連続テレビ小説「おちょやん」。
１週間のお話をええとこ取りでご紹介する土曜日。
道頓堀を出た千代ちゃんは
一体 どないなんのやら。
それでは第５週の始まり始まり～。
大阪駅から行く当てもなく汽車に乗った千代ちゃんが→
降り立ったのは…→
京都どす。
紹介してもろた仕事先を訪ねると…。
（千代）このお店女優さんが働いてはんのだすか？
そや。 僕が 監督の宮元です。
監督？活動写真を撮る人や。
うちは 店長さんに用があんのだすけど。
（平田）この人は ただの活動好きの店長。→
周りに監督て呼ばして
喜んどうだけや。
（宮元）うちの店には
ほんまもんの女優さんがいてるし。→
撮影所の人間も
ぎょうさん来んねんな～。
うまいこといったら えっ…。
千代だす。千代ちゃんも 一躍 スターさんや！
何の話だす？
あっ… あんた 女優志望ちゃうの？からかわんといておくれやす。
うっとこに来る子は
もう 大概 みんな そやからな。→
うち 給金ないで。
お客さんから貰えるご祝儀チップだけが自分の稼ぎや。
お茶子と おんなじだすわ！
じゃあ 早速 今日から店出るか？おおきに。
こないして 千代ちゃんは 女給として
住み込みで働くことになりました。
今日からお世話になります
千代いいます。
そんながけ。
私 真理いうがやちゃ。
生まれは富山ながやけど→
家出してもう何年も帰っとらんがいちゃ。
家出？
うちも似たようなもんや！ よろしゅう。
仲ようしよまいけ。
うん。
（真理）あの人があ
一番人気の洋子さんやちゃ。→
昔 少しだけ活動写真に出とった
大部屋女優ながいと。→
それを いまだに
得意気になっとんがいちゃ。
私も女優志望なが。 負けられんちゃあ。
当時のカフェーはいわばキャバレーの元祖で→
こういうお店が
あちこちに増えていました。
真理ちゃん 千代ちゃん。
洋子さんと代わって。→
初めてのお客さん来たんやけど→
東京の活動写真作っとう会社の社長さんらしいねん。
洋子さん そっちつきたい言うとんねん。
（真理）行こまいけ 千代ちゃん。
＜これも生きるためや＞
よっしゃ！どっからでも かかってきい！
（黒木）君は 女優もしているそうだね。
代表作は何？
黒木社長と これから作る作品です。
（染谷）ご祝儀や。あっちゃ うれしいわ。
（染谷）ごはん食べ行こか。
それ よろしおますなあ。
あんたちゃう 真理ちゃんに言うてんねや。
行きたいがやけどお洋子さんに怒られんがいちゃ。
腹いっぱい食べてええんやで。
（真理）できんが。
何や お前！ 女給のくせに
客の言うこと聞かれへんのか！
堪忍してください。
（染谷）店長呼べ 店長！
店長 どこや～！
出てこ～い 店長～！
おい そんなもん どないする気や。
（染谷）行くんか行かへんのか どっちや。そう言ったかて…。
バカ旦那！
何や！
だいぶ酔うてはんのと違いますか？
わし まだ ちょっとしか飲んでへんわ。
これ みんな空にしたん
覚えてはれへんのだすか？
これ飲んだんか？
もう ええお時間なってまっせ。もう こんな時間かいな！
はよお帰りにならな ご寮人さん
気ぃもみはんのと違いますか？
あかん！
助かったわぁ。お茶子の時もあないな旦那さんが よういててな。
こっそり時計の針進めといたら
皆 慌てて帰るよって。
そうながけえ。
さすが ほげたが達者な千代ちゃんは京都へ来ても健在ですわ。
この子ら まだ日ぃ浅いもんやさかい
大目に見たってください。
君 出てみないか？
私が これから作る活動写真にだよ。
へえ すんまへん。