2021/01/13(水) 08:00〜08:15 【連続テレビ小説】おちょやん(28)「楽しい冒険つづけよう!」[解][字]

(清子)千代…→
正チャン… あんたやって。
(千代)えっ!?
(千鳥)冷静になりなさい。
千代は初舞台なのよ。主役なんかできるわけないでしょう!
セリフさえ間違えんと言えたら
なんとかなります。
今日一日しか稽古できないのよ!
そやからこそ今 セリフ覚えてる千代にしか→
この役は でけへんのです。
はっきりお言いなさい。
恥ずかしい思いするのは
あなたなんだから。
うちの孫が好きやねん。
見に行かしてもらうわ。
楽しみにしてるえ。
自信あれしまへん。
当然よ。
けど…→
気張らしてもらいます。
芝居甘く見るのも いいかげんになさい!甘うなんか見てしまへん!
うちかて これまで 道頓堀で
舞台の表と裏 見てきて→
どんだけ自分が むちゃなこと
言うてんのか分かってるつもりだす!
けど どないしても
この芝居やりたいんだす!
みんなに見てもらいたいんだす!
♪♪「オレンジのクレヨンで描いた太陽だけじゃ」
♪♪「まだ何か足りない気がした」


♪♪「これは夢じゃない(夢みたい)」
♪♪「傷つけば痛い(嘘じゃない)」
♪♪「どんな今日も愛したいのにな」
♪♪「笑顔をあきらめたくないよ」
♪♪「転んでも ただでは起きない」
♪♪「そう 強くなれる」
♪♪「かさぶたが消えたなら」
♪♪「聞いてくれるといいな」
♪♪「泣き笑いのエピソードを」
♪♪~
うちに やらしとくなはれ!
勝手にしたら。
とにかく今は 悩んでる暇なんかあれへん。稽古しよ!
(一同)はい!
はい!
誰か! 誰か助けて~! 誰か~!
ハハハハハハハ! 騒ぐんじゃない。
大変だ~! リス君
お姫様を助けに行こう。
(美鈴)待って 正チャン
相手は恐ろしい山賊だよ。
大丈夫。 力を合わせれば
何だってできるさ!
(手をたたく音)
はい 一旦 止めます。
千代 もっぺん今のとこ やってみて。
はい。
大変だ~! リス君
お姫様を助けに行こう。
待って 正チャン


相手は恐ろしい山賊だよ。
大丈夫。 力を合わせれば
何だってできるさ!
(美鈴)力を合わせるって言ったって
僕と正チャンしかいないじゃないか。
僕に いい考えがある。
聞こえへん。
(手をたたく音)
一旦 止めます。
芝居小屋では 思てるよりも
声が吸われて消えてしまう。
これでお客さん入ったら
ますます聞こえんようなんねん。
もっと大きい声でやってみます。
(清子)大声出すだけやったら あかん。
おなかから息吐きながら
体に響かせるような声 出さな。
腹式発声いうてな
おなかから声出すんは 初歩の初歩やで。
やってみます。
もっぺん やってみて。
ネズミさ~ん!
どうか僕たちに力を貸して!
もっぺん。
ネズミさ~ん!
あかん… 叫んでるだけや。
力入ってしもて カタイカタイわ。
(シゲ)
はあ… こんなんでは芝居になれへん。
ちょっと休も。

その日 稽古は夜遅うまで続きました。
けど 千代ちゃんは
なかなかうまいことできません。
そらそうや。
みんなが帰ったあとも 千代ちゃんは一人残って稽古を続けました。
助けに参りました。
山賊が戻ってくる前に早く ここから 逃げましょう。
あかん… 一人でやってても
ええか悪いか分かれへん。
こんなことだろうと思ったわ。