2019/02/06(水) 00:49〜01:39 NHKスペシャル「朝鮮戦争 秘録〜知られざる権力者の攻防〜」[字][再]

そして 共産主義陣営の絶対的指導者だった→
ソビエトのスターリン。
開戦前から3人の指導者たちが密かに交わしていた→
4,000点もの電報や直筆の書簡。
沈教授は これらの資料を分析し朝鮮戦争の全貌に迫ろうとしている。
朝鮮戦争は
なぜ どのように始まったのか。
当時 世界では
アメリカが率いる資本主義陣営と→
ソビエトが率いる共産主義陣営との間で→
冷戦が深刻化していた。
ヨーロッパは
鉄のカーテンで東西に分断。
一方 アジアの対立の最前線は→
日本の植民地支配から解放されたばかりの朝鮮半島だった。
南には アメリカの支援を受けた
イ・スンマンを大統領とする大韓民国。
北には ソビエトを後ろ盾とする
キム・イルソン率いる→
朝鮮民主主義人民共和国。
アメリカとソビエト率いる二大陣営が→
冷戦下で初めて戦火を交えたのが
朝鮮戦争だった。
ところが 今回 入手した資料からは
より複雑な構図が見えてきた。
共産主義陣営の権力者たちの間で→
熾烈なせめぎ合いが繰り広げられていたのだ。
開戦の前の年
モスクワのスターリンのもとを訪ねた→
キム・イルソン。


会談記録からは 韓国への侵攻をはやるキム・イルソンに対し→
スターリンは 慎重な姿勢を
見せていたことが分かった。
南朝鮮には 今もアメリカ軍がいます。
ソビエトの援助が必要です。
援助はできる。 だが 今は
用心する必要がある。
スターリンは
当時 唯一の核保有国だった→
アメリカとの全面戦争を恐れていた。
諦め切れない キム・イルソン。
その後も ソビエト側に
繰り返し支援を訴えていた。
もし 今 攻撃を行わなければ 私は
朝鮮人民の信頼と支持を失うばかりか→
祖国統一のチャンスまで
逃してしまいます。
我が軍は2週間 長くても2か月以内に
朝鮮全土を制圧することができます。
キム・イルソンの要求に
すぐには応じなかった スターリン。
ところが 会談の1年後 ソビエトは→
北朝鮮に大量の兵器を密かに提供し始める。
キム・イルソンに送った電報には
1年前とは打って変わり→
戦争に前のめりになる
スターリンの姿があった。
なぜ スターリンは
北朝鮮への軍事支援に踏み切ったのか。
このころ ソビエトは


悲願の原子爆弾の開発に成功。
アメリカに次ぐ
核保有国となっていた。
今回 入手した資料には スターリンが
中国を建国したばかりの毛沢東を→
モスクワに招いた時の記録があった。
この時 極秘とされていた→
原爆実験の映像を→
見せていたことが分かった。
スターリンは 核を保有したことで
アメリカに対抗する自信を深めていた。
アメリカは我々との戦争を
何より恐れるはずだ。
日本もまだ復活しておらず
戦争する能力はない。
原爆の威力は すさまじい。
映像に圧倒される毛沢東。
ところが スターリンは
その中国に対しても策略を巡らしていた。
私たちに資料を提供した沈教授。
中ソ間のある駆け引きに注目している。
当時 ソビエトと中国が結ぼうとしていた
軍事協定の草案。
…という箇所に
スターリンは強く抵抗していた。
中国東北部にある 東洋屈指の軍港 旅順。
第二次世界大戦の直後 ソビエトはこの港を日本に代わって支配し→
太平洋につながる
戦略上の要衝としていた。
中国の建国後 毛沢東は

旅順港の返還をソビエトに要求。
一方のスターリンは
手放さないための口実を探していた。
最終的にまとまった 中ソの軍事協定。
ここに スターリンは次の条項を加えていた。
一方 共産主義陣営に対峙し
韓国の後ろ盾となっていた アメリカ。
北朝鮮を差し迫った脅威と
見なしていなかった。
当時発表していた