2021/01/10(日) 05:00〜06:00 こころの時代〜宗教・人生〜 選「心の置き去り ほっとかれへん」[字]
仕事もあらへんねや って。
家も潰れた っていうね。
ある人は うちの嫁っこが亡くなったとかね …って言うしね。
これ お酒ね 飲まんとやっとられん
というような気持ち分かります。
でも そこの悲しみというか→
そこの状況での悲しみというのはよう分かります。
でも それでも そこで亡くなる人もいたし
自殺する人もいたんですね。
だから 片方で もう新聞報道なんかで→
孤独死とか自殺とかいう報道がもう 連日あるんですよね。
だから そういうふうなことは やっぱし
僕としては耐えられへんかった。
そういうふうな新しい生活を
始めてるのに→
そういうふうな状況が
目の前にあるということがね→
耐えられへんかったですね。
僕らに何ができるのか分からないけども動こうとしましたね。
だから やっぱり もう一回やらないと
気が済まないというかね→
見て見ぬふりができない
というような状況にはなったんですね。
同窓会みたいにして 1年後に集まった。
集まったんです。
その時に 僕の方からですね
もう一回やりたいと。
「よろず相談室」のボランティア活動
再開と。そうですね。
で 13名で 東灘区の仮設住宅を回ろう
というふうに決めてですね。
牧さんは 仲間と共に
10か所の仮設住宅を巡り→
300世帯を訪問しました。
仮設住宅 いくつか回ろうということになった時も なかなか→
すんなりと会ってもらえなかった場合も
あったんですね。
そらもう 何しに来たんや と
何者や? ですね。
だから やっぱり その時から結構→
仮設住宅に入居してる人のところに怪しげな人たちが結構来てたみたいです。
いろんなセールスとか。
ええ。
だから そのことで拒絶反応があったりね。
だから 行政が回るけれども…。
ちょうど 六甲アイランドの仮設の
おじいさんだったですけど→
安否確認
生きてるか死んでるかの安否確認や と。
だから 俺のとこ毎日来るけどね
毎日来るけどね→
元気ですか? 何かありませんか?
だけ言いよるねん。
俺は話を聞いてほしい
いろんな話をしたいねん って。
だから もう出なかったと。
で 1か月間 出なかったそうです。
ほんならね 人間って 1か月間
誰とも会話しなければ 声出えへんですね。
びっくりしました 声出ないんですよ。
だから… 僕は玄関じゃなくて裏のベランダからのぞいて話しし始めた。
ほんなら あとで うわ~と声が出始めて。
そういう こう いろんな人がいたけどもなんか話をしに回るというか→
何かこう これをするんだ
ということじゃなくて→
その人と出会い 話をしてね
まあ そこはやっぱし あれですね→
この人は 一人ではないんだとか→
置き去りにされていないんだとかいうことを→
感じ取ってもらえたんだなと。
だから 放置されていないんやっていうふうに思えば→
その人は 僕 そんなにね 簡単にね→
死のうかという気持ちにならないと思います。
だから 訪ねてくれる人がいるとかね→
一人ではないんだということが分かれば自分はね 分かれば→
もう何食べてもかまへんねん
いつ死んでもかまへんとか→
服装 もう むちゃくちゃでええねん
とか そうじゃなくなるんですね。
やっぱり 皆さん いろんなことを
思っていて 聞いてほしかった。
…と思いますよ。 だから 今思えばね
やっぱし 話したかったんですね。
だから お茶飲んでいきや と。
で お茶出して 帰ろかなと思ったら次 コーヒーが出るとかね→
そういうふうなかたちでね
こう 引き止めるっていうかね。
それはそれで もう 僕ら
よしとしてね 甘えてたんですね。
つまり それがあれですか→
何かを 話を引き出そうと思ってこう聞くのではなくて…。
普通です。 だから本当に→
隣のおっちゃんが訪ねてきたというぐらいの程度で→
この人に何かあるんじゃないかとかね
そういうふうな→
この人は病んでるんじゃないかとかね
それを探りにくるとかね→
そういうふうなものでは全然ないですね。
だから ほんとに訪ねてくるという 訪ねていくという→
隣近所の人が訪ねてきたというような