2021/01/07(木) 11:00〜11:30 美の壺・選「心ほどける お燗(かん)の道具」[字]


直火にかけたと考えられています。
江戸時代ごろには ちろりなどの容器を→

湯につけて温める方法も。
銅や錫など 熱伝導のよい素材が
多く使われました。
こちらは 陶器のちろり。
湯ではなくいろりの灰に差し込んで温めるタイプ。
♪♪~
盃自体を温める仕掛けもありました。
♪♪~
これは 「盃台」というものなんですね。
これは あの~ 桃山時代に
もうすでに この形が出てますね。→
実は ここに こういうふうに
空間がありましてね→
ここに お湯を入れておくんですよ。→
そして ここについだ お酒を こう入れておく。→
そうすると このお酒は
いつまでも温かいですよね。
日本人はですね 集団で お酒を飲む機会が


非常に多いんです。
そうすると 盃のやりとり というのが…。
「おひとつ いかが」とか「ご返杯を」とかって→
こうやるわけですね。
そうすると やっぱり 徳利で…
日本人の心を映す 燗道具です。
♪♪~
あ~ よしよし 隣の八兵衛から
酒を譲ってもらったぞ。
さて どうやって温めたもんか。
炭は切れてるし…。
温めるもの… 温めるもの…。
こうやって 手の温もりで 人肌の燗に…。
旦那様 ちょっと手伝っとくださいまし~。
えっ? 今 忙しいのよ!
蕎麦猪口を
握ってるだけではありませんか。
えぇ~!
♪♪~
東京 湯島にある居酒屋。
♪♪~
気のおけない仲間と 燗酒を酌み交わす。
至福のひとときです。
♪♪~
肩肘を張らずに飲める酒場の徳利といえば…→
そう このシンプルな白い徳利。
その場に しっくり なじむ気楽さがあります。
♪♪~
気軽な酒場の雰囲気を家でも味わえる徳利を作りたい。
そんな思いで制作を続ける

陶芸家がいます。
上原 連さんと梨恵さん夫婦。
(上原)古くからやってる大衆居酒屋に連れて行ってもらって。
で そこに 何気なく置いてあった
シンプルな白い徳利…。
酒蔵の名前が まあ 印刷してあるような
プリントしてあるような→
そのシンプルな徳利を見て
なんか みんなで ふとね…。うん。
いいねって。
そうだね。
大量生産の徳利の
そっけない白さが出したくて→
わざわざ工業用の土を使います。
手作業には向かない硬い土。
形が作れる状態になるまで 土を練ります。
通常なら2分で終わる作業に およそ20分。
ようやく徳利作り。
飾りや柄は つけません。
目指すは すっとした立ち姿。
♪♪~
白く細長い立ち姿は
酒場のものと同じ。
下に向かって
少し細くして→
色っぽい雰囲気を
加えました。
よく見ると 釉薬の かけ残しがあったり。
口に ゆがみがあったり。
わざと きっちり

完成させないようにしています。
(上原)自宅に ぽんとあった時に
なんか ほっとするというか→
今 お酒を飲んでもいいよっていう
時間になってるっていうのを→
感じてくれるような雰囲気のものが
できればいいなと思って作ってます。
一日の終わり。
2人が作った白い徳利で晩酌。
おいしい。
ゆっくりと 心ほぐれる時間です。
今日 二つ目の壺。
燗酒には なみなみならぬこだわりを持った店です。
店主は 数々の名店で お燗の世話をする→
「お燗番」をつとめた 多田正樹さん。
カウンターには お燗をつけるための→
「熱め」 「ふつう」 「ぬるめ」の湯が→
はってあります。
例えば 吟醸系の繊細な酒は→
「ぬるめ」の湯で温めてから