2021/01/10(日) 21:00〜21:50 NHKスペシャル「池江璃花子 ハタチの決意」[字]


♪♪~
池江さんに 白血病の体験を
世界に伝えてほしいという→
オファーが舞い込みました。

訪れたのは 国立競技場。
延期になった 東京オリンピック。
その開幕1年前イベントでメッセージを発信するのです。
池江さんを起用した
クリエーティブディレクターの→
佐々木 宏さんです。


新型コロナで奪われた オリンピック。
そして 人々の日常。
池江さんだからこそ伝えられる言葉があると考えました。
1か月以上かけ 言葉を練り上げました。
イベント当日。
何度も確認します。
ふう…。
トラックの内側に入れば大丈夫です。
大丈夫 大丈夫。
池江さんは たった一人で
国立競技場のピッチに立ちました。
ウイルスの脅威にさらされる
世界中の人々へ。
「悔しさも含めて 前に進む力」に…。
完璧でした。
(拍手)
かつてのような強さを取り戻せない自分がもどかしい。
そう悩んでいた池江さんに
変化が生まれていました。
泳ぎ始めてから半年がたった 9月。
2戦目となるレースが近づいていました。
ハロー。
よし では いきましょう。
退院した頃は 幼児並みだったという
免疫力も上がり→
高い負荷をかけられるようになりました。
1回もできなくなった懸垂。
1 2 3 4 5→
6 7 8 9 10!
一つ一つ積み上げてきたことが

表れ始めていました。
練習のあと。
幼い頃から通う台湾料理店にやって来ました。
普通のチャーハンって
いつも言ってるから→
分かんないです 何頼んでるか。
「バンザイ」…。 めっちゃおいしそう。
食欲も回復 10キロ以上落ちた体重は
着実に戻ってきました。
ひそかに悩みを抱えていた復帰戦の前→
池江さんは「楽しみたい」と繰り返しました。
今回は…。
再び口にした「楽しみ」という言葉。
しかし その意味は
大きく変わったと明かしました。
復帰 第2戦。
日本学生選手権を迎えました。
東京オリンピックを目指す→
日本代表クラスの選手たちが→
こぞって出場する大会です。
仲間たちが見守る中…。
池江さんは ただ目の前のレースに
集中しているように見えました。
テイク ユア マーク…。
(スタートの合図の音)
(実況)今大会…
女子50m自由形 決勝が始まりました。→
いいスタートを切ってきたのは
第4レーン。 第4レーン 今井 月。→
今井 月が先頭です。→

今井 月が先頭。 残り15m。
先頭争いに加わる池江さん。
(実況)大会記録 24秒93!今井 月が制しました!
表彰台まで0秒04に迫る 4位。
日本のトップレベルと比べて遜色のないタイムをたたき出しました。
池江さんから もう迷いは消えていました。
レースの1か月後。
池江さんの競泳人生は
新たな1ページを刻み始めていました。
50mから距離を伸ばし 100mのレースに
挑戦することにしたのです。
競い合うのは
中学時代からの仲間でもある…
日本学生選手権では
池江さんを上回りました。
100mを短い間隔で4本。
全力に近いスピードで泳ぎます。
よ~い…。
(スタートの合図の音)
激しく競り合う2人。
茉由佳 27秒60。 璃花子 27秒86。
山本 13秒14。
はい! はい! ラスト!
はい! はい!
3本目を終えたあと池江さんの体力が限界に近づきます。
(荒い息遣い)
茉由佳は 次のこのセット次第で調整合宿が 本当に調整合宿になるか→
強化になる…。
それでも 悲壮感はありませんでした。
あと1分。