(千代)おなか減った…。
ふう~。
この1週間 千代ちゃんは 毎日お昼過ぎまで寝ていました。
…って嘘やろ? あの千代ちゃんが?
(物音)
♪♪「オレンジのクレヨンで
描いた太陽だけじゃ」
♪♪「まだ何か足りない気がした」
♪♪「これは夢じゃない(夢みたい)」
♪♪「傷つけば痛い(嘘じゃない)」
♪♪「どんな今日も愛したいのにな」
♪♪「笑顔をあきらめたくないよ」
♪♪「転んでも ただでは起きない」
♪♪「そう 強くなれる」
♪♪「かさぶたが消えたなら」
♪♪「聞いてくれるといいな」
♪♪「泣き笑いのエピソードを」
♪♪~
このごろ ほんま起きられへんわ。
(宮元)何でか教えたろか?
おおきに。
起きる理由があらへんし。
ああ ほんまや。 うち 今まで ず~っと早起きせなあかんかったさかいなあ。
何や うち 今 楽ちんいうことやな。
まあ それでええんやったらそれでええねんけどな。
人生は 思うより あっちゅう間やで。
とりあえず コーヒー代 10銭な。
お金 取んの?
あほかいな。うちは賄い付きちゃうで。
部屋代かてな
後で ちゃ~んと徴収するさかい。
真理は ちゃんと払てるで。
あっ 真理ちゃんは?
洋子と 日キネの撮影所に行ったわ。
何や 女優の試験があるいうて。
そうだすか。 受かるとええなあ。
ほんまに そない思てんの?
そらそうだすがな。
ふ~ん。
まあ ええわ。
何だす?いつか分かる。
(水田)毎度。
(平田)いらっしゃいませ。
(平田)千代ちゃ~ん!
水田さん おいでやす。
(水田)
何や 今日は洋子ちゃん いてへんのか。
撮影所の試験なんだすって。
(洋子)遅なって すんません。
洋子ちゃ~ん! 試験やったんやて?
おい 遅いで。(洋子)すんませんでした。
で どやった?
あ~ もうええやないか~。見る目ないなあ その撮影所は。
誰が何ちゅ言おうと
洋子ちゃんは 俺たちの女神や!
(万田)そや。 写真の中の洋子ちゃんより
ここにいてくれる洋子ちゃんの方が→
ず~っとええわ。
(洋子)おおきに。
せやけど 堪忍え。 うちら2人とも…。
(真理)合格したがやちゃ~!はあ~!
(平田)ほんまかいな?
ほんまかいな?
一本だけながやけど 役貰えたがいぜ。
私は ほんの少ししか出番ないけど→
洋子さんは ちゃんと
セリフのある役ながいぜ!
(拍手と歓声)
(水田)すごいやないか。 2人とも何か暗い顔してるから心配したわ。→
芝居かいな。
さすがは女優やな。
みんな驚かせてやろ思て。
うまいこといったな。
はい! やったよ! 初めて合格したが。
うん おめでとう 真理ちゃん。ありがとうねえ。
ほな 今日は もう お祝いや。
やった~!
高い酒 持ってきて~。
(拍手と歓声)
♪♪~
(原)今日こそ千代ちゃんの手 握ったるで~。
握ったるで~。→
握りますで~。あっ やっぱし 太ももにしよかな。
すんません お勘定。
原さん すんまへん まだ帰らんといて。まだ帰らんといて。
あっ 握られるんもええな。
ほなな 千代ちゃん…。あっ あきまへん。
ほな。
ほな また。
♪♪~
やい われ! 竹井千代!
自分 ほんま しょうもないな。
もう ええかげんにさらせ!この あかんたれ!
≪(犬の遠ぼえ)
どないしたん? あの子。
ふう~。
よっしゃ。
話があります。
(京子)どないしたんよ。
洋子さん 真理ちゃん…。