♪♪~
父ちゃ~ん!
父ちゃ~ん! 父ちゃ~ん!
<お茶の間を沸かせたバラエティーや
音楽番組>
アメリカン1杯 頂戴。
アメリカンって薄いやつでしょ。
そうそうそう。
薄いやつね。
頭 見て 言わないでちょうだいよ。
<NHKは 時代の記憶に残る数多くの番組を放送してきました>
<そうした番組の
保存 活用の拠点が→
埼玉県川口市にある
NHKアーカイブスです。→
この2月
オープン15周年を迎えました。→
放送が始まってから 90年余り。→
膨大なフィルムやテープがここに保管されています>
<更に そのうちの1万本以上を→
番組公開ライブラリーで無料で公開してきました>
<「あの日 あのとき あの番組」。→
今回は NHKアーカイブスのある川口市での公開収録。→
今なお愛される思い出の番組を
たっぷりと ご覧頂きます>
(拍手)
皆さん こんにちは。
早速 テレビにゆかりの深いゲストの
お三方 ご紹介してまいります。
女優の中村メイコさん
タレントの小島瑠璃子さん。
そして 作家の荒俣 宏さんです。
どうぞ よろしくお願い致します。
お願い致します。
さあ 中村メイコさんは芸歴 なんと なんと 80年以上。
さすがに
テレビはない時代でしたから→
映画からなんですけど
まだ オムツが取れてなかった。
二歳何か月。
だから 今 名前どおり5月が来ると→
84歳になりますけど
83っていう事は→
80年 働いてる。
そうなんですね~。
そんなメイコさんにとって
放送から65年の テレビというのは→
どんな存在ですか?
そうですね…。
夫の神津善行さんより ずっと
長く一緒にいますから→
何か こう 同志っていうか
そんな感じ。
どうしても 私から
剥がれられないものみたい。
荒俣さんは 1947年のお生まれ。
団塊というやつです。
6歳の時に テレビの放送が始まった。
まさに 元祖テレビっ子と言っていいかと思いますが。
ほとんど最初から見ておりまして。
やっぱり 一番テレビが出た時に感動したのは→
それまで
ラジオだったんですよ ずっと。
大好きだったのが
大相撲中継だったんです。
相撲やって わ~ どっちが
勝ちましたってやってんだけど→
全く分からないんです
どっちが勝ってんだか。
それが 絵になった途端に→
解説いらないよっていうぐらいよく分かった。
ですよね。
(荒俣)これは すごいと思いましたね。
いろんなものが テレビを通じて…。
まあ 言ってみれば 顕微鏡や望遠鏡みたいなものだったですね。
知りたい事が分かるっていう。
小島瑠璃子さんは 平成生まれでいらっしゃいますから→
もちろん 生まれた時には
テレビが とっくにありましたよね。
そうですね 家にあって
当たり前のものというところで→
育ったんですけれども
小さい時から 家族で→
「大河ドラマ」を楽しみに見たりとか
あと 「朝ドラ」。
一緒に育ってきたっていう
感じですね。
今 こういうお仕事を
されてるのも→
そういう事に
関係があるんでしょうかね?
やっぱり 明るくて楽しい世界
っていうのが→
小さい時から
染みついてますので→
こういうふうに お仕事で テレビに
出られるようになるというのは→
本当に幸せな事だなと
今でも 本当に思います。
さて 今日は 15周年を迎えました
番組公開ライブラリーで→
視聴回数の多い人気番組を中心に
ご覧頂きます。
その番組公開ライブラリー
なんですけれども→
ここの川口のNHKのアーカイブスを
はじめとしまして→
各地のNHKの放送局など
全国に 57か所あります。
懐かしい番組や最近の話題作など
1万本を超える番組を→
無料で ご覧頂く事が
できるんです。
では そこで どんな番組が
人気を集めているんでしょうか。
まずは
子ども 青少年向きの番組。
更に 音楽・エンターテインメントのジャンルを
ご覧下さい。
<まずは…>
<視聴回数トップはアニメ「忍たま乱太郎」。→
忍者のたまご 忍たまの物語です>
忍者が赤ん坊しょって田んぼの中に潜んでれば→
不思議でしょうが!
<放送開始から 25年。→
今なお続く 人気アニメです>
けんかして うちのかあちゃんが実家へ帰っちゃったんだ。あれ!?
<こんなユニークな番組も。→
アニメと実写を合成したSFドラマ「宇宙人ピピ」>
(子どもたち)うわ~!
<主人公 ピピの声は…>
意地悪して遊ばないんだもん。
だから 僕 ちょっと脅かしてやったんだよ。
<1959年に始まった
「おかあさんといっしょ」>
♪♪「ブーフーウー さんびきの こぶた」
<初代の「ブーフーウー」や「にこにこ、ぷん」→
「ドレミファ・どーなっつ!」など
懐かしいキャラクターに再会できます>
この美しい冠と
かっこいいマントが似合います。
どこが美しくて…。
かっこいいの?だよ。
<1972年から放送された
「少年ドラマシリーズ」。→
今も根強い人気があります>
山沢典夫です。
趣味は 別にありません。
野郎…俺たちとやろうってえのか?
(高周波の音)
<そして 子どもたちを夢中にさせたのが…>
<漂流する島で繰り広げられる
夢と冒険の物語です>
島の南に人影なし。
見えるのは 紺ぺきの大海原のみ。
そこで 私
たちまち 1句 浮かびましてな。
ご披露致しましょう。 ブフブハ。
「海原や おお海原や 海原や」。
<続いては…>
♪♪「勝つと思うな 思えば負けよ」
<音楽番組といえば 「紅白歌合戦」>
♪♪~
<昭和最後の第39回は
このジャンルの視聴回数トップです>
♪♪~
<そして 「レッツゴーヤング」。→
人気絶頂のアイドルたちが
出演しました。→
解散直前のキャンディーズのステージです>
♪♪「あの三叉路で1・2・3 軽く手を振り」
♪♪「私達 お別れなんですよ」
<キャプテンの出すヒントから答えを連想する「連想ゲーム」。→
意外なヒントに大笑いしました>
13問目檀さん大和田さんは檀さん。
はい 透視術。
「透視術」と おっしゃいました。
(チャイム)
インスピレーション!
お産。
あっ!
お産。
お産?
あっ 神通力!
(拍手と笑い声)
<クイズ番組の草分けといえば
こちら…>
さあ。
(笑い声)
<テレビ放送の開始とともに始まり
お茶の間の人気を集めました>
(笑い声)
小島さんにとっては リアルタイムではご覧になった事のない番組が→
結構多かったんじゃないかと
思いますけれども。
でも 「ひょっこりひょうたん島」は
再放送がやっていたので→
見た事もあります。
「おかあさんといっしょ」はどの辺り…?
「ドレミファ・どーなっつ!」の
世代ですね 私は。
弟と
いつも一緒に見ていました。
それから 「宇宙人ピピ」。
はい 存じ上げなかったです。
知らないわよね。
(笑い声)
メイコさん 声を…。
「ピピだよ」っていうのが 私。(拍手)
すご~い!
あのころ 大変でねああいうアニメっぽいものって→
作り方も すごい初歩的で
原始的でしたから→
時間がかかってね
1本 作り上げるのが。
すごい大変でした。
どういうふうに声を入れていくんですか?
初めは キャラクターが
もう出来上がってて…。
それがね 制作日数の加減でね
間に合わないんですよ。
ちゃんと出来上がったものに
アフレコをするっていう→
アフターレコーディングするっていう作業が
間に合わなくって→
大体 ここにって
線だけある所に…。
だから 口を合わせるのが
すごく大変で→
「これがピピです」なんて
黒いマジックで書いた線に向かって→
「僕はピピだよ」とかって
入れなきゃなんないの。
すっごい大変でした。
それから「紅白歌合戦」ですけれども。
(中村)3年間やらせて頂いて。
第10回 1959年から3年連続紅組の司会をされたんですね。
あのころね
まず 司会者には 台本なしです。
なしですか?
曲目の順番が書いてあるだけで。
だから
前奏に乗せて 前説を言いますね。
それも 全部 自分で考える。
うわ~。
楽しかったですよ でも。
何か すごく 人間力が必要とされるんですね 当時はね。
ですからね ひばりさんと
仲よしでしょ そのころから。
だから ひばりさんが画面の中で
…って 私を呼んで→
私が すっと
ひばりさんのところへ行って→
コチョコチョッと。
美空ひばりさんは気難しいから→
メイコちゃんが
何か 怒られたのかしらっていう→
お手紙が たくさん来て
ご覧になった方が。
そうじゃなくて
「メイコ 一緒に帰ろうね」。
「分かった」って
言っただけなんですけど。
そんな アットホームだったんですよ。
そうなんですね。
何か いろんな事を
決め過ぎていないんですね。
何か始まる時に。
そうそう そうそう。
決めててもね 生だから
何が起きるか分かんないでしょ。
決まり切った事はね
ニュース原稿みたいに。
ちゃんと
やらなきゃいけないんですけど。
その人の
司会者のフィーリングで→
次の曲を紹介していい
っていうところがね。
荒俣さんは?
テレビっ子がね やっぱり→
テレビが出来た時に
一番面白かったのは→
出てくる人たちが ほとんど
歌も歌えりゃ→
踊りも踊れ
話もできるという。
大体 もう
オールラウンドのプレーヤーなんですよ。→
フランキー堺さんにしても
音楽家でもあるし→
面白い事もできるし
真面目な演技もできる。→
金語楼さんに至っては
もう曲芸までできましたからね。→
こういう人たちが
集まってやってるんで→
簡単に言うと→
変な指示は いらなかったんじゃないかと思うんですね 恐らく。
そのエンターテインメントのジャンルの中でも
特に人気のあった番組の一つが→
1972年から10年間
日曜日の夜に放送されました→
「お笑いオンステージ」です。
中村メイコさんがレギュラーでいらっしゃいました。
出るんですか? 今。
これから ご覧頂きます。
やだ~。
思い出深い番組じゃないですか?
あれをやってる時は
夫の神津善行さんに→
「シリアスなものや怖いものとか
悲しいものに出るな。→
あの人 面白いおばさん
というふうに思われなきゃ→
番組に対して失礼だ」って
言われて。徹底しろと。
もう すごい欲求不満でしたけどね
女優としては。
まあ
とにかく 芸達者の皆さんがね。
おかしかった。
笑いをこらえるのが 必死でした。
さあ これから ご覧頂きますのは
「お笑いオンステージ」の中でも→
視聴回数が最も多い…
ご覧下さい。
♪♪「ごぞんじ てんぷく笑劇場」
♪♪「どんなさわぎがおこりますやらおたのしみ」
(笑い声)
(拍手)
あ~ 疲れた。 あ~ 疲れたな。
コーヒーでも飲むかな。
こんちは! 三波田さん!
いないのかな? こんちは~!
♪♪~
(拍手)
何? そのばんそうこう。
また あのおかあちゃんと→
チャンチャンバラバラやったんでしょ?
いやいや まあね。
全く しょうがないね
あんたんとこは年がら年中だから。
アメリカン1杯 頂戴。
アメリカン?
そう。
アメリカンって薄いやつでしょ?
そうそうそう。
薄いやつね。
頭 見て 言わないでちょうだいよ。
薄いやつですねって言っただけじゃない。
何回も何回も 頭 見て…。
薄いやつでしょ?
濃いやつじゃないでしょ?
いいっての もう! 何回も。
♪♪~
(拍手)
こんな所に ばんそうこう貼って。
奥さん ちょっと座んなさい。
今 ちょっと忙しいもんですから。
どうも。ああ どうも。
私 喉 渇いちゃったの。
何 飲もうかな?
何にしようかしら? 何…。
ああ アメリカンにするわ。(笑い声)
ねえ アメリカン いれてよ。
えっ? いれたかったら自分でいれりゃいいじゃない。
何よ その言い方! 商売でしょ。
自分でいれろって言ってんの。
いいじゃないの。
お客さんなんだから どけよ。
どでかいお尻して… どけよ。
どっちが かさばると思う!?
そんな事 聞いてんじゃないだろ。
みっともないな。
どきゃいいんでしょ どきゃ。
悠々 通れるじゃない。
どうも
お待ち遠さまでございました。
ちょっと座んなさいよ。
僕 洗い物が…。
いいから ちょっと座んなさいよ。
何?
あなた方ね
しょっちゅう けんかしてると→
お客さん 来なくなっちゃうよ
本当に。
昨日は 何が原因なの? それで。
今 話します。
原因はね いつもそうなんですけど
そっちにあるのよ。
聞いて下さいよ。
憎たらしいったら ないんだから。
このごろね まあ そりゃ
確かに ちょっと色っぽいね→
きれいな女のお客様が こちらの
お店 よく見えるんですの!
喫茶店だもん しょうがない。
その方が見えると→
この まあ いろいろ
物価が上がってる時にね→
ショートケーキの立派なの
「これは サービスでございます」。
つけちゃうんだよ デレデレ デレデレして。
そりゃ いけないよね。
憎たらしい。
大したもんじゃねえよ。
何なのよ?
お前の方だってそうじゃないか。
何やりました?
「何やりました?」じゃないよ。
近頃ね ちょっと見のいい男が
来るんですよ。
それが来ると そわそわ…
目つきが違っちゃってね→
品物のほかに
ハンカチやったり 靴下やったり→
いろんな事やっちゃうの。
私どもの店では 5,000円以上→
お買い上げのお客様には みんな
ああいうものは差し上げるんです。
いつも そんな事
やってなかったじゃないか!
いいじゃないの だって
そういう決まりにしたんだもん。
そんなにたくさんあげてませんよ。
やってるじゃないか!
(言い争う声)
ちょっと!
ちょっと待って下さい。
ちょっと待って下さい。
人の頭へ つばき ポンポン ポンポン。
ビチャビチャになっちゃうよ。
その頭 水け
欲しがってるんじゃないかと…。
バカな事 言っちゃいけませんよ。
盆栽じゃあるまいし。
大体ね けんかは やめて下さいよ。
それでなくたって→
あんた方 そんなけんかして
お客さん 来なくなると困る。
このビルは 人気がなくてさ
ほかの人 入っていないんだから。
ご夫婦で仲よくやって下さいよ。
そりゃ 私だって仲よくしたいわ。大体 この人がいけないのよ。
口数が多すぎるんです
男のくせに。
口数は お前の方が多い…。
何 言ってんのよ!
世間に聞いてみようじゃないの。
お前の口数の方が多いに決まってるじゃないか。
だってね 聞いてちょうだい。
うちは紳士物だって売ってますよ。
ですから そりゃ
男のお客様 買いに見えます。
男のお客様がね 来るとね
すぐ パッと入ってきてね→
ぐちぐち ぐちぐち…。
そりゃ お前の方じゃないか。
喫茶店なんて
女の人の方が多いんだよ。
そんな事 言ったって…。
お前の方だって言ってんの!
あんたの方ですよ~!
(笑い声)
見ました? 今。
何か ベニオコゼみたいね。
ベニオコゼの干物って感じが
するでしょ。
もういっぺん 言ってみろ。
あなたの方ですよ~!
(たたく音)
お~ 効いた…。
すいません。
「すいません」じゃないよ。
あそこまで手が届かなかったんだ。
近場で間に合わせないでちょうだいよ。
お前がいけないんだ 大体!
あ~ 痛い。
分かった 分かった。
もう原因は 大体分かりましたよ。
あんた方ね
お子さんがいないから そうなる。
勤め先ったって
こんだけしか離れてないでしょ。
だから いけないの。
だから 昼間はね→
お互いに生活して
要するに 仕事してる時は→
他人って事にすればいいのよ。
そうすれば うちに帰った時に新鮮味があるでしょ。
うち帰った時 新鮮味が
あるかどうか分かんないけど→
でも 他人みたいにやるっていうの
いいですね。
大体 私ね 独身に見られるの。
若いもんだから。
ハハハ 笑っちゃうよ。
子ども3人 産んだような顔して何 言ってんだよ。
俺の方が独身に見えるよ
誰が言ったって 毛は多いしよ。
そんな おなかの出っ張った
独身なんて いませんよ~!
今 見た?
見た。
ボラのつくだ煮だよ あの顔は。
もういっぺん 言ってみろ。
そんな おなかの出っ張った
独身なんて いませんよ~!
ふざけんな この野郎!
あっ!
あ~! ちょっと!
また やりました?
近場で間に合わせないでよ!
あそこまで手が届かないんです。
届かなかったら
届かせたらいいじゃない。
お~ 効くな。 いくつ 頭あっても
足んないよ これじゃ。
とにかくね 三波田さん。
昼間 仕事してる時は他人っていう事にしてさ→
私が1 2 3で ポンって
手をたたいたら→
他人ゴッコしなさいよ。
試しにやってみる? 他人ゴッコ。
やってみますか。
いきましょうか? 1 2の3!
(手をたたく音)
あら もう こんな時間ですわ。
私 失礼致します。
(笑い声)
お帰りですか?
あの さつきのママさん。
何でしょう? マスター。
恐れ入ります。
お帰りでしたら
コーヒー代 250円 頂けませんか?
200… これ 何?
そりゃ しょうがないでしょ。
お金の事 シビアにいかなきゃね。
やっぱ払ってあげた方がいいですよ。
憎たらしい…。
頂きましょうか。
置きますわ 確かに。
はい 頂きました。
どうも ありがとうございました。
ああ そうでした マスター。
昨日でしたかしら?
また お釣り銭に細かいのが なくなったからって→
私どもの店に 3,000円
借りにいらっしゃいましたわね。
(笑い声)
昨日の話…。今 払った方がいいですよ。
もらったんだから 250円。
それは 昨日…。
借りたものは払わなきゃ。
シビアにいくんだ シビアに。
渋谷だか原宿だか知りませんけど。
(笑い声)
払った方がいいよ。
はい。
まあ 早速に。
まるで 私 催促したみたい。
催促したんじゃないか!
(笑い声)
ごめんなさい。
もらった方がいいですよ。
頂きます。 前から失礼。
ごめんあそばせ。
こういうふうにね
他人ゴッコで ひとつ。
大家さん 帰って下さいよ。
どこで損するか分からないんだよ。
仕事中は
そういうふうにしてちょうだいね。
じゃあ 行ってきますね。
よろしく。
他人ゴッコも いいわね。
自分の飲んだの 片づけろよ。
あら! それはないでしょ。
他人なんだから お客様なのよ。
ありがとうございました~。
(笑い声)
♪♪~
(拍手)
マスター。
はい!
また来ちゃったわ。
いらっしゃいませ!
あら まあ
お顔 どうなさいまして?
あっ これですか?
これ 大した事ないんです。
夏場の残りの蚊がですね→
いたずらして ここをちょっと刺したもんですから。
本当に悪い蚊…。
かわいそう…。大丈夫でございます?
はあ 大丈夫です。
このとおりですから。
あの
いつもので よろしいですか?
ええ 結構ですわ。
そうですか はい。
ねえ マスター。
はい。
私 一度 伺おうと
思ってたんですけど…。
何をでしょうか?
あの… マスター もちろん奥様いらっしゃるんでしょ?
そう見えますか?
ええ。
きっと
すてきな奥様なんでしょうね。
どうも
お待ち遠さまでございました。
あの これ 例によりまして
サービスですから。
あら…。
僕の気持ちです。 食べて下さい。
いつも 本当に すみません。
どういたしまして。
それじゃ 頂きます。
はい。
マスターの奥様って
どんな方でいらっしゃいますか?
それを言われると
心が痛みますな。
おや また どうして?
いや あの… この年になるまで独身という事はありませんから→
それは 僕も結婚はしました。
でも 若気の至りっていうんでしょうか→
つまらない女に引っ掛かりまして。
(笑い声)
つまらない女に
引っ掛かったんですよ。
ですから こんな結婚は
長続きする訳はありません。
じゃあ あの…
今は 独身でらっしゃるんですか?
まあ そういったとこです。
(笑い声)
再婚のご意思は?
そりゃ いい人さえいてくれたらそのつもりでいますけど…。
それ… あの… 本当ですか?
はい。
♪♪~
まあ 感激!(笑い声)
神様 私に こんなにすてきなドラマを
作って下さるなんて。
マスター!
はい!
私 この喜びを
家族の者に伝えてまいりますわ!
それじゃ また 後ほど。
(笑い声)
ああ ごめんくださいませ。
もう ご両親にお話をするつもりでいるのか…。
こちらは
まだ古いのも片づいてないのに。
あの古いのを
なんとかしなきゃいけない。
ここんとこ ピョコッて触って エホッ。
(笑い声)
おい 古いの。 古いの!
何よ 古いの。
ちょっと こっち来い。
何よ?
何? 改まって。
他人ゴッコっていうの やめにしよう。
どうしてよ?
どうしてじゃないよ。
俺たちは 会うと すぐ
けんかばっかりしてるんだから。
いっその事さ
はっきり 離婚しようぜ。
何だ 痛いな!
今 何つった?
離婚!
離婚?ああ。
本当に あなた そう思ってんの?
そうだよ。本当に?
俺はね お前と別れて
新しい道を歩きたくなったんだよ。
歩きたいって顔か!
新しい人生を歩みたいんだ。
何が歩みたい。
ボコボコ 穴が開いちゃうよ。
あんなきれいな人が僕に…。
「あなたの事…」なんて言うと思わなかったな。ちょっと。
俺は 意外とモテるんだな。
あの人は ここからここから飲んでったんだ。
よしなさいよ… あ~!
飲んじゃった 飲んじゃった!
一段と うまくなるな。
は~ たまんない。
本気なの!?
ハハハハ!
いや~ ご両親に お話…
痛いな! 何だよ!
(笑い声)
来てるじゃない。
ちょっと見だけが。
(せきばらい)
いらっしゃいませ。
ちょっと 店を空けて失礼致しました。
あっ ごめんなさい。
お見苦しいとこお見せしちゃって。
これ 夏の生き残りの→
まあ でっかいヤブ蚊に刺されましたのよ!
それは いけませんね。
ネクタイを1本頂こうかなと思いまして。 ネクタイを。
何だか ほこりっぽくて
ごめんあそばせ。
ネクタイですか? どうぞ どうぞ。
どれに致しましょう?
私が お選びするより
お好きなのを見て頂こうかしら。
これなんか変わった柄で
どうでしょう?
まあ!
なんてすてきなセンスでしょう!
たくさんあるうちのネクタイの中から
これをお選びになった方って→
まず いらっしゃいませんわ。
いる訳ねえじゃねえか。
売れ残ってんだもん それは。
似合いますか? 似合いますか?
ええ とっても ぴったり!
じゃあ これ 頂きます。
このマークなんかが
本当に ぴったりですわ。
これは イタリー製でございますから
お値段の方が…。
イタリーに どうして
日本語が書いてあるんだ バカ。
まあ 8,000円ですの。
それでは 1,000円に致しましょう。
あっ そんなにお安くて
よろしいんですか?
もちろん。
じゃあ お包み致しますわ。
お願いします。
まあ いつも すみません。
イタリーのネクタイに[外:D01AC67E8A9206483D8B5CD6CE588C0F]って書いてあるか
バカ。
1,000円で よろしいんですね?
500円だ 元は。
あの… ママさん。
はい。
ママさんは
ご主人がいらっしゃるんでしょ?
(口笛)
そりゃ私だって この年になるまで→
ひとりでいたっていう事じゃ
ございませんのよ。
でも 駄目ですわ。
若気の至りと申しますか→
あのころの結婚なんて
ひどいもの。
まあ とんでもない ひどい男に
ぶつかりましてね。
もちろん そんな結婚が
長続きする訳もありませんし…。
そうですか。
で あの 再婚のお気持ちは?
そりゃ 私のような者でもいいって
おっしゃって下さる方があったら。
本当ですか!?
いや うれしいな~。
僕にも 運が向いてきたな。
はい?
僕 すぐに戻ってきます。
そして あなたにお話ししたい事があります。
はあ。
すいません ネクタイ これ。
はい?
このままで よろしいですか?
あっ お包みね お包み!
すぐ お包み致しますわ!
ありがとうございました!
じゃあ 待ってて下さいね!
はい!
お願いしますね。
あの もし!
何でしょう?
失礼ですけれど
あなた様のお名前を→
お聞かせ頂けませんか?
お名前ですか?
モリノナカ シゲルと申します。
ブッ!
(笑い声)
モリノナカ シゲル…。何か?
なんて すてきなお名前でしょう。
じゃあ 後ほど。
はい!
♪♪~
古いの。
何だよ?
私の方にも 話が出来たわ。
お互いさまじゃないか。
お前もな…。
触んないで!
あいつに触られたのか?
そうよ そうよ。
そこから 水虫になるぞ。
何 言ってんのよ 失礼ね!
だからさ…。
新しい人生を歩んだらいいじゃないか。
そう 歩みますよ 私だって。
そのかわりな あれだぞ。
俺も さっき来た この美しい方
美しい…。
あの人 名前 何ていうのかな?
ドジ!
自分の伴侶にしようって人の
名前も聞いてないの? ドジね!
ごめんなさい。
私 さっき コーヒーのお代をお払いするの忘れておりましたの。
いえ 我々の中で お金の事を
言っちゃ おかしいですよ。
ハハハハハ。
(笑い声)
いつも すみません。
いえ あの…。
ちょうどいい折でございます。
私 マスターにちょっと お話があるんですの。
その前に あの…。
名前 名前。
お前んとこみたいに モリノナカ
なんていうんじゃないんだよ。
モリノナカ シゲル。 名前 聞くんでしょ。
物忘れ ひどい…。
あの…。
はい。
お名前を
聞かせて頂けませんでしょうか?
あら! まあ 私 まだ
申し上げておりませんでした?
聞いてませんでした。
まあ ごめんあそばせ。
さっき あまり
うれしかったもんですから→
つい 言うの
忘れておりましたのね。
ごめんくださいませ。
あの 実は 私…。
モリノナカ サオリと申します。
恐れ入ります。ちょっと 用件の方→
お話しさせて頂きたいんで
ございますけれども→
実はでございます 宅の主人は
モリノナカ シゲルと申しまして…。
(2人)え~!
どうかなさいまして?
いえ 何でもありません。
何もありません。
そうでございますか。
それじゃ 引き続き お話の方を。
宅の主人はでございます
近くにございます→
てんぷく閣結婚式場の
営業マンをしておりますんですの。
この度
てんぷく閣ではでございますね→
再婚さんブライダルコースというのを
始めたんだそうでございます。
あっ まあ ちょうどいい。
主人が戻ってまいりました。
どうも お待たせ致しまして。
ポスター取りに行ってたもんですから。
ちょうどね 今 ちょっと
ご説明しようかなと思ってたとこ。
君から説明してよ。
嫌よ。
やっぱり ここは
あなたのお商売ですから。
あなたに ご説明して頂かないと。
私は 妻の立場でちょっと お手伝いしただけです。
そう?
じゃあ 僕から説明してもらうね。
ええ そうして。
じゃあ ご説明致しますので→
ご着席下さい。
ご着席?
再婚さんブライダルコースと申しますのは
再婚をご希望の方々の→
お見合いから デート そして
結婚式まで 当てんぷく会館が…。
てんぷく会館でございませんね。
間違いました。
てんぷく閣が…。
駄目な人だ。
責任を持って
お世話させて頂きます。
なかなか ふさわしい方が
おりませんで→
営業担当の私も困っておりました。
ところが今回 家内の協力もありまして→
あなた方お二人に
巡り会えたという→
そういう事でございます。
そうなんですの。
それに お隣同士で
ご商売してらっしゃるなんて→
これも すばらしい偶然じゃ
ございません?
すてきね~ あなた。
いかがでしょう?
この際 お二人が ご交際の上→
当てんぷく閣で挙式という事にさせて頂けませんでしょうか?
マスター よろしいでしょ?
お願い致します。
あなた方のお話しになりたい事は
それで 全部 終わったんですか?
ええ 一とおり
終わらせて頂きました。
終わりました?
じゃあ 申し上げますが→
私は この人と再婚する気持ちは
全くございません。
あなた!
はっ?
なぜならば 我々は
もう15年前から夫婦なんです。
(2人)え~!
夫婦?はい。
五月。
何?
2人して
何か 悪い夢を見てたみたいだね。
本当。 私も危ないとこだった。
仲よくやっていこうな。うん。
(観客)わ~!
まあ…。
あんた方 まだ いたんですか?
お引き取り下さい。
ちょっと あなた 私たち また
早とちりしたのかしら?
そうみたいだな。
かなりの刺激でしたわね。
そうだね。
ほか あたりましょうか。
そうね。
そうしましょう。
まあ どうも お騒がせ…。
お邪魔致しました。
この次 来た時 コーヒー代 下さい。
あら…。
「そうね」だって!
よかったな お前あんなのと一緒にならないで。
そうね。
そうね。
冗談じゃないよ。 なあ。
おいしいコーヒーでも いれようか。
「250円 下さい」なんて言わない?
バカ。
ねえ あなた。
おう。
私 前から考えてんだけどさ。
夫婦で別々に お店やってる事ないわよ 一つビルの中で。
ねえ 一緒にしない?
今 はやってんのよ。
コーヒーも飲めて
おしゃれなものを売ってる店。
そういう店にしない?
それは いいアイデアだな。
でも このビルの中じゃ狭くてさ。
だから 越すの どっかへ。
偶然だな。 今日の新聞の間に
入ってたやつなんだぞ。
本当?
見てみな。
どうだ? おいしい?
おいしい。 やっぱりあなたじゃなくちゃ駄目 コーヒーは。
お前 どこから飲んだ?
ここ。
ここから飲んだの?
(笑い声)
ほかの人とやっちゃ駄目よ。
おいしい。 お前の方がずっと おいしくなるよ。
本当?
うん。 あっ そのビルさ…。→
ビルの新しいやつが出来た…。
あらら。仲よくいってるところを見ると→
他人ゴッコ
うまくいったんだね こりゃ。
いやいやいや いや~ 本当にね
うまくいけば 何よりですな。
何て言うか その…
お役に立って うれしいですな。
あの 私 来てるんだけど。
いらっしゃい。 水も出さないで…。いやいや いいの いいの いいの。
そんな いろんな事
してもらわなくていいから。
まあ あなた方は
何事も言わなくて結構ですから→
私はね お役に立てて うれしいな
なんて思ってるんだから。
アハハハ! あの コーヒー
いいですから いいですから。
ここ いいわ やっぱり。
どうぞ どうぞ。
あの 大家さん せっかく
いらっしゃったんだから→
ちょうどいいから。
ここのビルもいいんですけどね→
何か ちょっと狭いんでね。
狭いんだよね ここね。
今度 一緒にね 店をやってね。
それは いいや。
駅前に2分っていう所にね
よい所が空いてるんですよ。
家賃も手ごろでね。
新しいしね。
ここより安くなってるんだよね。
そこに引っ越そうかと思って。
引っ越すなんて言わないで~。
(笑い声)
あんた方 出てったら ここ
誰もいなくなっちゃうんだからさ。
殴ってもいいから。
えっ?
殴ってもいいからさ。
殴ってもいいんですか?
いてちょうだいよ。
いたたたた!
(拍手)
小島さん 1980年放送の「お笑いオンステージ」→
お生まれになる前ですよね?
楽しかったです。
生まれる前?
はい 93年生まれなので…→
そうですね まだ 母と父が
出会ってないかもしれないですね。
でも いろいろ今
一緒に見させて頂きながら→
お話伺ってて
もう ほぼ あのまんま→
撮り直しができなかったんですね。
そう。
スタジオにお客様をね
こういうふうに入れて→
生とおんなじ状態でやる。
だから リハーサルも1回だけ。
それが すごくびっくりして。
掛け合いのテンポ→
荒俣さん すごかったですよね。
あれは信じられない。
ほとんど神業ですね。
しかし メイコさん この番組を毎週される訳ですから→
大変な事ですよね。
そうですね。
1回だけ スタジオでリハーサルして
その時初めて 台本見る訳ですね。
その時初めて 本読みしましょう…
「どんなお話?」か何かで。
見て それで 一回リハーサル室で
お稽古して→
2日おいて すぐ本番。
で お客様入れて→
こういうふうに
やりますから→
生とおんなじで
やり直し駄目っていう。
私はもう ゲラで… ゲラって
笑い上戸って事なんですけど→
ゲラですから もう
それが本当に苦しかった→
東さんとか
おっかしい人ばっか…→
ゲストは
由利 徹さんとかね→
もう おっかしくて
おかしくて→
こういうとこ つねって
我慢してました。
先ほどの番組でも
トンと たたくところで→
後ろ向いて 何かこう 震えてる
ような… ありましたけれども。
(中村)私が 後ろ向いて
笑うの我慢すると→
三波さん わざと知ってて→
「後ろ向くな!何で後ろ向いたんだ」。
へえ~。 当時は→
日曜日の夜の放送でしたので→
ご家族で
ご覧になってました?はい。
確かね このあと
「大河ドラマ」じゃないですか?
まず これで 温めて
「大河ドラマ」で どんと見ようという。
大体 家族は 子どもも含めて
お父さん お母さんも手を休めて→
日曜なんで みんなで見た
NHKの番組の流れは→
これだったんじゃないですかね。
これと 次の「大河ドラマ」。
さて では 次のコーナーにまいります。
番組公開ライブラリー人気おすすめ番組→
続いては
ドラマと紀行・ドキュメンタリーです。
父ちゃ~ん! 父ちゃ~ん!
<ドラマ史上最高視聴率を誇る「おしん」。→
日本中に「おしん」ブームを
巻き起こしました>
父ちゃ~ん!
父ちゃ~ん! 父ちゃ~ん!
羽根の飾りのついた帽子を
かぶり…。
<「連続テレビ小説」初期の名作
「おはなはん」>
これ おはな。
<女性の一代記という定番スタイルを確立しました>
ゴーヤーマンさ。 どうね!
それ…。ん?
結構 かわいいかもしれないね。
その話 乗った!
<2001年放送の「ちゅらさん」は
続編も放送され→
沖縄ブームを巻き起こしました>
<「大河ドラマ」も 盛りだくさんです>
<渡辺 謙さん主演の
「独眼竜政宗」。→
「大河ドラマ」史上最高の平均視聴率を
記録しました>
撃て 撃て~! 撃て~!
それ。
<「大河ドラマ」初期の名作
「赤穂浪士」。→
映画スター 長谷川一夫のテレビ初出演で
話題となりました>
私は 自らの意志で
江戸へ赴き…。
<2000年以降の人気作といえば
こちら 「篤姫」です>
国の力となりたいと存じます。
<[外:B1D62062D089551469EFAEB94466263E]摩から将軍家に嫁いだ篤姫。→
後の天璋院の波乱万丈の生涯を
描きました>
今日まで
ありがとうございました。
これからも
[外:B1D62062D089551469EFAEB94466263E]摩の皆をお見守り下さいませ。
<1980年から放送された→
NHK特集「シルクロード」>
シルクロードは長安に始まる。
<シルクロードの全容を初めてテレビカメラに収めた大型シリーズです>
甲子園球場では
いつ終わるとも知れない闘いが→
続いていました。
準々決勝 第1試合横浜高校対PL学園。
<ドキュメンタリーの視聴回数トップは
この番組>
17回の裏 2点を追うPL。
2アウト ランナーなし。
<松坂大輔投手を擁する
横浜高校と→
PL学園が繰り広げた
伝説の名勝負です>
(実況)三振!→
試合終了!松坂 投げ抜きました!
<2000年から2005年まで放送された
「プロジェクトX」。→
名もなき人々が苦難を乗り越え→
成功を勝ち取るまでのドラマを紹介しました>
昭和47年4月 高野を中心に→
たった4人の家庭用VTR開発プロジェクトが誕生した。
窓際に追いやられた
技術者たちの→
意地と執念をかけた闘いが
始まった。
1970年 我々は このような形で→
巨大な群衆のエネルギーを見る。
<ドキュメンタリー「現代の映像」>
♪♪「こんにちは こんにちは 西の」
<大阪万博など高度経済成長の
時代を記録しました>
♪♪「こんにちは 東のくにから」
小島さんは 印象に残った番組何かありますか?
私 「ちゅらさん」が
本当に大好きで→
もう一回 見直したいですね。
あと 渡辺 謙さんがすごくかっこよかったです。
すてきですね。
今 またね→
島津斉彬の役で
出ていらっしゃいますけれど。
謙さんも 長く
携わってる方ですもんね。
松坂君も 今また話題ですものね。
移籍されて。
長い野球人生ですね。
再々チャレンジというところで。
スポーツお好きですから
あのドキュメンタリーは→
見てみたいんじゃないですか。
見たいですね。
荒俣さんは ドキュメンタリーなどで
随分 こう→
影響を受けられたりした事がある
という事ですが。
昔は今のように
いろんなものを見に行ったり→
旅行したりっていう事が
ほとんど できませんでしたから→
そういう意味では
テレビがドキュメンタリーを→
始めるようになって
例えば 日本の暮らしとか→
日本のイベントなんかを
いながらにして→
見られるようになった
っていうのは→
どこへでも行けたんで
シルクロードも そうですけれども…→
大体 NHKのスタッフは
物好きな方が きっと多いせいか→
とんでもないとこ
行くんですよね。
アマゾンの果てとか 南極とかね。
どんなロケをしてるんでしょうね。
ものすごい大変だろうと
思うんだけど。
そういう紀行・ドキュメンタリーの中の
代表作の一つといわれるのが→
1963年から82年にかけて
放送された「新日本紀行」です。
もうね 主題歌っていうか
最初の音楽もね→
頭に こびりついています。
(中村)よかったですね。
見たいな。
何が何でも うちへ帰って→
あれを見ようという時代でしたね。
そう そうですね。
今日 これからご覧頂きますのは
東京 神田なんです。
何と言っても
神田明神ですよね。
ここのお祭りの
神田祭っていうのが…。
今 すごい また
盛んになってますけど→
もう みんな
どんなにお金がない人でも→
神田祭になると着飾って
朝から とても華やかでした。
小島さんにとって 神田は?
千葉から出てきて 一番最初に1人暮らしした場所が→
神保町なんですね はい。
神田というとどんなイメージですか?
すごく落ち着いた雰囲気も
あるんですけれど→
初めは ちょっと
お店の方と仲よくなるのが→
少し壁があって 江戸っ子って
初め 少しだけ壁ありませんか?
誰でもかんでも
っていうよりかは…。あります。
本当に こういうふうに…。
すごいシャイなの。
そう… シャイなんですね。
シャイなんだよ。
わざとね
知らんぷりしてる。
それが怒ってるように見える。
見えるんですよね。
初め ちょっと
怖かったんですけれど→
なじみになった
天ぷら屋さんのおじさんが→
すっごく よくしてくれたりとか
温かい おうちでしたね。
さあ 今日
これからご覧頂きますのは→
今から46年前の
神田の姿なんですね。
1972年放送の…
ご覧下さい。
♪♪~(テーマ音楽)
国鉄神田駅の周辺は→
昔 江戸っ子の中の江戸っ子と
自負した→
神田の職人たちの町でした。
きっぷのよさを誇りとし→
金銭に執着する事を恥とした
町の気風を→
今は うかがうすべもありません。
この辺り蝋燭町や鍋町 桶町など→
かつての職人町をしのばせる
町名も→
次々に消えうせました。
時の流れは 古い神田をすっかり押し潰したかに見えます。
しかし そんな町の片隅に
江戸の伝統を守って生きる→
一人の職人のつましい暮らしが
残されています。
鳶の組頭
増岡[外:08C5EB5FAC4F1D362B946689EB2E4EDF]五郎さんの家は→
神田錦町の
ビルの谷間にありました。
今も どうも
世の中 うるさくてしゃあない。
赤軍の旗なんつって
日本人の学生が外国まで行って→
お前 ピストル撃って
お前 機関銃… 撃つなんて→
人を殺しちゃう
なんていうんだからね。
大変だね。
しょうがないよ…。
日本のね
日本の名誉に関わる事だよ→
こういう事をされたんじゃねえ。
しょうがない 今の若い人はそういう思想を→
持っちゃってるんだから。 昔の
若い… 我々の若い時代と違って→
もう知る事は
全て変わっちゃったんだね→
世の中の事は。
けんかしたって 殴り合いとか何とかってしたけども→
殺し… 人を殺すなんて事は→
めったにするもんじゃなかったんだけどね。
それが
きょうびは もう まるっきり→
どうも 犬か猫でも殺すように→
みんな 殺し合いっこになっちゃうんだから。
大変な世の中ね。 はい。
うっかりできないもう これからもね。
今日はお天気だから…。
増岡さんは 今年75歳。
先祖代々 鳶の組頭です。
行ってらっしゃい。おう じゃあ 頼むよ。
「芝で生まれて 神田で育ち→
今じゃ火消しの纏持ち」とうたわれたように→
神田の火消し鳶は 江戸中でも
大いに威勢を張ったといわれます。
外へ出る時 必ず
股引 半天を身に着けるのは→
その栄光を忘れまいとする
増岡さんの心意気です。
増岡さんは
足しげく神田明神に通います。
明治の初めまで 神田明神には→
逆賊といわれた平 将門が祭ってありました。
権力や不正に屈する事を嫌った
江戸っ子たちの間には→
将門崇拝の空気が強く
神田明神は→
幕府の決めた産土神の
日枝神社にもまして→
人々の あつい信仰を集めました。
神田明神の境内では 先月社殿の修理が行われていました。
上がるんだよ もっと…。
今の東京で鳶を志す人はほとんど いなくなりました。
しかし
増岡さんの息子の道二郎さんは→
ためらう事なく
父親の歩んだ道を選びました。
血を分けた親子は
仕事に対する誇りと愛着をも→
分かち合っているようでした。
♪♪~
靖国通りは 神田の活気を
まざまざと見せつける→
メインストリートです。
♪♪~
この通りを走っていた都電は
既に大半が廃止され→
そのあとに地下鉄と高速道路を
通す計画が進んでいます。
神田の表情は常に動いて
やむ事を知りません。
靖国通りのけん騒が伝わる
神田淡路町の一角に→
歴史のひだを刻んだ老舗の建物が
ひさしを接しています。
これは 古い習わしを
今も守り続ける そば屋です。
いらっしゃい~。
いらっしゃい~。
いらっしゃい~。
いらっしゃい~。
いらっしゃい~。
いらっしゃい~。いらっしゃい~。
せいろ1枚 お代わり~。
せいろ2枚 お一人さ~ん。
長く尾を引く帳場の声は→
慌ただしく生きる現代の人々に→
ふと 遠い昔の
のどかな暮らしぶりを→
しのばせます。
ジュース1本ついて 3枚のまくで天ぷらに南ばん→
お子さんがついて
およったりさん。
ジュース1本 コップ1本 つきま~す。
せいろ3枚のまくで南ばんに天ぷら→
お子さんがついて
およったりさ~ん。
♪♪~
ニコライ堂のある 神田駿河台は→
明治 中央 日大などの
大学校舎が立ち並ぶ→
我が国屈指の学生街です。
この辺りは 江戸時代旗本の屋敷でしたが→
日本の近代国家への歩みが
始まると→
一転して文教の町となりました。
♪♪~
今 神田にある大学は6校。
学生数は 10万人を数えます。
神田の住民の2倍にも
あたる数です。
♪♪~
学校が相次いで設立された明治10年代から→
神田に
古書店が店を開き始めました。
ここには 今
100軒もの店が軒を連ね→
世界に名だたる古書の町を
形づくっています。
外国でも手に入らない
貴重な洋書が→
時に書棚を飾ったりするのも→
この界わいでは珍しい話ではありません。
この古書店街で とりわけ
古い歴史を持っているのが→
和書の専門店です。
文学書や医学書生け花や料理の解説書など→
江戸時代の英知が生み出した
あらゆる種類の和書が→
店内をうずめ尽くしています。
店の主人の纐纈宇恵雄さんは→
17歳の時 父親の後を継いでから
50年の間→
和書と共に生きてきました。
先生 ほら…英和対訳辞書をお持ちでしょ。
あの厚いの。
持ってますよ。
あれは… なんですけど
これはオランダ語の方なんですよ。
これが 安政…
4年になりますかね。
4年ですね。
そうすると ちょうど→
横浜とか箱館が開港される→
2年前ですね。 まだ 蘭学が…。そう 6年に開港ですからね。
まだ この時分は 英語よりも
蘭学の方が幅利かした…。
蘭学の辞典としては
これだけのものが出ると→
随分 助かったでしょうね。
しかし大変な苦労だと思いますね。
♪♪~
和書には日本人の血が通っています。
店の書棚に並べる前に
1ページずつ手入れを加えながら→
纐纈さんは
和書との対話を続けます。
和書を愛する こまやかな心が→
貴重な遺産を次の時代へ伝えていくのです。
♪♪~(木遣り)
鳶の組頭 増岡さんの家では→
木遣りの教授が続けられています。
♪♪~(木遣り)
木遣りは
鳶の仲間が唄い継いできた→
労働の唄 祝いの唄です。
♪♪~(木遣り)
しかし 今 正調の木遣りを
唄えるのは 増岡さんのほか→
ごく僅かな人たちになりました。
♪♪~(木遣り)
まじいとこだから…
気を付けなくちゃいけない。
こういう具合にやるんだから
もう一度 やるから。
♪♪~(木遣り)
江戸の伝統は 変貌する町の片隅でひっそり受け継がれていきます。
♪♪~(木遣り)
♪♪~(テーマ音楽)
46年前の神田。
景色は違いましたけれど古本屋街なんかは→
変わってないところも…。
そうですね 大体 道筋も同じだし。
見覚えがあるところも
ありましたし。
あと 何と言っても
あの鳶職の親方→
かっこよかったですね
棟梁 かっこよかった。
映画見てるみたいでした。
(中村)でしょ。
映画だったら さしずめ
鶴田浩二さんでしょうかね。
ちょっと 涙出てきます。
鶴田浩二なんていう名前を聞くと。
おかみさんもね
いろいろ ご主人の世話なさる→
何気ない事なんですけど
それが そうね…→
沢村貞子さんですかね。
映画だったらね。
粋な感じがあって。
こういうの見た事ないでしょ?肩で…。
あれ 何だったんですか?
切り火。
切り火。
それで送り出す…。→
昔はやったんですよ
大事な事をやる…。
(中村)「ご無事で あんた
行っといで」っていうんで。
かっこいいですね。
で 出てくる こうね→
道を歩いてる人の姿も
今と随分 違ってましたよね。
男の子は みんなロン毛でしたね。
そうでした。
(中村)あの時代…。
大学生が下駄?
(荒俣)下駄…
草履 下駄 履いてます。
どうしてでしょう?
バンカラだったんでしょうね。
おしゃれな人とロン毛の人と
あと バンカラな…。
わざと破れた服とか着るのが
好きな人たち。
なるほど なるほど。
今も ヒップホップ系と→
EXILE系がいるみたいな事ですね。
おっしゃるとおりです。
(荒俣)
子どもが 半ズボンはいて…→
あそこが路地ですよ
遊んでたのが。
(中村)半ズボンってものを→
はかなくなった このごろ。小さい子がね。
今も残っているものもあれば
なくなっているものもある。
46年の間 その中で
何か懐かしいお店が。
やっぱり 古書店ですね。
一番最後に出てきた→
和書をずっと積んである
あそこ→
とても 神田で
いい絵が出たなって思うのは→
あれ 出ていた店主の方は→
もう もちろん亡くなられてるんですけど→
あのお孫さんの娘さんが
継いでるんですよ。
すごい。 守ってるんですね。
神田の一番弱点だった→
誰が継ぐかっていうのは
女性も そこに参入…。
(中村)娘さんが?
娘さんが。
やっぱり
神田っ子じゃないですか。
なかなか ハキハキした
心意気のある娘さんが。
ああいう人がまだ残ってる
お店なんですよね→
ああいうのはね。
メイコさん 今日は 会場の皆さんそして ゲストのお二人と一緒に→
懐かしい番組 ご覧頂いて
いかがでしたか?
いや やっぱり
お世辞でも何でもなく→
NHKってすごいと思いました。
財産を たくさん持ってるところだなと思って。
古書店 和紙のところで
ご主人が こうね→
こてを使ってるところで
何か お勉強になるって…。
本当に。
おっしゃってましたね。
こてっていうものを
まず知らないでしょ ねえ。
いっつもね おうちの中に
火鉢ってものがあって→
そこに本当の炭火で
火が燃えていて→
その横に 必ずこてが
差さってたもんですよ→
昔は 祖母なんか見ると。
それを適当にぬるくなったこてを→
ペッとやって 試して
それで そこに→
手拭いをあてて
着物に こう→
しわを伸ばしてくれるとか。→
分かんないですよね ああいう事。(荒俣)ですね。
何かこう 過去の映像から
まだまだ こう 私たち→
吸収できるもの…。
発見がありますよね。
びっくりした事が
たくさんあって。
これは何だろう
これは何なんだろうって→
私 これを今日の収録を
小学生の時に見てたら→
自由研究
困らなかったと思います。
夏休みの自由研究に
アーカイブの映像を見て→
分からない事を
知ってる方に聞いたり 調べたり。
今でも それは
すごくしてみたいなと思います。
荒俣さんは?
いや 私も同じで→
やっぱり 映像を
特に昭和からテレビの映像が→
ずっと入ってるっていう事は→
これは掛けがえのない宝だと思います。
多分ね 今日出てきた
最後の「新日本紀行」みたいに→
一般の人々の暮らしとか→
ちょっとした町並みなんていうのは誰も撮らないですよ。
本当 そうですね。
(荒俣)写真とか撮らないしね。
みんなすぐ プライバシーの侵害だとか→
そっちの方の問題にね。
その割には
どんどん変わっていって→
ビルが建っちゃったりするんで
そうすると→
前 どんな町だったかって
全く連想できないです。
それが こういうのが
残っているという事は→
とてもありがたい事です。
こういう回のように昔の事が→
ちゃんと見る機会が
生まれるって事は→
大変ありがたい事で やっぱり
公開ができるっていう事は→
多分 デジタルになったおかげ
なんじゃないかと思いますよね。
これをもっと発達してほしいな
という感じがします とても。
また 番組をね 懐かしい番組を
いろんな見方で→
楽しんで頂ければと
思いますね。
今日は本当に
どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
(拍手)
2018/03/04(日) 15:05〜16:15
NHK総合1・大阪
あの日 あのとき あの番組▽思い出の番組をもう一度!NHKアーカイブス15周年[字]
NHKの番組を保存・活用する拠点、NHKアーカイブスがオープン15周年。そこで今回は、懐かしい番組を一挙公開。テレビが記録してきた時代をゲストと一緒に見つめる。
詳細情報
番組内容
「おしん」に「独眼竜正宗」「お笑いオンステージ」、「NHK特集」や「新日本紀行」。NHKが放送してきた番組を保存・活用する拠点「NHKアーカイブス」がオープン15周年の節目を迎えた。そこで今回は、NHKアーカイブスのある埼玉県川口市で公開収録。番組公開ライブラリーでの人気作を中心に、懐かしい番組を一挙ご紹介。テレビが記録してきた時代を、ゲストと一緒に見つめる。思い出のあの番組に再会できるかも!
出演者
【ゲスト】女優…中村メイコ,作家…荒俣宏,タレント…小島瑠璃子,【司会】森田美由紀
ジャンル :
情報/ワイドショー – 番組紹介・お知らせ
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論