2021/01/10(日) 20:00〜20:45 麒麟(きりん)がくる(40)「松永久秀の平蜘蛛(ひらぐも)」[解][字][デ]


大和の古い家柄で筋目がよいからじゃ。
信長様には信長様のお考えが…!

もうよい。
わしは決めたのじゃ。
わしは寝返る。
本願寺方につくことにした。
何を申しておる。
本願寺は
わしに大和一国を任せると言うておる。
それゆえ寝返るのじゃ。
松永様が寝返るとなれば私は松永様と戦うことになります。
(松永)分かっておる。
分かっておる!?
それゆえ 呼んだのじゃ。
そなたに見せておきたいものがある。
これは わしが命の次に大切にしておる
茶道具でな→
平蜘蛛と名付けられた
天下一の名物じゃ。→
信長殿がご執心でな これを持てば


天下一の物持ちになれる。→
しかし 意地でも これを渡す気はない。
もし やむなく渡すことになるとすれば十兵衛 そなたになら渡してもよい。
わしは そなたと戦うのは本意ではない。
そなたとだけは戦いたくない。
初めて
堺の鉄砲屋で会うた時から今日まで…。
頼もしき武士と思い 頼りにもしてきた。
戦えば そなたを討つやもしれぬ。
わしが討たれる…。
私も戦いとうない!
陣を抜け出たことは 私が信長様に
命懸けて おとりなしつかまつる!
それゆえ
どうか 寝返るのだけはやめて頂きたい。
どうか このとおりだ!
(松永)そうはいかんのだ!
わしにも意地がある!→
見ろ この釜を。→
これは わしじゃ!
天下一の名物なのじゃ。→
そなたに討たれたとしても
これは生き残る。→
そなたの手の中で生き続ける。
それでよいと思うたのじゃ!
松永様!
げせぬ げせぬ げせぬ!
さあ いいから 今日は飲め! さあ!
この茶釜は 一旦 太夫に預けておく。→
わしが負ければ そなたの手に渡る。

わしが勝てば わしのもとに戻る。
いいな わかったな。
しかと…。
平蜘蛛など欲しくはない!
戦などしたくはない!
この秋 松永久秀は
大和の信貴山城で挙兵した。
本願寺や上杉謙信らに呼応し
反信長の戦いに加わったのである。
我らは大和を押さえ
上杉謙信殿に応じて京に攻め入る!
信長 恐るるに足らず!
これに対し信長は嫡男の信忠を総大将とする大軍を→
大和に送り込んだ。
承知。
(佐久間信盛)
実は 安土の殿から密命があるのじゃ。
我らが この戦に勝ち
松永が命乞いをしてきた場合→
許してやってもよい。
ただし その引き換えに→
松永の所有する茶道具を
全て無傷で引き渡すこと。
なかんずく
平蜘蛛の釜は必ずよこすことじゃと。→
さもなくば 裏切りの見せしめに
はりつけにして殺せとの命じゃ。
殿は このところ
安土城の天主をお造りになることと→
茶道具の名物を集めることに

ご執心じゃ。
ともあれ
その旨 お伝えするよう仰せつかった。
(細川藤孝)十兵衛殿!
おお。
せがれの忠興が
ご挨拶いたしたいと申すので 何とぞ。
おお 先日の片岡城攻めでは
見事なお働きであったと→
皆が
褒めそやしておりましたぞ。
明智様からお褒めを頂くのは
無上の誉にござります。
明日 信貴山城に攻め寄せるとのこと。
是非是非先陣にお加え頂きとうございます。
承った。
♪♪~
松永は どこにおるか~!?
捜せ 捜せ~!
松永は どこじゃ~!?