2021/01/11(月) 01:20〜01:50 JNNドキュメンタリー ザ・フォーカス[字]


お話を聞きました→
いくつか
三島由紀夫研究という冊子に→
書いておりましたけども

最初はですね 豊饒の海の装丁について書きまして
これは 村上芳正
村上芳正ですね その方が→
三島由紀夫の豊饒の海の装丁を
担当しましたときは もう→
それに関する図版をですね


譲っていただきまして→
豊饒の海の装丁っていうのは→
三島由紀夫が こういうふうに書いてくれと言った そのとおりに
(犬塚)村上芳正は書く
というふうに→
書いたんだということでした→
村上芳正が書いたその装丁画を見ると→
豊饒の海の内容というか→
大ざっぱなストーリーっていうのも 見えてくると
(犬塚)どうして こんなに→
休むことなくですね疾走できるんだろうかと→
いつも疾走しているような
イメージを受けますね→
魅力ですね
(犬塚)写真一枚見てもカッコいいじゃないですか
僕は 研究っていうか
色々なものに興味を持ち始めてからは
大体 40~50年ですかね→
今 50年たって何が分かったかというと→
よく分からないっていうことが
よく分かったよ→
ということかなと思います
三島由紀夫の作品について一番分かってるっていうよりは
世界中で その人しか
分かってないんじゃないか
と思われる方はですね
田中美代子さんですね→
田中美代子さんのことを
三島由紀夫は真のリズール→
最良の読者というふうに

言っておりまして
田中美代子という作品…
評論家を発見して
三島由紀夫は
とても喜んだと思います
で 自分と同じ頭のレベルを持った人間がいて
で 自分のことをよく理解してくれて
三島由紀夫は 非常に
批判してるんですよね 文学者が
自殺にしか行きつかないような
文学は 本物じゃない
芥川もそうだし
それから太宰治も
どうして また
自殺してしまうんだろうか
非常に冷たく
突き放しているわけなんで
でも 文学の質を見ると
やっぱり 三島由紀夫も
同じような道をたどりそうな
感じがするわけなんですよ
だけど こんなに華やかに
活躍している人もいるんだということで
すごく そのことに
引きつけられたんですね
これから どんな生活
どんな文学を描いていくんだろうと→
ちょうど
学校を卒業するときに→
獣の戯れっていう

新刊が出たんですね→
その頃 群像っていう文芸誌に→
ただ1社だけ評論の募集をしてたんですね→
で これに出したらば→
三島由紀夫も必ず読んでくれるだろうと思って
(田中)そのつもりで
一生懸命書いたんですけれども
もう とにかく
落選しちゃったわけですよ
でも まあ そんなことで
ボツにされたらかなわないと思って→
友達のツテで 文学者っていう
同人誌がありました→
で それを載せてもらったんです→
掲載紙を三島由紀夫に送りました→
私の作品を見てくださいと→
そしたらしばらく 時がたってから→
解説を書くようにという
新潮からの連絡があったんです
新潮の文庫の解説なんて
その頃には
大家の先生とかね
ベテランの評論家とか
そういう人達だけが
解説を書くものでしたけども
文庫の解説まで
書かせてくれるんだと思って
ビックリしましたけども
お礼の手紙を 私の方から出したんですね そのときに→
三島由紀夫さんから