2021/01/16(土) 21:00〜22:00 NHKスペシャル「“感染爆発” 危機をどう乗り越えるか」[字]
シミュレーションすると
対面の5倍も、飛まつを
浴びることが分かりました。
マスクを外した
近い距離での横並びの会話は
高い感染リスクを
生んでしまうのです。
一方こちらは、ある高齢者施設の
食堂でのケースです。
23人の高齢者が
1つのテーブルにつき
2名ずつ、ついたてのない状態で
食事をしていました。
その中に
6名の感染者がいましたが
感染者と同じテーブルにいた人に
感染は全く広がりませんでした。
実は
斜め向かいに座っていたことが
感染を防げた理由と
考えられています。
シミュレーションによると
斜め向かいで1m以上の距離があるケースでは
このように、届く飛まつの量は
正面に座る場合の
4分の1に減るという
結果が出ています。
浅野≫飲食の問題は
緊急事態宣言が
出ている地域だけの
問題だけではありません。
緊急事態宣言が
出されていない多くの地域で
これ以上の感染拡大を防ぐことも
喫緊の課題です。
私たちに何ができるのか。
ここでも最新の研究から
重要なポイントが
見えてきています。
≫飲食の場を発端とした
感染拡大をどう防ぐか。
筑波大学の倉橋節也さんが
注目したのは
「誰と飲食を共にするか」
という点です。
シミュレーションで想定したのは
人口1万人の都市にある5つの会社。
社員はそれぞれ1000人で
5つの部署に分かれています。
そして
7軒の飲食店があると仮定します。
感染拡大のリスクが最も高いのは
5つの会社からバラバラに人が集まり
食事をした場合です。
飲食の場で感染が広がるとそれが、つなぎ目となって
社会全体に
感染が拡大する可能性があります。
そこで倉橋さんは
まず、食事をする仲間を
同じ会社内に限定しました。
すると飲食の場で感染が起きても
そこから全体に広がる感染者数は
17%減りました。
さらにメンバーを
同じ部署内の人に限定すると
その減少幅を
24%にすることができました。
大人数や
長時間の飲食を避けたうえで
メンバーを
ふだん一緒にいる人に限るほど
感染拡大が抑えられることが
示されたのです。
≫行動を共にする人を
ふだん、よく接している集団の
内部に限るという、この対策。
ステイ・ウィズ・コミュニティーと呼ばれ
今、飲食の場に限らず
重要性が指摘されています。
では、コミュニティーを超えた
つながりが生まれ
感染拡大を加速させる
可能性がある場所はどこか。
東京大学の大澤幸生さんは
分析を行いました。
1300人を対象に
どんな場所に行き
そのときマスクをしていたか
どんな人と、何人会ったかなど
5日間の行動を
詳しく調べたのです。
その結果です。
コミュニティー以外の人と接する頻度が最も高かったのは
スーパーマーケット。
続いて電車、テーマパーク宿泊施設の順でした。
外部からの来訪者が多い
オフィスも
飲食店や居酒屋に次いで
高い順位でした。
こうした場所で一人一人が