離れているためです。
搬送に時間がかかり→
治療が遅れるリスクにつながると指摘されました。
医療資源が比較的多い都市部でも→
未治療死のリスクが潜んでいました。
愛知県です。
想定される重傷者は 2万4,000人余り。
そのうちの56% 1万3,000人を超える
未治療死が出ると試算されました。
現在の災害医療では対応できず→
未治療死が増大する巨大地震にどう備えるか。
限られたマンパワーで
効率的かつ迅速な支援を実現する→
新たなシステムの開発が
進められています。
AIを使った情報支援システム
D24Hです。
このシステムを活用しようとしているのが
DMATです。
災害が起きた時
被災地の医療機関の情報や→
被害の詳しい状況が
リアルタイムに集積される このシステム。
どこから支援をすべきか
必要な人手は何人かなど→
判断に必要な情報をAIが導き出します。
このシステムの有効性を確かめるために試験的に検証されたのが→
去年 熊本県南部を襲った豪雨災害です。
当時求められたのは医療支援を必要とする避難所を→
一刻も早く把握することでした。
多くの被害が出た人吉市です。
至る所で浸水し 道路が寸断。
被災した人は市内18か所の避難所に逃れていました。
このシステムを使った結果→
AIは 支援が必要な避難所を見つけるための最短の移動ルートと→
最小限の人数を瞬時に算出。
意思決定に重要な情報が示されました。
本格的な運用に向けて
去年から訓練を重ねているDMAT。
最小限の人数で素早い判断ができる
このシステムを活用できれば→
より効果的に医療を届けることができると
期待しています。
南海トラフ巨大地震の
シミュレーションで→
未治療死が 1万8,000人以上に上ると
算出された高知県です。
災害時 医療現場の人手を
一人でも多く確保し→
いち早い医療活動につなげる取り組みが
進められています。
看護師の藤澤哉子さんです。
藤澤さんは 県内で独自に行われている→
地域災害支援ナース制度に
登録しています。
ふだんは 自宅から20キロ離れた
診療所に通勤している藤澤さん。
災害時には 被災状況に合わせて
別の医療機関などに駆けつけます。
これまでの災害では
自宅などで被災した看護師が→
勤務先の医療機関にたどりつけず→
人手が ひっ迫する事態が度々起きていました。
そこで この制度では→
災害時 看護師が 最寄りの病院や避難所などの支援に入ることを→
事前に取り決めておくことにしました。
被災によって 看護師の人手が不足することを防ぐのが ねらいです。
看護職の資格さえあれば
年齢制限はありません。
災害医療の研修を受けた登録者は
現在550人を超えています。
災害時 交通網が寸断され
外部からの支援が届きにくい高知県。
被災した場所で
柔軟に活動できる この制度によって→
より多くの人が 災害医療に
関わることができると期待されています。
非常時に 医療の空白を
少しでもなくそうと模索する→
災害医療の現場。
今 新型コロナウイルスの感染拡大が新たな課題を突きつけています。
先月 コロナ禍の巨大地震を想定した
実験が行われました。
耐震化されたコロナ病棟が→
南海トラフ巨大地震相当の揺れに見舞われた時→
どれくらいの被害が出るのか検証します。
コロナ禍で巨大地震が起きる未曽有の複合災害。
感染症の患者と地震の負傷者。
医療現場は 複雑な対応を強いられることになるのです。
コロナ禍で巨大地震が起きると
患者の救命に どれほどの影響が出るのか。
布施 明教授の研究チームは
その数値化にも取り組んでいます。
研究チームは コロナ患者への対応に
医療資源が割かれる中で→
未治療死者が どれだけ増えるのか→
シミュレーションしました。
南海トラフ巨大地震の被害が
特に大きいとされる→
9府県の合計値です。