2021/01/10(日) 05:15〜05:45 桂文枝の演芸図鑑「舘ひろし ハマカーン 桂文枝」[字]


ほっといてほしいわよ そんなの。→
東京では聞かないわよ そんなの。
『何食べはったん?』。→
『ええ お好み焼きです』。→
『お好み焼き 分かってるがな お好み焼き入ってんやから。 どんなお好み焼き?』。→
『豚玉です』。 『豚玉。 王道 王道。
それは正しいん。 それから?』。→
それからって言うのよ?

『それからね 焼きそば食べました』。→
『焼きそば? 焼きそばって あなた
どの焼きそば?』。→
『卵で巻いたやつです』。
『ああ ロール焼きそばね。→
卵じゃないの 卵。
あんた なまってはるわ』っつって→
自分がなまってるのよ。
もう とってもついていけないわよ。→
商店街でも 大きな看板があって
大阪府警の看板よ。→
『チカン アカン』って書いてあんのよ。


びっくりしたわよ。→
店の名前でも 大黒屋とか
普通の名前ないのよ 焼き鳥屋でも。→
『また来て屋』とか こんなんよ。
雑貨屋なんか びっくりしたわ。→
『何でこんなに安いん屋?』
知らんわよ 私。→
『創作料理の店』いうのんだったら
分かるわよ。 びっくりしたのよ。→
『盗作料理の店
各店のおいしいものを集めてみました』。→
そんなのあり?」。
「そこらが大阪やないか」。
「大阪か何か知らんけど
店じまいセールやってたのよ。→
『店じまいセール 店がなくなります。
店じまいセール 安いですよ~。→
もう店がなくなります~』いう店の前に→
『スタッフ募集』って書いてあったの。びっくりするじゃないの。→
大阪にはついていけないわよ。→
ビアレストランがあってね大きな看板に→
『生ビール飲み放題』って書いてあったのよ
あなた。→
『生ビール飲み放題
何杯飲んでも 1杯300円』。→
どういうこと? それ。
どうなってるのよ 一体。→
私 もう ついていけない
あなただけ行って」。
「そんなこと言うなよ。 一人娘がおんねん。

一緒に行ってくれよ。 おお こうしよう。→
行って 合わなんだな~思たら
お前 帰ったらええやないか。→
土曜日なったら
わしが 東京へやって来るから。→
ほいで まあ 次は
2日おるとか3日おるとか1週間おる。→
だんだんだんだん
慣らしていったらどう?」。
「ああ そう? そんならええけど?」。
「え?」。「それやったらええけど?」。
「『ええけど?』ちゃうねん 『ええけど』」。
「どっちでもええじゃないよ」。「ええけどな」。
「あなた」。
「うん 何や?」。
「あと2週間よ」。
「おお あと2週間に迫ってきたな」。
「ちょっと私ね
テストしたいと思ってんの」。
「テストって何や」。
「これよ これ。 付録にあるの」。
「付録? ほう~
分厚い付録やなあ。→
『100問正解で完璧大阪人』。→
100問正解は無理やろ」。「だからね 書いてあるでしょ?→
『50問正解で うっすら大阪人』。
うっすら大阪人だったら→
私 あなたについていこうと思うの」。
「ああ ホンマ。よし そんなら やってみるからな。→
大体 その本読んだんやろ?」。

「3度 読んだわよ」。「そこに書いてあんねやろ?」。
「そうやないのよ。
書いてないのよ 新し出てくるから」。
「よ~し ほんなら わしが
答え 導いたるから」。
「そうはいかないの ちゃんと受けたいから
言って 1問目から」。
「ほな 1問目からいくで。→
『次の大阪弁を日本語に訳せ』。→
おかしいやないか これ。
大阪弁も日本語やっちゅうねん。→
これ 何や? これ。
1問目 いくで。→
『おいど』」。
「ほいど?」。「いや ほいどちゃうのよ 『おいど』」。
「『よう』」。
「それは 『まいど』。→
『おいど』は違うのよ」。
「ああ 『たくさん』?」。
「それは 『多いど』」。