(マサ)<待ちに待った演奏会まで
あと2週間となりました>
♪♪~
(ヒロ)あの… 中にチラシもございますよ。
ごちそうさん!
ありがとさんでした!
おう 「山長」の大将!
(達彦)毎度 ごひいきに。
すいません。 このチラシ
店に置いてもらえんでしょうか?
何だん? 奥さんの演奏会かん?
よろしくお願いします。
<こんな いつにない
慌ただしさの中 「山長」では→
誰も気付かないところで
ある異変が進行していました>
(仙吉)うわっとっと アイタッ!
(野木山)仙さん 大丈夫かん!?
あ… 大丈夫だ。
若い者に 任しときゃいいのに。
寄る年波には 勝てんなあ。
勝てん 勝てん ヘッヘッヘッヘ。
(平助)頭! 蔵で
何か 嫌な臭いがしとるですわ!
えっ!?
どっかの桶に→
カビが生えとるんじゃないかと


思うですが。分かった。
(野木山)あっ 女将さん。
(桜子)味噌が 1桶腐っとっただって?
うん。 塩の量が
ちっと 少なかったんだな。
(野木山)今 仙さんが
残り 確認しとります。
大将。 女将さん。
申し訳ありませんでした。
今度の事は 全て わしの責任です。
仙吉さん 頭を上げて下さい。
そうだ 仙吉さん。
仙吉さんが悪いんじゃない。
味噌を腐らせるなんて→
この蔵を任されて初めての事です。
これを機に 責任取って→
わし 「山長」を辞めさしてもらおう思います。
(平助)頭!
仙吉さん。
そんな事言わんで 仙吉さん。
そんな必要ないよ。
この事は
しばらく前から 考えとったです。
うちでは
15年を最後に 7年間→
本物の八丁味噌を
仕込んでおりません。
配給の豆は 少ないわ 質は悪いわ。
いつまた あの 混じりけなしの八丁味噌を造れるのか。→
戦争を挟んで


人の好みは 変わりました。
わしみたいな
一つの事しかできん ロートルが→
やる仕事は まあ…
なくなりました。
若い者に
道を譲るべき時期が来たです。
♪♪~
ねえ 仙吉さんの言っとった事どう思う?
八丁味噌の事か?
確かに うちは 八丁味噌の老舗の看板 上げながら→
このところ何年も 肝心の八丁味噌
造れとらんもんなあ。
だからって 本当に→
みんな 八丁味噌の味を忘れてしまったのかなあ。
ほんな事 ある訳ないよね。
ねえ 達彦さん。戦争が終わった途端→
どこに隠しとったんだろう
ちゅうような→
きれいな色の着物 着て
町を歩く女の人が 増えたんだ。
私 びっくりした事を覚えとる。
ほうか。ないから 我慢しとるだけ。
本当は 本物の おいしい味噌を
口にしたいって思っとる人が→
大勢おるはずだよ。
それが分かれば→
仙吉さんだって 「辞めたい」なんて
言わんじゃないだろうか。
うん。

例えば 名古屋の料亭は?
前に一度 「ちょっとでいいで
ある分だけ 分けてくれ」って→
名古屋から 買いに来た
お客さんが おったでしょう?
名古屋の料亭か…。
♪♪~
いざ 売り出した時の需要が
どんくらいあるか→
探ってみてもいいかもしれんな。