2019/03/07(木) 01:00〜01:50 NHKスペシャル「“黒い津波”知られざる実像」[字][再]

あの日から8年。
これまで 専門家も
捉えきれていなかった津波の実像が→
明らかになろうとしています。
岸壁を乗り越える津波。
その色は 透き通っています。
しかし このあと。
僅かな間に 津波は
どす黒く その色を変えました。
各地で目撃された 黒い津波です。
あららら…。
何で 何で 何で!
この黒い津波の正体は 一体何なのか。
8年前 ペットボトルに採取された
黒い津波が→
そのままの状態で見つかりました。
今回 私たちは専門家と共に その成分を分析。
想像を超える 黒い津波の姿が
見えてきました。
海底の極めて細かいヘドロを
巻き込んだ津波。
その破壊力は→
通常の海水を 大きく上回っていたことが分かりました。
更に 黒い津波からは→
油や重金属なども検出されました。
黒い津波は
人体の奥深くまで入り込み→
命を奪っていったのです。
これまで 津波の対策は→
主に 通常の海水を


前提としてきました。
しかし 今 黒い津波が
その常識を覆そうとしています。
知られざる巨大津波の姿に迫ります。
私たちが 津波の実像に迫る新たな手がかりをつかんだのは 去年 秋。
宮城県気仙沼市に住む男性が
NHKに連絡を寄せてくれました。
上田克郎さんです。
上田さんは 気仙沼を襲った津波を→
ペットボトルに
そのまま保管していました。
市街地の建物の
半数近くが被災。
1,432人が
犠牲になった気仙沼市。
被災した翌日→
上田さんは 状況を確認しようと海沿いを歩いていました。
異様な黒さに驚いた上田さん。
あの日の津波を伝えることに役立つのではないかと→
8年間 保管してきました。
はい。 何だろう…
地震です!
まだ揺れてます。
何だ こら。 おお~!
東北を襲ったマグニチュード9.0の地震。
その後 沿岸の各地に
巨大津波が押し寄せます。
気仙沼では
津波が町を襲った瞬間から→
一連の映像が残されていました。


撮影した 吉田芳幸さんです。
吉田さんは 海を目の前にした
職場の屋上から撮影していました。
岸壁を越え始めた津波は
透明で 地面が透けて見えます。
ところが…。
おお~ うわ~!
僅か1分後
押し寄せる津波は 真っ黒に。
時間がたつにつれ
どす黒くなっていきます。
防波堤 越えた!
おい 来るぞ。
黒く色を変えて 町を襲う津波。
各地で映像に残されていました。
あれ 黒くなって あれ。
宮古市や大船渡市。
黒くなって…。
あららら…。
八戸市でも。
共通しているのは→
三陸のリアス海岸など
入り組んだ湾や港のある場所です。
今回 私たちは
専門家の協力を得て→
ペットボトルに残された水を
詳しく分析することにしました。
津波のメカニズムを研究する
有川太郎教授です。
これまでの津波研究では

主に通常の海水を前提に→
被害の規模などを計算してきました。
黒っ。
果たして 黒い津波だと何が違うのか。
分析の結果 黒い部分の多くは海の底に沈殿していたヘドロでした。
流れの少ない湾の海底などに
堆積しているものです。
油や重金属などの有害な物質も
多く検出されました。
専門家が驚いたのは