2018/07/29(日) 21:00〜21:50 NHKスペシャル「アインシュタイン 消えた“天才脳”を追え」[字]

この7か月間 私たちは奇妙な取材を続けていた。
ハワイの公園に現れた白髪の男性。
おもむろに取り出したのは…。
天才 アインシュタインの脳。
20世紀を代表する理論物理学者…
その頭脳一つで
人類の世界観を変える→
相対性理論を打ち立てた。
亡くなった時天才性の秘密を解き明かそうと→
ある人物が ひそかに脳を摘出。
脳は いくつにも切り刻まれ→
その後
行方不明になっていたのだ。
人間の知性の謎に迫るカギ
アインシュタインの脳。
一体…
今回 切断の過程を捉えた300枚を超える未公開画像が→
新たに見つかった。
その画像をもとにアインシュタインの脳を→
3次元CGで再現。
するとある特徴が浮かび上がってきた。
アインシュタインの脳にしか
存在しない…
一部の領域の…
更に 散逸していたアインシュタインの脳そのものの行方も→
次々に浮かび上がった。
初めてカメラの前に姿を現した大量の脳の断片。
脳の実物がそろえば
最先端の科学によって→
細胞の構成やネットワークまで


解析できる可能性が高まっている。
世界中に散ったアインシュタインの脳を
取り戻す事はできるのか。
人類の知性の秘密を解き明かす
かつてない挑戦。
徹底追跡の記録だ。
今年1月。
アインシュタインの脳に関する
最初の手がかりは→
意外な場所で見つかった。
(チャイム)
住宅街の一角にある家を
訪ねた。
これです。
これは…。
私たちが初めて目にする
アインシュタインの脳。
大きさは2センチほど
小脳の一部だった。
脳を持っていたのは
杉元さんの兄 賢治さん。
近畿大学の教授として→
アインシュタインの研究に生涯をささげた。
杉元さんは
アインシュタインの脳を→
どこで手に入れたのか。
(取材者)この手紙が あれですね…。
トーマス・ハーベイという人物から
受け取ったと記されていた。
人類の世界観を一変させる


相対性理論を打ち立てた→
アインシュタイン。
それまで絶対的なものとされていた→
時間や空間が
伸び縮みする事などを理論化した。
その基礎となる考えに
たどりついたのは→
16歳の頃といわれている。
光について興味を持ち→
考えを巡らせていた
アインシュタイン。
秒速30万キロメートルで進む光。
それを自分が追いかけたら光は どう見えるのか→
疑問に取りつかれたという。
もし 光の速度に追いついたら光は止まって見えるのだろうか?
光の速度で動き続けたら→
周りの空間や時間の流れはそのままなのだろうか?
頭の中だけで想像し 考察する
思考実験を繰り返し→
自然界を支配する数式を→
次々に生み出していった。
その人並み外れた頭脳は
どんな構造をしているのか。
天才の秘密を解き明かしたいと
考えた医師がいた。
1955年 76歳で亡くなった
アインシュタイン。
この時 入院先の病院で
病理解剖を担当した医師が…
杉元さんに 小脳のブロックを

手渡した人物だ。
アインシュタインの才能の秘密に
迫りたい。
誘惑にかられたハーベイは
脳の摘出に踏み切った。
アインシュタインは 生前
自らの脳を研究する事について→
同意していたともいわれている。
遺族関係者は科学的な目的ならばと→
ハーベイが脳を所有する権利を