2019/02/03(日) 21:00〜21:50 NHKスペシャル「朝鮮戦争 秘録〜知られざる権力者の攻防〜」[字]

69年前に勃発しいまだ終わらない戦争がある。
東京 横田基地。
ここで 今も 警戒態勢が続けられていた。
NHKのカメラが入ったのは
在日アメリカ軍司令部の一角。
ここに常駐しているのは
朝鮮戦争に参戦した国連軍の将校たち。
1950年に始まった戦争は
今も休戦状態のため→
半島の有事に
備え続けているのだ。
アメリカを主体とする国連軍と→
北朝鮮軍それを支援する中国軍が→
3年にわたり
激しい攻防を繰り広げた朝鮮戦争。
300万人以上が犠牲になった。
北朝鮮が独裁体制を強め→
核開発へと
突き進んでいく→
原点になったと
されてきたが→
詳しい背景は
分かっていなかった。
なぜ 戦争は始まったのか。
今回 NHKは4,000点もの外交資料を入手。
見えてきたのは 朝鮮半島の
武力統一をもくろむ北朝鮮と→
その背後にいた
ソビエトや中国の→
したたかな


思惑だった。
権力者たちの間で交わされた
書簡から浮かび上がる→
謀略や駆け引き。
2か月以内に朝鮮半島を制圧できます。
アメリカとの全面戦争に
突入する危険があります。
戦争が不可避なら 今 起こす方がいい。
アメリカを朝鮮半島に くぎづけにするのだ。
北朝鮮の武力侵攻に対し
全面対決に踏み切ったアメリカ。
新たに発掘された映像からは→
無差別ともいえる空爆で対抗した実態が見えてきた。
更に 大規模な核攻撃を計画し
北朝鮮を追い詰めていた。
アメリカに軍需物資を供給することで
戦後復興が進んだ日本。
その陰で 2,000人もの日本人が
アメリカの軍事作戦に→
従事させられていた状況も
明らかになった。
今月下旬に開かれる予定の
米朝首脳会談で焦点の一つとなる→
朝鮮戦争の終結。
北東アジアに不信と恐怖を植え付けた戦争の真相に迫る。
北京郊外にある高級住宅地。
ここに朝鮮戦争を主導した権力者たちの貴重な資料が保管されていた。
中国の著名な現代史の研究家
沈志華教授。
30年以上にわたって


中国やロシアの政府機関から→
朝鮮戦争に関する外交資料を集めてきた。
当時30代だった 北朝鮮の指導者キム・イルソン。
中国で共産党の支配を確立し→
強大な権限を手にしたばかりの毛沢東。
そして 共産主義陣営の
絶対的指導者だった→
ソビエトのスターリン。
開戦前から3人の指導者たちが密かに交わしていた→
4,000点もの電報や直筆の書簡。
沈教授は これらの資料を分析し朝鮮戦争の全貌に迫ろうとしている。
朝鮮戦争は
なぜ どのように始まったのか。
当時 世界では
アメリカが率いる資本主義陣営と→
ソビエトが率いる共産主義陣営との間で→
冷戦が深刻化していた。
ヨーロッパは
鉄のカーテンで東西に分断。
一方 アジアの対立の最前線は→
日本の植民地支配から解放されたばかりの朝鮮半島だった。
南には アメリカの支援を受けた
イ・スンマンを大統領とする大韓民国。
北には ソビエトを後ろ盾とする
キム・イルソン率いる→
朝鮮民主主義人民共和国。
アメリカとソビエト率いる二大陣営が→
冷戦下で初めて戦火を交えたのが
朝鮮戦争だった。
ところが 今回 入手した資料からは

より複雑な構図が見えてきた。
共産主義陣営の権力者たちの間で→
熾烈なせめぎ合いが繰り広げられていたのだ。
開戦の前の年
モスクワのスターリンのもとを訪ねた→
キム・イルソン。
会談記録からは 韓国への侵攻をはやるキム・イルソンに対し→
スターリンは 慎重な姿勢を
見せていたことが分かった。
南朝鮮には 今もアメリカ軍がいます。