♪♪~(テーマ音楽)
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日本を代表する物理学者の一人米沢富美子さん。
23歳で結婚 3人の娘を育てながら
世界的な研究成果を上げ→
付いたあだ名は
学会の子連れ狼。
女性初の
日本物理学会会長も務めました。
度重なる病 愛する夫の死…。
困難を乗り越え研究に まい進する姿は→
多くの人に感動と勇気を与えました。
米沢さんは昭和13年 大阪府吹田市生まれ。
好奇心が強く
僅か5歳で数学に目覚めます。
小学生の時のIQは 大阪府で一番の175。
中学 高校を ずばぬけた成績で卒業し昭和32年 京都大学理学部に入学。
当時 物理学科の教授だった→
日本人初のノーベル賞受賞者湯川秀樹さんに憧れて→
理論物理学の道に進みます。
研究テーマに選んだのは→
ガラスやゴムのように
明確な結晶構造を持たない物質→
アモルファスでした。
未知の研究に胸を躍らせていた時思わぬ出来事が…。
証券会社で働く允晴さんから
結婚を申し込まれたのです。
研究か 結婚か 真剣に悩みました。
しかし新婚生活は2年と続きませんでした。
夫がロンドンに
単身赴任することになったのです。
後を追うことを決意した米沢さん。
イギリス中の大学に じか談判して留学。
そこで最先端の論文を読みあさります。
帰国後 27歳で長女を出産しますが→
半年後には
京都大学基礎物理学研究所の助手に。
育児をしながら研究を続けます。
研究と育児の両立に奮闘しますが→
次女を妊娠すると
つわりで動けなくなります。
すると夫が…。
夫の言葉に奮起した米沢さん。
妊娠中に 物理学の新理論を発見
世界を驚かせます。
原子の配置が不規則な金属の中で
電子が どう動くのかを説明する理論で→
数学の知識を総動員して導き出しました。
昭和45年には三女を出産。
子どもと一緒に国際会議に出席し
学会の子連れ狼と呼ばれました。
44歳で慶應義塾大学の教授に就任。
最先端のコンピューター・シミュレーションを駆使し→
コストの低いアモルファス太陽電池の開発に
大きく貢献しました。
しかし 活躍の陰では
病との闘いが続いていました。
子宮筋腫と乳がんを相次いで発症
子宮と左右の乳房を失います。
そして 夫 允晴さんが
60歳で亡くなったのです。
平成7年に 女性初の日本物理学会会長に
就任していた米沢さん。
失意の1年間の後は 再び仕事に打ち込み
液体金属に関する新しい法則を発見。
平成17年には
世界の優れた女性科学者に贈られる→
ロレアル・ユネスコ女性科学賞を
受賞します。
物理学の魅力を
多くの人に伝える活動にも尽力。
若い女性の研究者たちにも
光を当てました。
女性として 妻として そして母として。
自然界の不思議に挑み解き明かし続けた80年の生涯でした。
研究そのものの魅力というのはですね…
2021/01/16(土) 05:40〜05:50
NHK総合1・東京