事務所にいてるし。
いたいた、「かおりちゃん」。
すっごいお茶のいいにおいが
するけど。
◆急なお願いにもかかわらず、中を見せていただけることに。
◆こんにちは。
◆こんにちは。
織田と申します。
◆どうも、
お世話になります。
◆どうも、お忙しいところを。「かおりちゃん」って
CMで有名な「かおりちゃん」…。
◆ご存じやったら、うれしいです。
◆すごい有名で。
中見せてもらっていいですか。◆このまま上がってください。
どうぞ。
こんにちは~。すいません、
お邪魔します。
◆社長…?
社長?
あっ、こんにちは。
お世話になっています。
織田と申します。
◆こんにちは。
◆「かおりちゃん」て、
あのCMで有名な。
◆まあ、
一応、そうです。
私の名前は
「かおり」じゃないんですけど。
◆お名前は何て言うんですか。
◆私は「ひとみ」っていうんです。◆じゃあ、
「かおりちゃん」は…。◆先なんですよ、
出てるのは。
私の父親が考えたのは、私より先
やったんです。
◆ひとみちゃんが生まれるより先に
「かおりちゃん」が…。
◆多分そうやと思います。頭の中にあったんじゃないですか。
◆お父様がこの会社をたてて、
もう何年?
◆一応、60年になります。
お茶屋の業界では、本当にひよっ
こで。
生まれたてに近いですね。
◆お茶にまつわるものなら
何でもそろう宇治森徳。
関西人ならほとんどの人が知って
いる
キャラクター、かおりちゃんには
ちょっと大声では語れない誕生秘話があったのです。
◆こんにちは。
どうも。
「よ~いドン!」の織田と申しま
す。
ありがとうございます。
こんにちは。
どうも。
◆どうぞ、おかけください。
◆ありがとうございます。
これ「かおりちゃん」のお茶ですか。
いいですか、いただいて?
◆どうぞ。
◆いい香り。
あっ、おいしい~!
おいしい。
でも、
かおりちゃんといえば、
「かおりちゃん」のね。◆今、
メトロというキャバレーが昔あっ
たんですよ。
宗右衛門町に。
◆キャバレーというのは?
◆昔そこに、かおりという女の子
がいて。
だから、
キャバレーにいた、かおりちゃんが…。
◆そうそう。
◆この「かおりちゃん」の。
◆ウインクしてるでしょう。
◆その子がキャバレーでウインク
したからね。
◆普通のかわいいお茶摘み娘じゃ
ないんですか。
◆そうそう。
◆あんまり私には、外、行って言
うなよって言うんですけど…。
言わなかったのに、今自分でしゃ
べって。
◆お母様は
「かおりちゃん」がキャバレーの人やったというのは知ってたんで
すか。
◆知りませんでした。
最近まで。
◆最近まで?
◆そう。
◆知ったとき、どうでしたか?
◆びっくりしましたよ。
◆こんな話はずっと言うてなかっ
た。