<1998年にスタートした「情熱大陸」は→
この4月で 放送20周年を迎えた>
<当時誕生した赤ちゃんもハタチになる>
<番組が見つめてきたのは
個性豊かな情熱>
<私たちは
それぞれに励まされ 驚かされ→
時に涙してきた>
<時代の風をはらみ輝きを放つ者たち>
<誰もが皆 ハタチという
特別な季節を駆け抜けている>
<だから 今月は→
4週連続 「ハタチの情熱」>
♪♪~
<昼飯に何を食べるか…>
<この日は 朝から決めていた>
(一力 遼)実は…
すいません こちらお願いします
えっと…
<ハタチにして 飛び抜けた収入が
あるというのに→
決して 無駄遣いはしない>
(店員)つけそば大盛り味玉トッピングです
<最近のお気に入りは→
みそベースのこってり系つけそば>
<サラリーマンのような雰囲気から職業を想像するのは難しい>
<囲碁棋士・一力 遼>
<13歳でプロとなり→
最年少記録を数々 塗り替えてきた>
<将棋界に藤井聡太あれば
囲碁界には一力がいる>
<今年 国民栄誉賞に輝いたのは→
将棋の羽生善治と囲碁の井山裕太>
<藤井が羽生の背中を追うように→
一力は 井山を脅かす存在だ>
<2年前に年間最多勝>
<去年は 賞金ランキングでトップの井山に続いた>
<誰もが認める
囲碁界のナンバーツー>
<だが 勝負の世界では
結果が問われる>
<一力は 焦りを感じ始めていた>
<ハタチで初のタイトルを手にした井山に対して→
自分には まだタイトルがない>
ハタチといっても→
それほど若いっていう年齢では
なくなってきています
更に若い10代の棋士も
どんどん出てきていますし→
海外だと 同じぐらいの年齢で→
世界チャンピオンになってる人も何人もいますので
そういった意味では→
まぁ そうですね はい…
<結果とは すなわち→
絶対王者・井山七冠のタイトルを一つでも奪うこと>
<ところが 待ち受けていたのは→
初めて経験する地獄だった>
<トップクラスの棋士は→
年間で50を超える公式戦をこなし海外遠征にも出かける>
<多忙な一力は→
棋士同士で研鑽を重ねる勉強会にも 参加していた>
<囲碁と共にある
ストイックな日々>
<碁盤の上に
黒と白の石を交互に置き→
自分の石で囲んだ
陣地の広さを争う囲碁>
<この場合は
右側を大きく囲った白の勝ち>
<相手の石を囲めば
そこは自分の陣地になる>
<石を取られないようにして
いかに陣地を広げるか…>
<それは すさまじい頭脳戦>
<進境著しい若手のホープには→
勉強会のさなかにも
囲碁愛好家から声がかかる>
(ファン)お~!
(拍手)
<ハタチの一力は→
年配のファンにとって頼もしい孫であり→
少年少女には
まぶしいアイドルだ>
<自身の対局を解説する口ぶりは
謙虚だった>
熱くなったんで しょうがないかなという感じですね
<勉強会を終えると→
棋士仲間と共に食事に行くのが
いつもの流れ>
<ラーメンは我慢して→
この夜はイタリアンに落ち着いた>
<気配り上手でもあるらしい>
<お互いにライバルながら碁盤を離れれば友人同士>
(笑い声)
どうなってんの?
(女性)一力先生 面白すぎる
<こんな時は どこにでもいるハタチの若者に見える>
<今年1月>
<囲碁界で最も注目される大一番棋聖戦が幕を開けた>
<賞金額は
七大タイトルの中で最高>
<序列1位とされる
タイトルだった>
<トップ棋士62人の
熾烈なリーグ戦を勝ち抜いて→
一力は 王者・井山への挑戦権を
手に入れた>
<対局前に
挑戦者が碁盤の面を拭くのは→
昔ながらの伝統だそうだ>
<公式戦では井山に対して3勝11敗>
<このところ 9連敗中だった>
<立ち塞がる分厚い壁を今度こそ…>
<先手 一力は黒>
<冒頭の2手で 報道陣は対局場を出なければならない>
まぁ これ難しい
<別室では 戦況が分析されていた>
<中盤で攻めに転じた一力は
勢いを増す>
<第一局は 一力>
<誰もが信じ始めた そのやさき…>
<王者・井山の一手が流れを変えた>
<優勢だった一力が突如 呻吟し始める>
ダメだね これは
ダメです ダメです
<強靭な井山の粘りにたじろぎ→
まさかの逆転負けを喫してしまった>
<棋聖戦は七番勝負>
<まだまだ巻き返す機会はある>
<けれど 対局を振り返る姿は→
ひどく憔悴していた>
<強気の攻めも若さなら→
井山の一手に動揺したのも若さのゆえか>
<今
早稲田大学社会科学部の3年生>
<一線級のプロ棋士としては
極めて珍しい>
<実家は
仙台で 新聞社を経営している>
<大学に進んだのは→
囲碁に偏らず幅広い見識を養うため>
<学業との両立で
毎日は 一層 多忙だった>
それで…
いや いないです
(スタッフ)欲しいとは思わない…?
う~ん まぁ 難しいですね
結構 今も忙しいので なかなか…
はい
<気分転換の一つは
仲間と楽しむフットサル>
あぁ!
<多少無理をしてでもこんな時間をつくっている>
(一同)おぉ~!
最後に最後に
(スタッフ)最後に決めた!
(スタッフ)撮れた 撮れたよし!
<敗戦の苦い後味を忘れるには
体を動かすのが一番なのだろう>
<棋聖戦七番勝負は
第二局 第三局と連敗>
<瀬戸際に追い詰められて
第四局に臨んだ>
<だが 井山に押しまくられ
いいところなしで完敗>
<タイトル奪取の夢は ついえた>
<これで 井山には 13連敗>
<悄然としていた>
<勝負師は感情を表に出さないもの>
<懸命に 悔し涙をこらえていた>
<とても 話しかけられるような雰囲気ではない>
<5歳になって囲碁を知る>
<アマチュア有段者だった祖父の手ほどきで→
たちまち 頭角を現した>
<プロ棋士を目指し10歳で母親と上京>
<13歳でプロになって以来→
目覚ましい戦績を挙げてきた>
<持ち味は 深い読みと鋭い攻め>
<2年前 井山との対局は鮮やかだった>
(解説)あっ!
(司会)うん!
(解説)これは もう勝負ですね
(司会)何が起きてるんですか?
(解説)そこ 黒は捨てるより
しょうがないもんな
<白の一力は→
序盤の劣勢を覆す反撃に出る>
<ミスを誘って 天下の井山から
勝ちを もぎ取った>
<深い読みの秘密は
驚異的な記憶力にもある>
<その力を
まざまざと見る機会があった>
<1打ごとに
頭の中の碁盤に石を置いてゆく>
<卓球を
続けているため→
単に碁盤を使わない
目隠し碁より→
更に集中力が必要だ>
(友人)いや ちょっと悪い気がします
(スタッフ)えぇ~!?
<蓄積されている無数の対局データ>
<だからこそ
最も有効な次の一手を→
一瞬で選び出せる>
(スタッフ)疲れるね疲れますね これ
<一力は 中国で
国際トーナメントに挑んだ>
<今
世界の囲碁を席巻しているのは→
中国と韓国>
<日本の絶対王者・井山さえ→
歯が立たない若手棋士が→
何人もいる>
そういった意味では…
<一力の名は中国でも知られている>
<日本代表の一人として
果たして どこまで戦えるか>
<午前10時>
<24人が参加する勝ち抜き戦がスタートした>
<一回戦の相手 キム・ジソクは→
韓国でランク2位の強豪>
<4年前 一力は→
二十歳未満の世界大会で優勝している>
<実力は 互角と思われた>
<だが 次第に一力の長考が目立ち始める>
<攻めあぐねていた>
<明暗を分けたのは→
15分間 悩み抜いた末の一手>
<悪い手は 打った瞬間に気付くものだそうだ>
<粘ったものの
ついに挽回できなかった>
<指摘された 精神力の弱さ>
<いつまでも若さのせいにはできない>
<翌日 宿泊先を訪ねてみた>
<ミスとなった一手を悔やみ昨晩は よく眠れなかったという>
<この時も 敗因を分析中だった>
結果的に…
(スタッフ)ミスが起きたというのは
何手目なんですか?
70手の この…→
仕掛けて… 今の 変化を求めていったところですね
<ここまで負けが込むのは
プロになって初めて>
<スランプだった>
<帰国後 去年優勝した国内トーナメントに出場>
ありがとうございました
<けれどここでも 準決勝で苦杯をなめた>
<去年 勝ち上がって→
井山への挑戦権を手に入れたタイトル戦も→
本戦で惨敗>
<棋聖戦第一局で勝ちを逃した あの勝負が→
頭を離れないらしい>
まぁ ちょっと そうですね…
なかなか 最近 ちょっと→
同じような負け方が続いてるのであんまり…→
状態はよくないかなっていう
感じですね はい
ちょっと 今日は すいません
また 連絡してください(スタッフ)そうですね
<幼い頃から負けず嫌い>
<負けた時はいつも悔しくて泣いていた>
<だが 泣いたところで
どうなるものでもないことを→
ハタチの一力は知っている>
そうですね
それが 難しいところですね
まぁ あの…
タイトル戦が始まる前までは
結構 それなりに→
戦える自信はあったんですけど…
ちょっと すいません
まずは 先ほど あったように
なかなか結果が出ない中で→
ちょっと 自分自身の歯車が
狂っていってしまったのかな→
…というふうには
感じることもありましたね
やはり 手合で勝つのが
一番の薬になるのかな
自分にとっての…→
まぁ 元気が出る要因になるのかなとは思いますね
今週も来週も 対局ありますし→
まぁ 1つずつ 丁寧に…→
自分らしい碁を打って→
まぁ 結果が伴ってくれば→
少し 自信戻ってくるんじゃ
ないかなと思います はい
(スタッフ)厳しい世界ですね
はい
<今年もまた→
棋聖戦の挑戦者を決めるリーグ戦が始まった>
お願いします
<スランプを克服するには勝つしかない>
<棋聖戦リーグの第1戦>
<10時間を超える激闘の果てに→
またしても 一力は敗れた>
<勝負師は 恐ろしく孤独だ>
<けれど
空前絶後のスランプの中で→
一力 遼は 堂々と胸を張る>
囲碁に出会ってなかったら→
人生 全く違ったものだったと
思いますし→
まぁ
このハタチという節目の年に→
更に いろいろ経験できたことを
糧にして→
また 一段階上のステージへ
行けたらいいのかなとは思います
(スタッフ)
囲碁がお好きなんでしょうね
そうですね
それは変わらないと思います
ずっと
<つい最近井山の勉強会に参加した>
<いつか必ずタイトルを>
<たぎる思いは ふつふつと熱い>
<次回の「情熱大陸」は…>
<身長148cm>
<挑むのは 世界最高峰の舞台>
2018/04/29(日) 23:25〜23:55
MBS毎日放送
情熱大陸【一力遼/絶対王者・井山裕太に続く20歳の逸材●ハタチの情熱第4夜】[字]
囲碁棋士/一力遼▽驚異的な記憶力を武器に13歳でプロに「井山さん一強時代に終止符を打つのは自分でありたい」現在最大のスランプ期“勝負の世界”生きる男の涙の味とは
詳細情報
番組内容
今年1月、国民栄誉賞を受賞した井山に密着取材中、対局相手だった一力遼は井山に完敗し、己の不甲斐なさに人目もはばからず涙を流していた。そんな20歳の青年の姿…突き動かすものを知りたくて取材を開始した。現在プロになって8年最大のスランプで、ここ一番の対局で勝利を掴めない。もがき焦りながらも囲碁界では例を見ない大学に通いながらのプロ活動にこだわり、誰よりもタイトルを切望するハタチのひたむきな想いを追った
プロフィール
【囲碁棋士/一力遼】
1997年宮城県出身。新聞社や放送局を経営する一力家の長男として生まれ、5歳で囲碁を始める。2014年高校1年生の時に史上最年少16歳9か月で棋聖戦リーグ入りを果たし17歳3か月で新人王となる。現在は早稲田大学社会科学部に在籍中。昨シーズンの賞金ランキングは井山裕太に次いで2位。気分転換は“ラーメン店めぐり”、体重増加を気に病む乙女チックな一面も持つ20歳。
制作
【製作著作】MBS(毎日放送)
【制作協力】東北新社
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おことわり
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趣味/教育 – 囲碁・将棋
福祉 – 文字(字幕)