2021/01/15(金) 00:00〜00:45 又吉直樹のヘウレーカ!「なぜボクは酔っ払いたくなるのか?」[解][字][再]


そういうことをしない。
酒は 人間を
ダメにするものではないのです。
人間はダメなもんだというのを
確認させるために→
酒が存在してるんです。
(笑い声)
僕は お酒を飲むようになったのは
リラックスしたいからだと思うんですね。
それは さすがに効果ありますよね。



はい。 あると思います。
それを説明するには→
報酬系っていうことを お話しすると理解しやすくなると思うので。
脳の中にはですね 自分で
いいことがあったときに→
快感といいますかね
…を生み出すための「報酬系」と→
それから つらいこと
悪いことがあったときに→
わざと 脳が罰を与える「罰系」っていう
回路が組み込まれてます。
一方…
脳の中で 腹側被蓋野っていう部分ですけども 働いて→
そこから ドーパミンという
快感神経伝達物質を放出させて→
それで 僕らを 快感に
導くっていうものなんですけど。
一番 直接に活性化するのは
麻薬だったり 覚醒剤だったり→
大麻だったりするんですけど。
これは 快楽物質ドーパミンをだだ漏れにするような効果があって→
それで快感を作っているんですよ。
依存性 中毒と平たく言いますけど。
頼り切ってしまうという性質を持ちます。
ですから 好き 嫌いという問題とは一つ 別にして→
生理的に
もう抵抗できない仕組みとして…
そうですね よく聞きますよね。
本当に アルコール中毒っていうのはもう 本気になって治さないと 治せない。
とても 止められないぐらいのとこまで

いってしまうケースってあるんですよね。
ある意味 自然の反応なんですね。
そういう性質を持った→
まあ 物質なんだというふうに
言うことができると思います。
なるほど。
報酬系って 何のためにあるのかっていうと→
ここで 僕の専門である記憶の研究に
なってくるんですけども。
あの… 動物にとってですね 報酬って
どんなときに来ると思います?
何か 例えば 運動とかして
それが終わって 一段落ついたとき。
あっ ストイックだな~。
えっ?
いや もっと直接に
すてきな彼女に 会った時とか。
(2人)あ~!
楽しい時とか そういうことですか。
そうですね。 そういう時には 脳は 快感を
こう 感じるように仕組んでるんですよ。
で あの 記憶って 残すべき記憶と まあ
それこそ ホテルの部屋の番号のように→
そのホテル引き払ったのに 覚えてたら
むしろ 困るっていうものがあって→
残すもの 残さないもの。 短期のものと
長期に残すものと ありますね。
…おそらく 動物にとって…
それこそ 配偶相手に出会ったときに快感を覚えないようでは→
種の存続にかかわるわけですよ。

あるいは [外:E065D0ED31F68F4EC22D3AB2D112DB9E]になるのか。 それは 食べたら毒なのかっていうことを覚えないと→
本人のというか 本動物の生死にかかわる。
死活的に重要な情報 そういう情報は本当に→
長期に残る記憶になると思うんですね。
脳の中に沈めるというか固めるためには…
すてきな彼女に出会ったことを
もう一度 繰り返すって→
名前も知らない 住所も まだ知らない
家も知らないのに→
どうやって 繰り返すと思います?
思い出す。
思い出す。 どういうときに?
寝る前。寝る前に思い出す。ははぁ それは理性的ですね。
えっ?
僕はね その 思い出すのは夢の中だというふうに思ってるんです。
ロマンチックですね。
寝てる間って本当に泥酔してしまったら→
違うかもしれませんけど
バーチャルに それを繰り返して→
回路を強化しているっていう
作業なんだと思うんです。
何度も繰り返して それを忘れないように
長期化する 固定化するっていう作業を→
まさにしているのが 夢なんじゃないか
というふうに 考えております。
だって 夢って すてきな夢か
怖い夢かが 多くて→
なんでもない 普通のことって
夢に あんまり見ないんじゃないですか。
あ~。