2018/11/18(日) 21:00〜21:50 NHKスペシャル 人生100年時代を生きる 第2回「命の終わりと向き合うとき」[字]

あなたは…
いい血圧ですよ。
93歳の女性です。
人生の最期は 病院の世話にならず
自然な形で終わりたいと→
家族に伝えていました。
ところが 異なる現実が。
(サイレン)
「救急車 右に曲がります」。
自宅で最期を迎えようとしていた
高齢者が→
救急医療の現場に
次々と運び込まれています。
一度 心肺停止になると
ほとんどの場合 意識は戻りません。
長期間 病院で
延命医療を受けることになる人が→
少なくないのです。
一方 医療技術の進歩によって→
想定していなかった
事態も生まれています。
腎臓病患者への人工透析。
90代でも可能になりました。
ところが 治療を受けている間に
認知症を発症する患者が続出。
本人が望んでいるのか 確認できないまま
治療が続いています。
私たちは どう生き
そして どのように人生の幕を下ろすのか。
「シリーズ 人生100年時代を生きる」。


命の終わり方について考えます。
「人生100年時代を生きる」。
阿川さん 100歳以上の人口について→
ちょっと見てみたいと
思うんですけれども→
100歳以上の高齢者の数→
1963年には 153人だったのが今 7万人に増えました。
でも 7年後の
2025年には13万人に増え→
そして 2050年には 53万人になるという
推計があるんですね。
何で こんなに増えるんですか?
まあ 皆さん 健康になって→
どんどん やっぱり
医療技術も進歩して→
寿命が延びていってると。
53万人って…えっ 全人口が1億だとして。
もしも1億だとすれば
200人に1人ぐらいは 100歳。
珍しくなくなっちゃうんですね。
そうなんです。今に。
まさに 超超高齢社会。
こんな長寿高齢社会の中で→
人生の終わりに
どんな医療を望むのかが→
今日のテーマなんです。
阿川さんは 3年前に→
父の 作家の阿川弘之さんを→
看取られましたけれども→
ご家族の間で そういった→


最期をどう迎えるのかっていうお話ってされました?
父と あんまり具体的に
そういう話はしてないですけれども→
基本 父の望みは 在宅で 家で死にたい。
でも ちょっと無理だったから病院に入れました。
これが病院に入ってた頃で まだ元気で
ビールなんか飲んでましたけど。
私たちが若い頃からっていうか
子どもの頃から→
今夜 コロッと死ねたら
どれほど楽だろうっていう→
コロッと死にたいっていうことも
口癖だったんで…。
ただ 痛いのは苦手なんで→
痛がったらそれに処置はして頂きたいけれども→
自然に息を引き取るのを
看取って下さい→
っていうふうにお願いして
「分かりました」。
国の調査でも 9割の方が→
人生の最期を迎える時にどう過ごしたいのかという調査に対して→
こういった 胃ろう 人工呼吸器といった→
延命医療を受けたくない。
いわゆる
よく ピンピンコロリなんていうふうに。
そういったところを
望んでいるということが→
明らかになっているんですね。
ただ 現実はこうした胃ろうですとか 人工呼吸器→
こういった医療を受けて

命をつないでいるという方が→
多いというのが現実なんですね。
更に近年 医療技術の進歩によって→
多くの高齢者の方が
受けられるようになったのが→
こちら 人工透析です。
透析をすることによって やっぱり→
生き延びられるっていうことで。
命をつなげているという その現場で今 何が起きているんでしょうか。
多くの高齢者が人工透析を受けている