(太鼓の音)
大都会 東京。ここに 不思議の森があります。
明治神宮。
正月 三が日の参拝者は実に 300万人。
日本一を誇る神社です。
境内の森は神の住む森 神域とされ→
許可なく立ち入る事が
禁じられてきました。
この森には
秘密が隠されています。
ここは 実は 人工の森。
大都会に100年以上かけて原生林のような森を造る。
世界でも例のない→
大実験が行われているのです。
今回 日本を代表する科学者たちが
集結。
100年目にして
初めて 森の全貌を探る→
大規模な調査が行われました。
おっ! お~っ!これ 結構 すごいかも…。
次々と発見される
まか不思議な生き物。
3,000種類もの 多様な動植物。
そして 森の王者 オオタカまで。
なぜ 都会の真ん中に→
これほど豊かな森が生まれたのでしょうか。
明治神宮 不思議の森に秘められた
100年の物語が→
今 解き明かされます。
♪♪~
森へとつながる 一本の道。
東京・表参道。
明治神宮の入り口です。
ここには壁があるような気がしますね。
片一方は 人の造った世界で
もう一方は自然の世界。
昔の言葉でいうと→
天道と人道の境なんですね。
それを見てみようと思います。
解剖学者の養老孟司さん。
昆虫好きで 自然への造詣が深い
養老さんは→
明治神宮の森に ひときわ
強い関心を寄せています。
ぜいたくな実験?
何だか気になりますね。
明治神宮の面積は およそ70ヘクタール。
ビルが立ち並ぶ都心では皇居に次ぐ広さの緑地です。
ここが 本殿。 境内の中心です。
参拝者は 年間1,000万人。海外からも多く訪れます。
皆さんが歩く参道の すぐ隣には
実は 見えない壁があります。
この先は 神の森
神域として守られ→
許可なく立ち入る事ができません。
白い所は 本殿や参道。赤い部分が 神域の森。
境内の およそ9割を占めます。
ここが 今日の物語の舞台です。
ふだんは立ち入り禁止ですが→
養老さんと一緒に 特別に森の中へと入ってみましょう。
頭上は 20メートルを超える木が覆い
足元は 草が生い茂ります。
手入れの痕跡もない
自然のままの姿です。
すごいね これ。
この大木は 寿命が来て枯れていますが→
そのままの状態で残されています。
明治神宮で 最も大きいムクノキ。
こりゃ すごい木ですねえ。
高さは およそ30メートル。
普通ね 大きな木っていうと
特別にね 保存するんで→
周りと切り離されてる事が
多いんですね。
でも ここは まさに…
主のような巨木がそびえる深い森。
ところが 驚かないで下さいね。
100年前に遡ると…→
ここは なんと 森などない
荒れ地のような場所でした。
明治神宮の森は この荒れ地に
造られた 人工の森なのです。
しかも
ただの人工の森ではありません。
その秘密について記された書物が
大切に保管されています。
およそ100年前に書かれた
森づくりの計画書です。
そこには 理想とする森の記述が
あります。
…という
意味です。
一見 自然のままに見える
いわゆる 里山の雑木林は→
人の手入れで維持されている
人工の森です。
明治神宮が目指したのは…
それは はるか昔 この地に広がっていたはずの原生林でした。
林苑計画書には
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