2018/01/10(水) 00:10〜01:00 NHKスペシャル 人体 神秘の巨大ネットワーク3▽骨が出す最高の若返り物質[SS][字][再]

私には 長い間秘密にしてきた事があるんです。
実は このサングラス
骨が見えちゃうんです。
骨なんて 体を支える 単なる
棒っきれだと思っていませんか?
どうやら 違うらしいんです。
なんと脳や筋肉など 全身の臓器に→
特別な物質を届け 人体の若さを→
生み出しているのがこの骨だというんです。
カチカチの硬いカルシウムの固まりだと
思われがちな骨。
でも その中は
意外にも隙間だらけ。
しかも よく見ると そこには
たくさんの細胞たちが→
うごめいていました。
実は この細胞たちが発している特別な物質が→
メッセージとして 全身に届けられ→
私たちの若さを生み出している事が→
最新の研究によって
分かってきました。
骨からのメッセージ物質が
脳に届くと→
なんと 記憶力をアップ。
更に 骨からのメッセージは→
体の免疫力を高め→
私たちを病気から守ってくれる事も明らかに。
免疫力も?
逆に言えば 骨からのメッセージが途絶えた時→
記憶力や免疫力の低下などが

起こり→
まるで
命のスイッチを切るかのように→
老化現象が加速して
しまうというのです。
骨が出す最高の若返り物質。
その驚きのパワーを知れば あなたの若さが呼び覚まされます。
<どうすれば
この命を全うできるのか。→
体の中には 巨大な情報ネットワークが
存在する。→
臓器同士のダイナミックな情報交換。→
命を支える臓器たちの会話に今こそ 耳を傾けよう>
♪♪~
ちょっと 今 見てるだけでも「えっ 骨 すごいな」って→
思いますね。
実は 私 骨が大好きで→
それで 昔 整形外科医に
なりました。そうなんですか。
でも 手術が 下手で
やめましたけど。いやいや…。
はい だから 今日は めちゃめちゃ
楽しみにしています。
どうも よろしくお願いします。
骨の仕事は→
一手に担っています。
いつもどおり骨を意識しています。
僕 実は 石田君が出てくるまでは
一応 僕 骨折担当で…。
そうなんですか。

はい 初代なんです。
私は 小学生の時に 左手首を
ちょっと骨折したぐらいで…。
すごいですよ。 数
すごいんですよ。 言ったんさい。
え~っ!
あの~ こんなものご用意しました。 どうぞ。
骨格標本 いしだくんです。
石田さんの骨折の歴史を→
ご覧頂きましょう。 どうぞ。
(藤井)よかったな~。(石田)はい ハハハッ!
そして この赤いリボンの
巻いてある所が→
過去 骨折した事のある…。
(藤井)リボンなんですね。
あばらは
本の表紙の撮影がありまして→
振り向いて… カメラマンさんが
「もっと 振り向いて下さい。→
もっと 振り向いて下さい」
って事で 振り向いたら ペキッて…。
それだけで?
これは 高校の時なんですがその時 僕→
デコピンが強いって 有名に
なったんですよ。 ほんなら→
ある日 パ~ンってやったら
僕が「ああ~っ!」ってなって…。
デコピンで 折れちゃうんですか?
山中さん そういう例を→
聞かれた事…。

僕も 時々デコピン合戦するんですけど→
折れた事はない。
自慢じゃないんですけど…
まさか ライバル!?
ライバルですね。
やっぱり
弱いかもしれないですね。
僕 24歳の時に 骨年齢を測ったら
70代でした。
でも 親も よく折れてたんで。
両親とも?
(石田)そうですね はい。
家庭内骨折が… はい。骨折話 尽きませんけれども→
そもそも 私たちの体の中に
骨 何本あるか…?
1 2 3…。
(石田)今 数えるんですか?
どれくらいあるか…。
今 数えられます?
お手伝いしましょうか?
ざっと見て 30~40本。
30~40本。 答えは こちらです。
(石田)うわ~!何だ この怖い演出は!
並べてみますと…
(3人)え~!
で これらの骨が
すごい事が分かってきている。
そうなんです。
骨っていうイメージは→
ブニョブニョの内臓とか 筋肉を

支えているっていう…。
もちろん それは とっても大切な
役割なんですが→
それだけではなくて
「人体は ネットワークである」。
これが
今回のシリーズのテーマですけれども→
骨も 非常に大切なネットワークの一員。
骨は 硬くてジ~ッとしてるようなんですが→
実は いろんなメッセージを出して
ほかの臓器を→
若く保つ そういう大切な働きが
あるんじゃないかという事が→
どんどん…。
分かってきた。はい。
私たちの若さを生み出す骨。
あるトップアスリートがその骨の大切な機能を→
失う危険にさらされています。
アメリカを代表する自転車選手だったブレイク・コールドウェルさん 33歳。
19歳で プロデビューして以来
数々のレースで入賞し→
全米選手権で
準優勝を果たしました。
ところが そのキャリアの絶頂期に
骨の異常が見つかり→
引退に
追い込まれてしまったのです。
きっかけは 太ももの付け根
大腿骨近位部の骨折でした。
過酷なレースに耐えてきたアスリートが

軽く転倒しただけで→
なぜ 重度の骨折をしたのか。
当時 コールドウェルさんは 25歳。
検査をしたところ
骨の密度 骨量が→
極端に低い事が分かりました。
骨量が下がると骨の内部が スカスカになり→
骨折しやすくなる事は
皆さんも ご存じですよね。
実は
骨量が下がる事の恐ろしさは→
単に 動けなくなる事だけでは
ありません。
高齢者の場合
大腿骨の骨折をきっかけに→
4人から
5人に1人が→
1年以内に 命を
落としてしまうという→
衝撃のデータがあります。
その原因の一つは→
骨の出すメッセージ物質にある事が
分かりました。
骨量が下がると 若さを生み出す
メッセージ物質が出なくなり→
全身の老化が急速に進んでしまう
可能性があるのです。
さあ 骨は 一体
どんなメッセージを発しているのか。
1つ目は 今 大注目の記憶力です。

最近 新しいことが覚えられなくなった気がする。
心当たりのある あなた
実は それ→
骨の出すメッセージ物質が
不足しているせいかもしれません。
骨の働きについて研究する…
カーセンティ博士は骨が脳に向けて発する→
あるメッセージ物質を発見しました。
大きさ 10万分の1ミリにも満たない小さな粒。
これが 私たちの記憶力を司る→
重要な働きをしているというのです。
遺伝的に
オステオカルシンを作れないマウスで→
実験を行いました。
用意したのは水槽。
マウスは 避難先となる島に
泳いで たどりつこうとします。
ポイントは 到達するまでの時間です。
1回目の実験では→
オステオカルシンを作れないマウスも
通常のマウスも→
ほとんど同じ
80秒から90秒でした。
実験を重ねると…。
通常のマウスの場合→
4秒で たどりつけるように
なりました。 速い!
一方 オステオカルシンを
作れないマウスは→
回数を重ねても

最初と同じ→
90秒ほど
かかってしまいました。
通常のマウスは 実験の度に→
どんどんタイムを縮めていきます。
しかし
オステオカルシンを作れないマウスは→
ほとんど短縮できませんでした。
一体 なぜなのか?
カーセンティ博士が マウスの脳を
詳細に調べてみたところ→
驚くべき事が分かりました。
オステオカルシンを作れないマウスでは→
新たな記憶を蓄える
海馬という場所が→
小さくなっていたのです。
島の位置を記憶できないのは→
骨からオステオカルシンが
出ないために→
海馬の働きが
低下したからだと→
博士は考えています。
骨が出すオステオカルシンのメッセージは→
例えて言えば
記憶力をアップせよという指令。
そのメッセージが 血管を通って
脳へと運ばれていきます。
海馬に到着しました。
びっしりと立ち並んでいるのは神経細胞です。
神経細胞には オステオカルシンを受け取る

特別な装置があります。
メッセージを受け取りました。
すると脳は がんばって記憶しようと働くのです。
オステオカルシンですか?
はい。
あれ 俺 ないのかもしれない。
えっ どうしてですか?
NHKの楽屋
何度行っても分かんないもん。
これは 僕も 記憶力が乏しいのか
結構 道迷うんですよ。
覚えられないんですよ 道とか。
だから 東京の道とかも→
全然覚えてないんで。
(笑い声)
日本人の主な死因の肺炎やがん。
こうした病の原因になるのが免疫力の低下です。
実は そこにも
骨の出すメッセージ物質が→
関係しているというんです。
老化のメカニズムについて研究をしている…
ガイガー博士は 年老いたマウスでは→
骨が出すオステオポンチンという物質が→
少なくなっている事を
発見しました。
この物質にも若さに関わるメッセージが
秘められているのではないか。
ガイガー博士は
2つのグループのマウスを用意し→
片方にだけ

オステオポンチンを与えました。
すると 5か月後→
オステオポンチンを与えたマウスに大きな変化が起きました。
体内のウイルスなどと
闘ってくれる→
免疫細胞の量が→
倍近くにまで増えていたのです。
オステオポンチンのメッセージは
いわば 免疫力をアップせよ。
このメッセージが 免疫細胞の
もとになる細胞に届くと→
生まれてくる免疫細胞の量が増え
体全体の免疫力を→
根本からアップさせている事が
分かったのです。
単に体を支えるためのものだと
考えられてきた骨。
しかし 今 メッセージ物質によって
全身の若さをコントロールするという→
骨のダイナミックな役割が 次々と
明らかになってきているのです。
ちょっと
骨を見る目が変わってしまって→
今もう 衝撃的な事ばっかりで
びっくりしております。
免疫力に記憶力。
本当に びっくりしました。
今の研究は 今の段階では
ネズミでの研究なんですね。
人間でも どうかというのは

今 研究が進んでいます。
気になる 骨のメッセージが
ほかに何があるのか→
体感して頂くために
こちら ご用意しました。
さあ 出てきました。
はい 出てきました。
また出たな。
(石田)うわ~ すげえ!しっかり 骨や内臓も。
(藤井)うわっ 腸の感じ。
太ももの骨 取って頂けますか?
ちょっと そ~っといきます。
失礼致します。
(笑い声)
そ~っとね。
立派な どうぞ お返しします。
ありがとうございます。
骨から出るメッセージを
聞く事ができるんです。
骨の細胞を一つ
置いて頂けますか?
あの… 博多弁って全部 最後に
「ばい」がつく事はないって→
再三
私 いろんな番組で言ってるの。
「ばいばいばい」とか
絶対言わないですから。
実はですね
先ほどの記憶に働く物質→
オステオカルシンがありましたが

同じメッセージが→
筋肉に行くと違う働きをします。
あっ 同じメッセージで?
そうなんです。 脳に行くと
記憶をアップするんですが→
筋肉に行くと 筋肉のエネルギーの
使い方を向上するというか→
効率よくさせるんですね。
ほかにもメッセージがあります。タモリさんの大腿骨をお借りして。
あっ あ~。
いいですか? すいません。
え~?
骨が関係してるんですか?
その辺も気になりますね。
(石田)気になります。
これ すごい気になりますね。
がぜん?
えっ?
すごいね これ。
これは 何だか分かりますか?
(木村)これって精子でしょ?
さすが。
さすがって…。
あれ? いけませんでした?
全然いいですよ。
博識でいらっしゃる。
精巣で 精子が生み出されるところを捉えた→
顕微鏡写真なんです。
これが 生まれるところ?
そうなんです。 この精子が

頭と尻尾が分かりますよね。
これが精巣で 精子。
この生み出すという→
その生殖器にも骨が関わっている。
(木村)え~!?
やっぱり 同じメッセージ。
オステオカルシン。
精巣に行きますと
テストステロンという男性ホルモンを→
いっぱい作れという
メッセージになります。
このオステオカルシンがないと
精子の数が→
半分ぐらいに減ってしまうという
そういう研究もあります。
何か全然 縁遠そうに 骨とね。
骨とは。
血液に出しますから 血流を通って
いろんな 脳に行ったり→
精巣に行ったり 筋肉に行ったり。
行く場所で 違う仕事をする。
骨は メッセージ受け取るけども
出してるとは思わなかったですね。
今 見てきた骨から出るメッセージ。
いろいろあるんですね。そうですね。
このメッセージの共通項は 若さを司る。
ですから骨は 私たちの若さを司る→
大切な臓器なんです。
特に我々の年になると若さってキーワードに弱いですからね。
結局…

(藤井)これどうしたらいいんでしょう?
そうですね。
実はですね 骨自身が→
自分の強さを決める そういう
メッセージを出してるという事も→
分かってきています。
はい。えっ どういう事っすか?(木村)楽しみ~。
全身の若さを保つ骨。
その 骨を強くするメッセージ物質とはどんなものなのか。
手がかりは 南アフリカの
ある地域に集中している→
難病の研究にありました。
患者の一人ティモシー・ドレイヤーさん 27歳です。
病気の名は…
症例は これまで 僅か80例ほどしか見つかっていません。
左が ドレイヤーさんの頭蓋骨。
右が 健康な人です。
黄色で示した所が骨。
比べると その差は歴然です。
頭蓋骨が増え続けるため
内側にある脳を圧迫し→
聴覚や視覚に
障害を引き起こします。
ドレイヤーさんは
4年に一度 頭蓋骨を外し→
増え続ける骨を 内側から
削る手術を受けてきました。
なぜ ドレイヤーさんの骨は
増え続けてしまうのか。
50年近くにわたって

この難病の解明に挑み続けました。
そして ついに
骨が出す あるメッセージ物質に→
たどりつきました。
患者の体内にスクレロスチンというメッセージ物質が→
欠如している事を
突き止めたのです。
これは 特殊な顕微鏡で
骨の内部を捉えた→
世界初の映像です。
四角で囲まれた部分に注目して下さい。
小さな緑の粒 これが
骨が発するメッセージ物質→
スクレロスチンだと考えられています。
スクレロスチンが発するのは→
「骨を作るのをやめよう!」
というメッセージ。
体内の骨の量を
コントロールしています。
ドレイヤーさんの体内には
スクレロスチンが全くありません。
そのため
骨が増え続けていたのです。
逆に 骨が減り続けていた→
自転車選手のコールドウェルさんの場合は→
スクレロスチンが
大発生していたと考えられます。
このメッセージ物質をコントロールできれば
骨を健康にして→
全身を若く保つ事ができる。

そんな期待が高まっています。
実は 中では 毎日のように→
作っては壊す 作っては壊すという事を繰り返しています。
常に 新しく替えているという。
もうこれ以上 出来ないでっていうそういうメッセージなんですけれども。
もちろん ブレーキ役以外に
逆に 骨を作るメッセージというか→
アクセル役ですね。 そういうのも
たくさんいますので→
そのバランスで
骨の量が決まっています。
私たちの体の骨の中で
どんな事が行われているのか→
こちらをご覧頂きたいと思います。
さあ こちらは骨を壊す細胞です。
私たちの骨を せっせせっせと
壊していきます。
ここに 骨を作ってというアクセル役の
メッセージ物質が出てくると…。
来た来た来た。
皆さん 来てくれました。
骨を作る細胞さんたち。
(石田)卵黄みたい。
壊した骨を
どんどん修復していきます。
また 作ったそばから
骨を壊していく。
また 骨を作る細胞も
やって来てくれる。
これを繰り返す事によって→

一定の量を。(木村)両方必要だという事ですね。
そうなんですよね。
でも なぜこんな仕組みがあるんですか?
そうですね。 1つは…
歩いたり ジャンプする事によって毎日 衝撃かかってますから。
疲労骨折 よく聞きますね。
あとは…
あ~ そうか。
カルシウムを体に放出するためには自分を 一旦壊して→
また作り替えるという。
壊すのも必要なんですね。必要です。 はい。
でも ここに
スクレロスチンが やって来ると→
どうなってしまうのか。
作る細胞たち 骨を作る細胞たちは活動をやめてしまうんです。
お休みしてしまいます。
ですけれども 骨っていうのは→
出来過ぎたら
もう 体が重くなり過ぎて→
ものすごい
無駄遣いになりますから。
だから やっぱり
アクセル役だけじゃ駄目で→
ブレーキ役 スクレロスチンが出来たのかなと。
人体っていうのは本当 よく出来ていまして…
すごいね。
私たちの体の中で続けられている骨の作り替え。
実際には
どんなふうに行われているのか→
ミクロの世界を

のぞきに行ってみましょう。
まるで 洞窟のような空間。
骨の内部に入りました。
カルシウムの柱や
赤い血管が→
絡み合うように広がっています。
あっ! 柱の表面に 何かいます。
骨を壊す細胞…
アメーバみたいな形をしているんですね。
カルシウムを 一旦取り込んで
粉々にして吹き出しています。
一方 こちらは
骨を作る細胞のもとです。
「骨を作って!」という
アクセル役のメッセージが届くと…。
小さな丸い細胞が
生まれ始めました。
骨を作る細胞 骨芽細胞です。
大きくあいた穴にドロドロした液体を出し始めました。
セメントで固めるようにして
骨を作るんです。
骨の洞窟は たくさんの細胞たちで
とっても にぎやか。
まるで 建設ラッシュのようです。
おや?別のメッセージ物質が漂い始めました。
そう ブレーキ役の…
…と細胞たちに伝えます。
すると
骨芽細胞の数が減り→
骨の建設は

休憩に入りました。
私たちの骨では
こんな光景が→
日々 繰り広げられているんです。
ところで 大切な働きをする→
アクセル役とブレーキ役のメッセージ物質。
一体 どこから出ているのでしょうか。
実は カチカチのカルシウムの柱の中に→
全く別の細胞が隠れていました。
名前は 骨細胞。
アクセルとブレーキ両方のメッセージ物質を出す→
いわば 建設現場の監督です。
これは 高精細の顕微鏡撮影によって捉えられた→
実際の骨細胞の姿です。
一つの細胞の大きさ 僅か0.02ミリ。
カルシウムの骨の柱を溶かす
特殊な方法で撮影されました。
その数 なんと 全身で数百億。
骨細胞たちがメッセージ物質の量を調整する事で→
骨の作られ方が決まるのです。
さて 皆さん 覚えていますか?
若さを生み出す4つのメッセージ。
そのメッセージを出す細胞がこれまで登場した中にいますよ。
なんと 骨芽細胞なんです。
骨を作る骨芽細胞には→
あの ありがた~いメッセージ物質を
出す役割もあったんです。
骨芽細胞が出したメッセージ物質は→
血管を通じて 全身の臓器へと送られていきます。
私たちの体全体の若さを

コントロールする→
巧妙な仕組み。
体の中にはそんな不思議な世界が→
潜んでいたのです。
骨が若さを司ってるんですね。
私 母親 亡くしたんですが→
2年くらい前まで全然 元気だったんですけども→
転倒して 大腿骨 骨折してから→
本当に スイッチが押されたかのようにダダダッと悪くなりました。
うちのばあさんも 大腿骨
車から降りた時に折れて→
やっぱり 2年間 寝たきりで
亡くなりました。
特に 高齢者の方で
骨折をきっかけに→
一気に
いろんな老化現象であるとか→
認知症であるとか
いろんな病気が…。
腎不全とか進んでしまう
という事があります。
何と言うか
昔よりも 更に骨の大切さが→
認識されてるといいますか。
昔は 単に骨がもろいから骨折しやすいとか→
それだけだったのが
今は もう 本当 全身の若さ…。
それで 老化のスイッチが
ピッと押されてしまって…。
もしかしたら 石田さんも 今後

骨が折れやすいだけではなくて→
いろいろ影響が
出てきてしまうかもしれない。
だから もうちょっとね
建設してほしいんですけど…。
僕も 多分 骨折が多かったので
どうしたらいいんですか?
それが知りたい!
骨を強くする方法っていうのはあるんですか?
あります。
骨の異常のために引退を余儀なくされた…
メッセージ物質の異常によって
骨の建設のバランスが崩れ→
老化が進む危険に
さらされています。
なぜ 若きアスリートの体の中で
メッセージ物質の異常が起きたのか。
それを解明する事で
再び 若さを取り戻す答えが→
見つかりつつあります。
運動と骨量の関係について研究をする…
コールドウェルさんのケースを
分析してもらったところ→
意外な答えが返ってきました。
プロ選手を目指して→
7歳から自転車に乗り続けてきた
コールドウェルさん。
無駄な筋肉がついて
体重が増えないように→
ランニングなど

ほかの運動は控えてきました。
この偏った運動習慣が→
骨に異常をもたらす事につながったのではないか。
ヒントン博士は
ある興味深い研究を行いました。
一般の人でも…
調査したのです。
まず 20代から50代の男性で
健康維持のために→
週6時間以上 ランニングを
している人たちの骨量を→
調べてみました。
すると そのうち骨量が低い傾向にある人は→
全体の19%にとどまりました。
一方 自転車に乗っているグループでは→
なんと 63%の人が→
骨量が低下する傾向にある事が分かったのです。
その割合は ランニングのグループの
3倍にも及びます。
一体 なぜ 自転車に→
長時間 乗っている人たちの骨量が低いのか。
ヒントン博士がたどりついた答えは…
骨量を増やすために欠かせないという骨への衝撃。
ヒントン博士は それを実証するために
更に実験を行いました。
骨量が低い人たちに
ジャンプ運動をしてもらい→
骨に衝撃を与え続けたのです。
すると 驚きの結果が出ました。
19人のうち18人で 骨量が上昇。

ブレーキ役のスクレロスチンの量が→
実際に
減少していたのです。
骨に衝撃がかかると→
私たちの体の中で何が起きるのか。
若さにつながる その驚きのメカニズム
ご覧頂きましょう。
骨に伝わる衝撃を感知するのは→
硬い柱の中に隠れていたあの骨細胞です。
いわば 衝撃センサーの役割を
しているんです。
骨細胞は 互いに結び付き→
骨の中にネットワークを張り巡らせています。
このネットワークで 体にかかった衝撃を
敏感に感知します。
衝撃を感知すると 骨細胞は→
「骨を作るのをやめよう!」というブレーキ役のメッセージの量を減らし→
代わりに「骨を作って!」という
アクセル役のメッセージを発して→
骨芽細胞の数を増やします。
つまり 骨は 私たちが活動的に動いている限り→
骨芽細胞から
メッセージ物質をたくさん出して→
全身を若く保ってくれるのです。
ところが 私たちが活動をやめると→
逆に 骨は もはや
若さを保つ必要はないと判断し→
メッセージを止めてしまうのです。
という事は 皆さん→
一日の大半を

座って生活していると→
知らないうちに
若さを保つメッセージが→
途絶えてしまうかもしれませんよ。
ちょっと 今すぐ ジャンプしたいです。
(木村)私も縄跳びをやりたいです。
本当に。
来年かな…
(笑い声)ガタン ガタン ガタンって…。
すごい重い。
自転車が すごい悪もんのように見えたんですが…。
私 乗ってます。
ちょっと誤解を避けたいんですが→
自転車が
決して悪い訳ではなくて…
心肺機能とか メタボの予防とか
筋力アップには→
すごくいいんですが
骨を刺激するという意味では→
あんまり効果がない
という事ですから。
僕 骨折した時に
やっぱ言われたんですよ。
日光を浴びて
よく歩いて下さいって言われた。
そうなんです。
だから 意識的に歩くようにしたら→
でも やっぱ
骨年齢っていうのは→
ここ数年で

だいぶ若返ってきたんで。
よかったじゃないですか。
階段の上り下りなんかも→
すごくいいと思いますので。
下りるだけでも 衝撃はすごく…。
ただ もちろん…
そういう方は 水中のウォーキングとか→
あと ストレッチとかヨガで
筋肉を使っても→
ある程度は 何もしないよりは
必ず効果あると思いますから。
そういう事を取り入れて頂くと
より 骨も含めて…。
(藤井)
衝撃ですね。若さを保つ事になると…。
でも 高齢者の方が
骨折なさったとして→
寝込んでしまったりとかして
何か できる事って…。
一旦 骨折が起こってしまうと
整形外科医は→
できるだけ早く手術をして
一日でも早く手術をして→
そして 一日でも早く
起き上がってもらう。
それを心がけています。
やっぱり 衝撃っつうのは大切なんですね。
骨がですね 体の動きというか→
衝撃を感じる 唯一と言っていいセンサーになりますので→
生物の進化の過程で

非常に活発な個体と動物と→
じっとしている動物がいて
どっちが進化上 有利かというと→
活発な方が絶対有利で
そういう活発な方が→
生き残るようにして
発達してきたのが→
今の私たちの
骨の役割と言いますか…。
そのシステムを作ったっていうのも
すごいですよね。
巧妙なシステムだなと…。
それで 進化してきたと思うんですが…
そんな気さえします。
タモリさん 今日 骨について…。そうね やっぱり…
(笑い声)
確かに! たくさん歩いて…。
骨が減り続けていた
元自転車選手のコールドウェルさん。
骨折の危険に配慮しながら 骨に
刺激を与える運動を始めました。
若さを生み出す骨のメッセージの力を
再び 呼び覚まそうとしています。
運動を始めて1年。
骨量が少しずつ上がり→
骨の持つパワーを
取り戻し始めています。
骨が増え続ける
硬結性骨化症患者の→
ドレイヤーさんです。

ドレイヤーさんは 大学院で分子生物学を学びました。
その知識を生かし→
あのスクレロスチンを研究している大手製薬会社で働き始めました。
スクレロスチンをコントロールする事で→
骨粗しょう症の新薬を開発しようとしています。
開発のきっかけは
ドレイヤーさんたちの難病によって→
スクレロスチンが発見された事。
骨が持つパワーを 更に解明したい。
そして その成果が
多くの人の救いになってほしい。
ドレイヤーさんは そう考えています。
知られざるパワーを秘めた骨の細胞たちの力強い営みは→
私たちの体の中で
今も続いています。
骨が出す 最高の若返り物質。
あなたも 大切にしてみませんか?
♪♪~
そして驚きの力が解明されているのは→
骨だけではありません。
「シリーズ 人体」。
第4集は 「万病撃退!
“腸”が免疫の鍵だった」。
あの腸内フローラに つらいアレルギーを
根本から抑える働きがある事が→
最先端の研究で分かってきました。
是非 ご覧下さい。
2018/01/10(水) 00:10〜01:00
NHK総合1・大阪
NHKスペシャル 人体 神秘の巨大ネットワーク3▽骨が出す最高の若返り物質[SS][字][再]

私たちの全身の「若さ」をつかさどっているのは、実は骨。「記憶力」「免疫力」「精力」などを操っている。どうすれば骨を強くし「若さ」を保ち続けられるのか詳しく伝える

詳細情報
番組内容
骨は、単なる固いカルシウムのかたまりだと思ったら大間違い。私たちの全身の「若さ」をつかさどっているのは、実は骨だということが、最新の科学から明らかになってきている。骨が操っているのは、「記憶力」「筋力」「免疫力」、そして「精力」。逆に言えば、骨が「老化」のスイッチを押してしまうことも。どうすれば骨を強くし、「若さ」を保ち続けられるのか。骨が持つ知られざるパワーを呼び覚ます方法も、詳しく伝える。
出演者
【司会】タモリ,山中伸弥,久保田祐佳,【ゲスト】木村佳乃,藤井隆,石田明


ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ニュース/報道 – 報道特番