そのハサミは…
そんな評判を聞きつけ全国から若者が押し寄せる。
月400万 売り上げれば一流とされるなか→
この男は なんと破格の…
カリスマ…
([外:27F0C69A76BF571D6DC25DB389D20779]木)俺は 人生をデザインする。
人気美容室がしのぎを削る…
話しかけづらい人そのものだった。
だが…。
途中で…。(取材者)脱いだらどうなるんですか?
予約は 常にいっぱい。
その人気ぶりは 予約を受け付けると…
尊敬するのは ケイスケ ホンダだ。
華やかに見える[外:27F0C69A76BF571D6DC25DB389D20779]木の美容室。
初めて来たという 二十歳の大学生。
癖毛に思い悩み店を転々としてきたという。
[外:27F0C69A76BF571D6DC25DB389D20779]木は話に耳を傾けながら
頭の形や毛質→
一本一本の生え方を見極めていく。
長さを整えたあと 手に取ったのはスキバサミ。
ミリ単位にこだわって
髪のボリュームを減らし 癖を軽減する。
だが それだけでは 並の美容師。
[外:27F0C69A76BF571D6DC25DB389D20779]木の信念。
はい チーズ。
しかし [外:27F0C69A76BF571D6DC25DB389D20779]木が真に求めるのは外面ではないことが→
取材を進めるうちに分かってきた。
目を覆うほど 長く伸びた前髪。
大胆に前髪にハサミを入れ始めた。
([外:27F0C69A76BF571D6DC25DB389D20779]木)美容師のやるべきことって→
やっぱ 魔法をかけることかなぁ。
世界を マジでハッピーに。
しかし [外:27F0C69A76BF571D6DC25DB389D20779]木は一向にお構いなし。
この日の予約は 20人。
どういうことですか?
[外:27F0C69A76BF571D6DC25DB389D20779]木が いつになく ぼやいていた。
手にしていたのは
雑誌読者が選ぶ人気美容師ランキング。
だが 部下の名前が一つもない。
この日 [外:27F0C69A76BF571D6DC25DB389D20779]木は一人の従業員を系列店から呼び寄せた。
入社4年目
アシスタントを務める鈴木雄人 24歳。
だが 4年目の雄人は
同期で唯一 デビューできていなかった。
練習中 つい本音がこぼれた。
挑むのはこの店一番人気のショートスタイル。
そこに 自らのこだわりを
どれだけ込められるか。
まだまだ こだわれることはある。
この日は 客を待たせたことを問うた。
[外:27F0C69A76BF571D6DC25DB389D20779]木さんの意外な一面を知ったのは→
千葉の実家にお邪魔した時のことだった。
[外:27F0C69A76BF571D6DC25DB389D20779]木さんからは思いもよらないような
いかにも真面目なご両親。
いつも強気な[外:27F0C69A76BF571D6DC25DB389D20779]木さんも
全く頭が上がらない。
[外:27F0C69A76BF571D6DC25DB389D20779]木さんの歩んできた道。
それは 今の姿からは考えられないほど傷だらけだった。
生まれは 1985年。
公務員の父と美容師の母のもと愛情をいっぱいに浴びて育った。
学級委員長も務める 誰もが羨む優等生。
でも 中3の冬 人生は色を失った。
高校受験に失敗した。
第2志望の高校でプロサッカー選手を目指すも→
その後 目指した大学 専門学校
公務員試験 全て落ちた。
ふがいなさよりも
親に申し訳なくて いたたまれなかった。
「なぜ 自分は生まれてきたのか」。
自らを責めた。
この時 [外:27F0C69A76BF571D6DC25DB389D20779]木さんが選んだのが
母と同じ 美容師の道だった。
原宿で1 2を争う人気美容室に就職。
そこで 自らに一つのことを誓った。
当時を知るお客さんが
それを教えてくれた。
確かに 一発目から言って。
一発目から。
でも [外:27F0C69A76BF571D6DC25DB389D20779]木さんは 桁外れの不器用だった。
同期には次々と先を越され失敗を重ねたあげく→
出勤停止となった。
落ちるところまで落ちた時→
思ってもみない感情が込み上げてきた。
[外:27F0C69A76BF571D6DC25DB389D20779]木さんは 閉店後 一人残り→
夜が明けるまで
徹底的に練習に打ち込んだ。
今 流行している髪形は何か 書店に通い
ファッション雑誌を読みあさった。
不器用だからこそ
人の100倍 努力しなければ→
ここからは はい上がれない。
先輩に 自らの髪を切ってほしいと頭を下げ→
その技を盗んだ。
そんな[外:27F0C69A76BF571D6DC25DB389D20779]木さんを周囲は あざ笑った。
脳裏に常にあったのは 自分を
どんな時も受け入れてくれた 父と母の姿。
「この子を産んでよかった」。
ただ そう思ってもらいたかった。
血のにじむような努力を重ねた末→
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