2018/03/02(金) 01:56〜02:26 恋は雨上がりのように[字]

(あきら)オーダー 入ります。
(あきら)おろしハンバーグ
ライスセット。
<橘あきら>
<17歳>
<高校2年生>
(近藤)お… お疲れさま。
お疲れさまです。
ねっ ヘヘヘ…。
<近藤 正己>
(目覚まし時計の音)<45歳>
<ファミリーレストラン 店長
バツイチ>
(あきら・近藤)<二人は お友達>
(大塚)4卓 上がったよ。
ああ 俺が行くよ。
なぜなら 俺と橘さんは友達だからね。
(久保)友達じゃなくて
店長だからでしょ。
何 言ってんの。
オーダー 入ります。あっ そっか。
まあ でも
友達でもあるよね。
(吉澤)お… 俺とも
友達になってくれない? 店長。
ああ もちろん 友…。
いやいやいや 店長と従業員が→
友達ってのは
よくないんじゃないかな。
えっ!? いや だって 今 友…。

んっ? 吉澤君ちょっと 前髪が長いかな~。
えっ!
飲食店だからね。
長いままだと
友達になる前に 首かもよ。
ハハハハハ…!
うひゃあ!
♪♪~
♪♪~
《あっ こ… これは その…》
《友達!》
《友達としてのハグ》
《友達?》
《そう》
≪(ドアの開く音)(ユイ)あきらちゃん おつ~。
お疲れ。
あれ?
えっ?
あれれ? あきらちゃん ニキビ?
ああ うん。
あっあたし よく効くやつ 持ってるよ。
ハァ…。
吉澤君 どうしたの?(吉澤)ヤバいっす。→
ここで働けなくなるかも。
(ユイ)えっ!?
さっき 店長に 前髪 長いって
言われて…。
ハァ…。
じゃ… じゃあさあたしが切ろっか?
んっ?

えっ?
一応 美容師 目指してるからさ
うまいよ。
超 助かるっす!
じゃあ 今日のバイト終わりに頼んます系で!
(ユイ)ねえ あきらちゃんって→
吉澤君と 友達だよね?
友達?
いや… 知り合い?
知り合い!
(ユイ)そ… そうなんだ。→
あきらちゃん…→
あ… あきらちゃんは好きな人いる?
えっ!? あ… 私は…。
(ユイ)あっ ごめん変なこと聞いちゃって。→
あたしは
ちょっとずつでいいから→
仲良くなりたいなって
思ってるんだ。→
吉澤君と。
(ユイ)美容師 目指してるのはホントだけど まだ 全然で。→
でも ずっと 何か
きっかけ 欲しかったから→
あたし うれしくって つい…。→
大丈夫かな? 仲良くなれるかな?
なれるよ。
どんな きっかけでも。
それで 少しずつ
接点が増えたり→
お互いのこと知る機会が

いっぱいあれば…。
きっと 友情から恋愛に
変わることだってあると思う。
そうだよね!
そういうのって ちまたでよく聞く あるあるだよね!
(ユイ)このこと 内緒ね?
うん。
(あきら・ユイ)ヘヘヘ…。
(おなかの鳴る音)
何か 力 湧いたら
おなか すいちゃった。
食べなきゃ。 いただきま~す。
私 先 戻るね。うん。
(ユイ)あきらちゃん。
んっ?
ありがとね。
フフ。
こんなもんか…。
ああ お疲れ。
え~っと よかったら… ねっ。
《夏… まつり…》
(久保)毎年やるのよ。
駅のすぐ近くの神社でね。
そして 毎年→
もらった分のポスターを…。あと一枚。
(久保)きっちり 全部 張るのが
店長のこだわりね。
《夏…》
(久保)ありがとうございました。
《夏が…》

《夏が 通り過ぎてゆく…》
あ~。
ハァ…。
んっ?
フフ…。
店長。
うわっ!
んっ?
ああ お… お疲れさま。
友達…。
んっ?
友達だったら メールとか
普通 すると思うんです。
あたし 店長とメールしたいです!
(ユイ)えっヒマワリとカレーが好きなの?
(吉澤)何げに 黄色系が好きっす。
(ユイ)あ~。
ちなみに ミカン シバイヌも
ときめくっす。
それも 黄色だね。
(吉澤)っすね。
(吉澤)ハハハハ…!
(ユイ)ヘヘヘヘ…!
♪♪~
♪♪~
《今は友達でも
いつか きっと…》
(部員)ちょっと待って。
(部員たち)1 2 1…。
(はるか)ハァ…。

(山本)おっお前は補習じゃねえんだな。
(山本)偉いじゃん。
(はるか)いきなり 何ですか!
サッカー部の領域は
侵していないですよ。
それに 山本先輩は サッカー部を
引退したんじゃないんですか?
受験ですしね。
息抜き 息抜き。
そうですか。 じゃ 失礼します。
おい。
お前さ 最近 よく一人でいるよな。(はるか)はっ?
ほら 前は よく 一緒にいたろ?
つり目の。
(はるか)ああ あきら。
橘あきらですか?
(山本)橘っていうのか。
それが どうかしたんですか?
えっ いや その…。
じゃ 失礼します。
(山本)おっ おい 待てよ。→
おい。→
あっ いてっ…。
クソ…。
だ… 大丈夫ですか?(山本)あ… ああ 大丈夫。
けど ちと ヤバかった。
(はるか)すみません…。
お前は 悪くないよ。
ただ 引退の理由は受験だけじゃないってね。
ケガ… ですか。

(山本)そうか。しばらく 見ないと思ったら→
ケガだったんだな 橘。
山本先輩とは状況が違うと思いますが。
ケガをした選手が
部から離れてしまうのは→
しかたのないことなんですかね。→
もう 走るのが嫌になってしまったんでしょうか。
(山本)橘が そう言ったのか?
いえ。(山本)じゃあ 違うだろ。→
走りたいと思ってるよ。→
俺も 受験やケガでサッカーと距離ができちまうけど→
ずっと ボールに触れていたい。
好きだからさ。→
まあ でも 才能のあるやつは→
そう簡単な話でもないんだろうな。
単純にケガの再発の恐怖も
あるだろうけど→
周りの期待値も高いだろ。→
女子陸のエースとしてのさ。→
それに何より 本人の理想もさ。→
まっ あんまり 気に病むなよ。
お前みたいに気に掛けてくれる
人間が そばにいるだけで→
橘は救われるところが
あると思うからさ。
っていうのが 才能なし
サッカー部 元キャプ 俺の見解。
ヒヒ。
ありがとうございました。
(チャイム)

≪(はるか)ラスト一周!≪(部員たち)はーい!
ハァ…。
ああ あれ? 夏休みの宿題?
毎日 コツコツやるタイプ?
偉いな~。
勇斗にも見習ってほしいよ。
補習の宿題です。
えっ? ハハハハ!
そうか 補習の宿題か。 ハハハハ。
ああ ごめん。 何の補習?
現代文です。 『羅生門』
『羅生門』って 芥川の!?
あっ はい…。
ああ… ごめん。
いや~ ちょうど 最近読み返してたから→
びっくりしちゃって。
そっか 『羅生門』か。
ある日の暮れ方のことである。
一人の下人が羅生門の下で雨やみを待っていた。
下人は七段ある石段の
一番上の段に→
洗いざらした
紺の襖の尻を据えて→
右の頬にできた
大きなにきびを気にしながら→
ぼんやり
雨の降るのを眺めていた。
どこが 分からないの?
あっ 分からないっていうかその…。
問題の内容は?

どれどれ…。
「あなたは下人のとった行動を
どう思いますか」
「自由に書きなさい」
う~ん これは 悪問だな。悪問?
正しい問題は ちゃんと論理的に
一つの答えを→
導き出せるように
作られているものだからね。
こういう個人によって
複数 答えが出るような問題は→
あまりいいとは言えないかな。
この問いは どう答えても評価には響かないって。
あっ それなら 話は別だ。
登場人物の心理を自由に想像しながら→
小説を読むのは楽しいからね。
このままでは 飢え死にを待つばかりだった下人は→
門の中である人物と出会う。
死人の山から髪の毛を抜いて集めている老婆だ。
その行為は
下人の目には悪と映り 怒る。
しかし 老婆は
かつらにして売るため→
つまり 生きるために
やっているという。
すると 下人の心に
ある勇気が生まれてくる。
飢え死にを待つのではなく
盗人になる勇気。
下人の中で それまで

悪だと思っていたことが→
生きるためには善となったのかな。
いずれにせよ 含みを持たせたままこの物語は終わってる。
続き…。
えっ?
続きとか ないんですか?
えっ 続き?ハハハ… なるほど 続きね。
今まで そんなこと 考えたこと
なかったな。
実に 面白い。
いや ごめん ごめん。
続きはないけどね→
芥川は最後の一文を何回か書き直していてね。
この前の文章では
下人は雨の中に飛び出して→
町に強盗に向かっているんだ。
芥川がどう思っていたかは分からないけど→
前の文章を書いていたときには→
盗人になる勇気が 芥川の中で→
とても
大きなものだったんじゃないかな。
俺は そう思ってる。
店長だったら どうしますか?
えっ?
店長が下人だったら同じように盗人になりますか?
俺は→
たぶん 盗人にはならない。
いや なれないかな。
この年になると 小さく生きていく癖が ついちゃってるし→
波風はできるだけ立てたくない。

俺が下人だったら 門の下でずっと雨がやむのを待ってると思う。
もしかしたら 雨がやんでも→
その場から動けずにいるかもしれない。
橘さんだったら どうする?
えっ?
あ… あたしだったら…。
ハハハハ ごめん。ちょっと難しいよね。
これこそ ホントの悪問だ。
んっ?
わっ!
あっ!
《下人のニキビは若さの象徴》
《俺は もう ニキビすらできないただのおっさん》
《いまさら 考えを
180度 変えられるほどの→
勇気もエネルギーも
持っていない》
≪(久保)店長!
はい~!
今 行きま~す。
♪♪~
♪♪~
(楠)はい ご苦労さん。
ハハハハハ!
なかなか 面白い答えだな。
あっ ニキビ 治ったね。
うん。
西田さん この頭
何げに気に入ってる系ですよ!
ニャハ!

ヒヒヒ よかった。
≪お~ 吉澤君!
髪 切ったね。よ~しよしよし。
ワハハハハ…!
お疲れさまでした。(ユイ)お疲れさま~。
《誘っても いいかな…》
(はるか)お… お待たせ。
ハァ ハァ ハァ…。
行こっ!
♪♪~
♪♪~
2018/03/02(金) 01:56〜02:26
関西テレビ1
恋は雨上がりのように[字]

近藤に抱きしめられたあきらは二人の関係を『友達』だと言われモヤモヤとした気持ちを抱えていた。そしてあきらは何かを変えるため思い切った行動に出る…。

詳細情報
番組内容
陸上部のエースだったが怪我で走ることをやめてしまった女子高生・橘あきら(17歳)と、夢を諦めた過去を持つあきらのバイト先、ファミレス「ガーデン」の店長・近藤正己(45歳)。海辺の街を舞台に、青春の交差点で立ち止まったままの彼女と、人生の折り返し地点にさしかかった彼が織りなすものがたり。
胸が熱くなる瞬間を、本当は誰だって待ってる――。
出演者
橘あきら(CV:渡部紗弓) 
近藤正己(CV:平田広明) 
喜屋武はるか(CV:宮島えみ) 
西田ユイ(CV:福原遥)
スタッフ
【原作】
眉月じゅん(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載) 

【監督】
渡辺歩 

【シリーズ構成】
赤尾でこ 

【キャラクターデザイン・総作画監督】
柴田由香 

【音楽】
吉俣良 

【オープニング・テーマ】
CHiCO with HoneyWorks「ノスタルジックレインフォール」 

【エンディング・テーマ】
Aimer「Ref:rain」
スタッフ2
【アニメーション制作】
WIT STUDIO 

【制作】
アニメ「恋雨」製作委員会


ジャンル :
アニメ/特撮 – 国内アニメ