天正3年→
将軍 足利義昭を追放した織田信長は→
幕府に代わり 畿内を掌握し始めた。
しかし 信長にあらがう勢力は→
各地に残っていた。
(顕如)信長は無体にも
この本願寺の地を明け渡せと言うておる。
このようなこと
宗祖 聖人のご意志にかなうはずがない。
仏法の危機は 今この時ぞ!
この戦いに粉骨し仏敵を平らげるのじゃ!
顕如率いる本願寺に対し
信長は5年にわたって攻略を続け→
天下の静謐を目指していた。
朝廷は信長に対し 武士には異例とも言える高い官職を授けた。
信長は岐阜に戻り
次なる戦支度にかかっていた。
(織田信長)して 三条西様 御自ら
この岐阜までご入来とは 何の御用にて?
(三条西実澄)京には京の理がある。
それを是非ともお伝え申さねばと。
京の理?
(実澄)なぜ京を離れられた?→
右大将に任じられたあと
任官のご挨拶にも見えられぬ。→
名代として
身共が帝にご挨拶申し上げた次第。→
これは前代未聞のこと。
武田が美濃に攻め入りまして→
事と次第では この信長も
出陣いたす所存でございましたゆえ。
(実澄)もそっと 京にいて頂かねば。→
そして朝廷のしきたりに従って頂かなくては…。
帝をおろそかにされては困る!
お申し越しの儀 相分かり申した。
(実澄)まことか?
これより先 京での仕儀万端は→
この信忠が相務め申す。
家督を譲ることにいたしました。
(実澄)なんと!
それで よろしゅうございましょう。
信忠 お主からもご挨拶いたせ。
(織田信忠)以後お引き立て賜りまするよう→
信忠 衷心よりお願い申し上げます。
そもそも信長殿はいつまで戦をなされるおつもりか。
かの本願寺との戦も
この5年 一向に収まらぬ。
お上は それを案じておられる。
帝が…?
ならば お伺いいたす。
信長が献上いたした蘭奢待→
毛利に下しおかれたと聞くが 何故?
毛利は 裏で本願寺を支えておるいわば敵方。
そういうお話を聞くにつけ このごろ
帝のお姿が遠ざかって見えまするが…。
さようなことは!
信長は 京に近い近江の国安土に城を築き始め→
政の中心を移した。
天下布武の旗印の下信長の目指す世は 大詰めを迎えていた。
♪♪~
織田軍は 本願寺の南に位置する天王寺砦を拠点に→
本願寺と しれつな戦を続けていた。
そうした中 本願寺攻めの総大将→
原田直政が討ち死にした。
戦意を失った織田軍は天王寺砦から打って出ることも→
逃げ出すこともできぬほど追い込まれ
籠城するほかなかった。
(松永久秀)敵は1万3,000→
鉄砲も1,000丁はある。 手ごわいぞ。
(明智十兵衛光秀)この天王寺だけでは
手勢少なく→
事を進めるには無理がある。
(佐久間信盛)信長様は 今 こちらに向かわれている。
それまでに
打つ手を考え直さねばなりますまい。
ほかの砦と示し合わせ
一体となって動くべきかと。
(久秀)おお 十兵衛の言うとおりじゃ。
今からでも遅くはない。
攻め込むなら 一気に攻めた方がよい。
使いを出そう。
用意を。
(斎藤利三)はっ。 ついてまいれ。
(一同)はっ。
(藤田伝吾)けがの具合はいかがでございますか?
大事ない。
(伝吾)丹波攻めから引き続いてのお勤め少し休まれた方が…。
大事ないと言うておる。
(兵)大殿様 ご到着! ご到着でございます。
(佐久間)殿! 甲冑も着けず!
何を手間取っておる。
お主ら 原田の家来どもか。
(原田家家臣)はっ。
原田の家来の中に
一向宗の信者がおるという。
お前か?
うわっ! ああ~!
お前か!
うわ~! ううっ…。
本気で攻め落とす気など