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今日の舞台は 沖縄。
その独特の風土と歴史は→
さまざまな伝統工芸を生み出しました。
現代の職人たちもその技を発展させ→
新たな表現を切り開いています。
ところが…。
新型コロナウイルスの感染拡大。
沖縄の工芸も大きな打撃を受けました。
こんな時だからこそ
手を休めず 技を究めよう。
押し寄せた厳しい事態に負けることなく→
名匠への道を突き進む職人たちの姿を追います。
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沖縄県糸満市。
サトウキビ畑の隣にある この工房。
(女性)お邪魔しま~す。 こんにちは。
宮城守男さん 42歳。
紅型の職人です。
紅型は 沖縄独特の染め物。
「紅」は「色」→
「型」は「模様」を意味するといいます。
鮮やかな色彩と
ユニークな模様が特徴です。
かつては 琉球の
王族の衣装に使われていた紅型。
宮城さんは そこに現代的な色彩感覚と→
斬新なデザインを持ち込みました。
4年前 「イッピン」は→
宮城さんの仕事ぶりを紹介しています。
ちょうど
帯に色を入れているところでした。
色差しです。
薄いブルーは のりが塗ってあるところ。
白い部分に
色を入れます。
今 僕 こう よく混ぜてるんですけど
これも 顔料なので…。
染め物で一般に使われる染料ではなく
顔料を使っています。
あ~ 抜けちゃうんですか。
沖縄の強い日ざしを浴びても→
色あせしないために
紅型では顔料を使うのです。
色のついた石などを砕いて作る顔料。
粒子が粗いため 生地の中まで→
なかなか染み通りません。
粒子が細かい染料との差は→
このとおり。
紅型職人は色を入れる時 2本の筆を使います。
顔料をつけた筆で色を入れ→
もう一本の筆で こすります。
生地の上に塗った顔料は→
表面に とどまったまま。
それを 乾いた筆で→
ムラなく擦り込んでいくのです。
この作業を素早く行うことが大切。
宮城さんの得意技は→
沖縄の言葉で→
「ヌウジグマ」と呼ばれる手法です。
「ヌウジグマ」とは
虹のように色彩が→
グラデーションに
なること。
神経を使う 高度な技ですが→
自分の紅型にはこの技を駆使したいといいます。
色差しを終えたあと→
水で洗って のりを落とせば完成です。
伝統を受け継ぎながら より一層→
沖縄の光と風を感じてもらいたいといいます。
紅型の担い手として
期待を集める宮城さん。
修業時代の教えを
忘れたことはないといいます。
好きな言葉でね
「ちゅらくちばやく」っていう言葉を→
僕の師匠が僕に よく言ってくれて。
ちゅらくちゅばやく?
ちゅらくちばやくっていうのは→
「ちゅらく」っていうのは「美しく」→
で 「手早く」っていう意味
なんですけども…。
あれから4年。
宮城さんは今 月桃をモチーフにした→
帯に取り組んでいます。
月桃は 沖縄ではなじみ深い植物。
宮城さん自身
何度も手がけています。
でも そのデザインは
大きく変化しているのだとか。
こちらは16年前のもの。
月桃をシンプルに図案化した→
伝統にのっとったデザインです。
最新のものが こちら。
月桃が
よりリアルに表現され→
背景も含めて→
自然の息吹を強く感じさせます。
(宮城)切っても切っても 生えてくる。