日本の犯罪史に残る凶悪事件を次々に引き起こした→
オウム真理教。
13人の死刑が執行された。
そのオウムが ただ一つだけ
関与を否定し続けた事件がある。
テロの標的になったのは
日本警察の頂点に立つ 國松孝次。
警察は この10日前に
地下鉄サリン事件を起こしていた→
オウム真理教によるテロと見て
捜査。
のべ48万人を投入したが
事件は 未解決に終わった。
しかし その裏で→
警察内部でも ごく一部にしか知らされていなかった→
重要参考人の男がいた。
シリーズ「未解決事件」 第7弾は→
警察庁長官狙撃事件を追う。
今回 私たちは→
男のアジトから警察が押収した→
4,000点以上の証拠品を入手。
謎の男の正体に迫った。
近代警察が誕生して150年。
その長い歴史の中で ただ一度
トップの命が狙われた→
前代未聞のテロ。
長官を狙撃した犯人は果たして 誰なのか。
凶悪事件を起こした受刑者が
収監されている 岐阜刑務所。
獄中にいる男が
長官狙撃事件の真犯人を名乗り→
私たちに手紙を送ってきた。
「私が計画し 実行した警察庁長官暗殺作戦を→
改めて説明します」。
差出人の名は 中村 泰。
銃を使った別の事件で
無期懲役になった男だ。
「秘めておいた
二 三の新事実を用意しています」。
警察庁長官狙撃事件が起きたのは
1995年3月30日。
冷たい雨の降る朝だった。
現場は 隅田川のほとりに建つ高級マンション群 アクロシティ。
警視庁に入った連絡によりますと
警察庁の國松孝次長官→
今朝8時半過ぎ
自宅のマンション前で→
腹の辺りを けん銃で撃たれて
大けがをし…。
自宅から出てきた
國松孝次警察庁長官は→
20m離れた地点で
待ち伏せをしていた犯人に→
背後を狙われた。
犯人は 崩れ落ちる國松長官に正確に狙いを定め→
2発 3発と
続けざまに銃弾を撃ち込んだ。
緊急手術の際に撮られた写真。
背中には直径1cmを超える銃痕があった。
心臓が6回も停止。
出血性ショックでひん死の状態に陥ったが→
奇跡的に一命を取り留めた。
今回 私たちは長官狙撃事件に関する→
2,000ページに上る
警察の捜査資料を入手した。
その中に 犯人につながる
重要な手がかりがあった。
犯行に使用された銃弾の写真。
いずれも 弾頭がめくれるように膨らんでいた。
弾丸や銃の分析を行った→
警察庁 科学警察研究所の元技官内山常雄が 取材に応じた。
犯人の強い殺意を感じたという。
犯行に使われた けん銃はアメリカ製のコルトパイソン。
銃身が 8インチと長く
珍しいものだった。
使用された弾も→
先端に くぼみのある極めて特殊なホローポイント弾。
命中すると 先端が
マッシュルーム状に広がり→
体の組織に食い込む。
体内をえぐるように傷つけ→
大量の出血を引き起こすのだ。
日本警察のトップを狙撃したのは何者なのか?
真っ先に
疑いの目を向けられたのが→
オウム真理教だった。
長官が狙撃される10日前→
オウムは 地下鉄サリン事件を
引き起こしていた。
教団への強制捜査に乗り出した
警察。
両者は 激しく対立していた。
犯人に撃たれた時→
國松長官が オウムが作ったビラを
握りしめていた事が→
今回 初めて分かった。
今も 國松長官の血が付着したままのビラ。
事件前日に オウムの信者が
長官の自宅に投かんしていた。
「強制捜査は