2021/01/16(土) 21:00〜22:00 NHKスペシャル「“感染爆発” 危機をどう乗り越えるか」[字]


感染対策に力を入れることは
社会全体への
感染拡大を抑えるうえで
確かに効果的だと
大澤さんは考えています。
武田≫尾身さん、こうした
科学的な知見をですね
少しでも多く
積み上げていくことが
大切だと感じましたが


いかがですか?
尾身≫すでに分かっていることを
みんなで実行するっていうことが
求められていると思います。
浅野≫そして、収束の切り札と期待されているのがワクチンです。
日本では、2月下旬から

医療従事者に。
3月下旬からは高齢者に。
4月からは基礎疾患のある人を優先して
接種を行う方針を示しています。
果たして、前例のない大量かつ迅速なワクチン接種は
可能なのでしょうか?
≫集団接種の準備を急ぐ自治体の一つ、神奈川県厚木市。
接種会場の確保や
接種に必要な書類の発送など
業務が山積しています。
特に、不安を抱えているのが医療スタッフの確保です。
すべての接種会場で必要になる
医師や看護師の数は
1日あたり100人ほどに上る
可能性があることが分かりました。
爆発的な感染拡大で
医療がひっ迫する中
果たして
どこまで人手を確保できるのか。
≫すでにワクチンの接種を
開始した国々では
想定外の事態に直面しています。
先月、接種を開始したアメリカ。
感染者の数が全米で3番目に多い

フロリダ州にある病院です。
グループで働く3万人を対象に
ワクチンの接種が始まりました。
≫まず直面したのは
ワクチンの取り扱いの難しさです。
病院に届いたのは
2種類のワクチン。
ファイザーなどのワクチンは
マイナス70度前後
モデルナのものは
マイナス20度で保管し
解凍して使用します。
一度常温にすると
6時間、または12時間以内に
使い切らなければならず
接種の時間や人数など
詳細な計画を立てる
必要があります。
さらに、接種のあとにはアレルギー反応が出ないかなど
距離を確保した広い場所で
経過を観察しなければなりません。
病院の中では
こうした条件を満たすスペースが
限られるため
綿密なスケジュール調整に追われています。
≫アメリカでは当初
去年末までに、2000万人への
接種を目指していましたが
現時点で接種できた人はその半数余りにとどまっています。
スタジアムや競馬場を使った

集団接種が行われている
イギリスでも混乱が…。
接種を始めて1か月。
早くも
方針の大転換を迫られたのです。
ワクチンは間隔を空けて
2回接種することで
期待される効果が得られると
されています。
ファイザーのワクチンは
3週間、必要です。
当初、イギリス政府は
この期間のとおりに接種を進めていました。
しかし先月
変異ウイルスによるとみられる
感染の急拡大で
1日の感染者が5万人を超える日が続き
亡くなる人も
高齢者を中心に増えていきました。
そこでイギリス政府は
急きょ、1回目のワクチンをより多くの高齢者に
接種する方針に
かじを切ったのです。
≫2回目の接種を
最長で12週間後に遅らせ
その分、より多くの人が
1回目の接種を早く受けられるようにしたのです。
臨床試験のデータを分析した
政府の委員会は
「1回の接種でも