2021/01/10(日) 08:00〜08:25 小さな旅 選「海輝くとき〜沖縄県 奥武島〜」[解][字]

♪♪~(テーマ音楽)
♪♪~
<沖縄本島の南。→
一本の橋で結ばれた 小さな島。→
南城市 奥武島です>
<周囲は およそ1.7キロ。
車で一周しても 5分も かかりません>
<900人ほどが暮らす この島では→
10人に1人が漁師や 水産加工を営んでいます。→
まさに 「海人の島」です>
<サンゴ礁に囲まれた 島の周りには豊かな漁場>
♪♪~
<色とりどりの魚たち。→
海は 一年中 にぎわっています>
ここが 奥武島。 はあ~。
ちょっと 橋を渡っただけで…。
なんか 地続きって言ってもおかしくないよね。
「いまいゆ市場」。 はあ~。
ここ 魚あんのかな?
<島で ただ一つの市場>
こんにちは~ どうも。 ああ~。
これは 何ですか?
見たことないんですけど。
これは マクブです。
マクブ?
(店員)高級魚ですよ。
高級魚なの!?
(店員)おいしいですよ
お刺身とか スープに…。
<沖縄独特の カラフルな魚たち。→


新鮮な海の幸が 毎日 並びます>
<夏 新月の頃>
<奥武島の海には 大潮に乗って現れる不思議な魚がいます。→
沖縄での呼び名は 「スク」。→
体長3センチほど アイゴの稚魚です>
<スクは
サンゴの海で 海藻を食べるため→
数日間だけ 群れをなして 押し寄せます>
<取れたスクは 1キロ3,000円の高値が つくこともあり→
島では
「海人のボーナス」と 呼ばれています>
<スク漁のチャンスは
7月と8月の 僅か数日。→
島中の海人が 海に繰り出します。→
漁師の嶺井藤夫さん。→
1年ぶりの漁を 楽しみにしてきました>
じゃ いってきます。
<満潮に合わせて いざ出航>
<藤夫さんの家族や親戚6人で スク漁に向かいます>
<船長の藤夫さん。
水面に目を凝らし スクを探します>
<150メートル先の群れも
見つけることが できるといいます>
<目指した漁場には 他の漁師たちも…>
<同じ島の海人同士ボーナスを狙って しのぎを削ります>
<スクの群れを 見つけました>
<スクは 海藻を食べてしまうと 苦くなり価値が落ちてしまいます。→
漁は 一刻を争います>
<素早く泳ぎ回る スクの群れを目がけて→
網を広げ 1か所に追い込みます>


<沖縄伝統の「追い込み漁」>
<藤夫さんの父 藤一さんは→
かつて 島一番の漁師>
<藤夫さんは 小学3年生の時から→
スク漁のイロハを厳しく たたき込まれたといいます>
<スク漁が盛んな 奥武島の中でも
一 二を争う漁師となった 藤夫さん>
右 右! 右!
<父の教えを胸に50年余り スク漁を続けています>
<この日 取れたスクは 全部で100キロ>
<最高で 1日1トン近く取ったこともある藤夫さんにとっては 物足りません>
すっからかんだったら
誰も やろうとしない。
<漁を終えた 夕方>
<奥武島の漁師たちが 集まっていました>
♪♪~
<酒のさかなは もちろん スク。→
酢と しょうゆだけで味付けした
生のスクは→
この時期だけの ごちそうです>
♪♪~
<海では 競争相手の漁師たち。→
島に戻れば 仲間です>
帰ってきたら 仲間だから→
情報交換やるさやっぱり みんな もうけたいから。
(嶺井)自分たちだけで もうけなくて
みんなに教えて また教えてもらって…。
出たら またライバル。
みんな ライバルだよ。
<夜が更けても スクの話は尽きません>

おっ。
干してるね。 はあ~。
イカか?
こんにちは。
こんにちは。
これは イカですか?
イカですよ。は~。
ちょっと 干してあるところが…→
あっ なんか こう 針金がとがって。そう。
これ 飛ばないように。