＜その恐るべき犯行に
世界が 震撼した＞
＜事件は 朝の通学路で 起きた＞
＜一人きりで学校へ向かう 少女＞
＜その背後には…＞
＜そして 人けのない道にさしかかった 瞬間＞
（悲鳴）
＜一瞬の出来事だった＞
＜気が付くと 少女は 謎の密室に
取り残されていた＞
（ナターシャ）ねえ！
＜１０歳の誕生日を 迎えたばかりの少女は→
この日を境に 想像を絶する
過酷な運命を たどる＞
＜メディアは 一斉に
事件を報道＞
＜警察は 国境を越えて
大捜索を 展開した＞
＜これが 少女を監禁した 部屋＞
＜誘拐犯の 異常 極まる計画とは…＞
（ナターシャ）出して！
＜果たして…＞
（スタッフ）ナターシャが
誘拐された 現場です。
＜今夜 あなたが目撃するのは→
小説より ドラマより映画よりも すごい…＞
（銃声）
＜緊迫の 一部始終をテレビ 生中継＞
＜人質 １１人の 運命は…＞
＜待ち受ける 衝撃の結末＞
（瑠璃子）嘘でしょ！？
＜オーストリアの首都…＞
＜ベートーベンや
モーツァルトが 活躍した…＞
＜ナターシャが
暮らしていたのは→
数千人が住む
この巨大な団地の 一室＞
＜あの日も いつもと
同じような朝だった＞
（ブリギッタ）ナターシャ。 ナターシャ。
（ブリギッタ）ほら。 早く。
＜１０歳＞
＜母 ブリギッタと ２人でつましい暮らしを 送っていた＞
＜両親は ５年前から 別居中＞
＜ナターシャは 数週間に 一度→
父と会う 生活だった＞
＜生まれたときから手の掛からない ナターシャ＞
＜母は 毎年 手作りのケーキを
焼いて 誕生日を祝った＞
＜ナターシャは そんな母が
大好きだった＞
＜平日は 手芸店を営む 母の
仕事終わりを 店で待ち…＞
＜休日は 母をまねて
化粧をしたり 着せ替え遊び＞
＜娘を愛する母は
口癖のように→
ナターシャに
こう 繰り返していた＞
＜だが…＞
＜愛し合う 母と 娘の幸せな日々は…＞
（悲鳴）
＜この日 一瞬にして崩れ去った＞
＜母親は すぐに…＞
＜自宅で 取材を受け悲痛な思いを 訴えた＞
＜別居中の 父親も 町じゅうに
ポスターを張り…＞
＜メディアは この事件を
大々的に報じ→
ナターシャの行方は→
国民の 注目の的になった＞
＜町の人々は 当時のことを
鮮明に 覚えている＞
＜いったい…＞
＜警察は 直ちに 捜索を開始＞
＜１００人以上の 捜査員と 警察犬が現場を 徹底的に 調べ上げた＞
＜上空から 国境付近まで捜索範囲を 広げた＞
＜しかし ３日が過ぎても→
ナターシャの行方はまったく つかめなかった＞
＜事件発生から ４日目。
捜査は 新展開を見せる＞
＜住民の証言から…＞
＜近所の住民が 当時のことを鮮明に 覚えていた＞
＜１０時間を超える 尋問には
嘘発見器も 使われた＞
＜ナターシャを 虐待していた
疑いが あったのだ＞
＜実は 事件当日の朝も…＞
＜娘に 手を上げたブリギッタ＞
＜ナターシャは 一人で
家を飛び出した＞
＜誘拐された 現場に
向かってみると…＞
＜この地区では 当時も
親の送迎が 当たり前＞
＜一人で 登校させるなど
考えられないという＞
＜さらに もう一つの噂が