360度 あらゆる角度から脳の形状を復元。
アインシュタインの脳の
立体モデルが完成した。
アインシュタインの脳は→
その形状から 大きな特徴が見て取れると指摘する。
特徴の一つが 頭頂葉。
視覚や聴覚などの感覚情報を統合する領域で→
言語や数学的処理にも
関わるとされている。
左右を比べると
紫色で示した 上頭頂小葉は→
右脳の方が大きく→
水色で示した下頭頂小葉は→
左脳の方が
大きい事が分かった。
左右で これほど形状が違う
頭頂葉は 極めて まれで→
アインシュタインは
普通の人とは異なる感覚で→
思考をしていた可能性が
あるという。
フォーク教授が
特に際立っていると→
指摘するのが 前頭葉。
未来の計画を立てたり物事を推論するなど→
最も高度な知的作業を
つかさどる領域だ。
これは 一般の人の前頭葉。
脳回と呼ばれるシワが隆起した部分が3つある。
一方 アインシュタインの前頭葉。
脳回ごとに色分けをしてみると…。
通常では見られない 第4の脳回が
存在する事が分かった。
脳が発達し 体積が増えると→
その分だけ脳は 複雑に畳み込まれシワが増えていく事になる。
つまり アインシュタインの脳は→
脳回の数を増やすほど発達していたと考えられるのだ。
もし 失われた脳の実物を
集める事ができれば→
脳の形状だけでなく→
内部の詳しい解析が可能になるとフォーク教授は指摘する。
最先端の脳科学や生理学を
駆使して→
細胞レベルの構造や
ネットワークを明らかにし→
天才のメカニズムに
迫る事ができると 期待を寄せる。
取材を始めて3か月。
行方知れずになっていたアインシュタインの脳に関して→
大きな進展があった。
ハーベイから脳の大半を引き継いだという あの医師が→
撮影に応じると言ってきたのだ。
ホテルの会議室を指定されそこで待つ事になった。
約束の時刻 午後1時。
医師は 自らを「X」と名乗り匿名での取材を条件としてきた。
アインシュタインの脳の
所有者である事を知られ→
盗難や騒動に巻き込まれるのを
避けるためだという。
(ノック)
こんにちは。ナイス トゥ ミート ユー。
X医師が慎重に運んできた
段ボール箱には…。
X医師が ハーベイから
脳を託されたのは 2000年ごろ。
当時 ハーベイは 80代後半。
脳の管理に不安を抱き相談してきた事がきっかけだった。
アインシュタインの遺族が
脳の所有権を認めた文書と共に→
引き継ぐ事になったという。
初めてカメラの前に姿を現したアインシュタインの脳の大部分。
ハーベイから託された
脳のブロックは→
全部で いくつあるのか。
ブロックの大きさは3センチから5センチほど。
形が崩れないよう 特殊な樹脂で
コーティングされていた。
どの場所のブロックか→
ロードマップと照らし合わせ1つずつ確認していく。
ツー。
ワン。
テン。
X医師の手元にあったのは合計で127ブロック。
大脳や小脳 脳幹など
脳の全域に及んだ。
しかし 240のブロックのうち→
半数近くは ここには なかった。
特に不完全な状態と
なっていたのは→
前頭葉 そして 頭頂葉など→
天才性に関わる特徴的な領域が失われていた。
研究に行き詰まったハーベイは→
世界中の科学者たちに脳の ほかの部分を託していた。
そのまま
行方が分からなくなったという。
これ以上の散逸を防ぎたいという
X医師。
消えた脳を取り戻し
1か所で管理する事が→
必要だと考えている。