このままでは今後 科学が進展しても→
知性の謎に迫る研究ができないと
懸念しているからだ。
ハーベイが脳を託したとされる
世界各地の科学者たち。
遺品の中に 手がかりとなる名前が
残されていた。
そうですね。
1 2…。
ヤマグチという日本人らしき名前。
ハーベイと一緒に写る女性の写真も見つかった。
脳の提供について
やり取りした人物は→
35人に上る事が分かった。
散逸した脳を捜し出し元どおりに集める事はできないか。
私たちは ハーベイから
脳を受け取ったとみられる人物→
全員にコンタクトを試みた。
名前が浮かび上がったのは→
アメリカ カナダ ヨーロッパ
南米 日本など→
世界各地に及んだ。
私たちが まず向かったのはアメリカ・カリフォルニア州。
追っていたのは ハーベイの遺品に
写っていた あの女性。
ロードマップにも 5か所に
ダイアモンドの名前があった。
アインシュタインに特徴的な
前頭葉と頭頂葉の一部を→
受け取ったとみられる。
マリアン・ダイアモンド博士は→
脳が環境によって変化する
可塑性を発見し→
世界に先駆けて提唱した
脳科学者だ。
去年7月に亡くなっていた。
アインシュタインの没後30年に→
その脳に関する
初めての研究論文を発表。
脳を構成する
神経細胞とグリア細胞について→
調べていた。
当時の科学界では→
脳の重要な機能を担うのは
神経細胞だと考えられていた。
一方 グリア細胞は→
神経細胞を支える脇役にすぎないと見なされていた。
ダイアモンド博士は→
アインシュタインの前頭葉と頭頂葉で→
この2つの細胞の比率を調べた。
そして 左の頭頂葉ではグリア細胞の割合が→
平均と比べて
73%多い事を突き止めていた。
論文発表を機に
グリア細胞に注目が集まり→
その機能についての研究が
進んだが→
アインシュタインの
天才性についての解明は→
それ以上 進まなかった。
研究に使われた5つの脳のブロックは→
今 どこにあるのか。
私たちは ダイアモンド博士が生前に在籍していた大学を訪ねた。
保管されていたのは
37枚のスライドだけ。
ブロック1つ分にも
到底満たない量だ。
スライドは
古い手法で染色されていたため→
現代の技術で
新たな解析を進める事は→
困難だという。
アインシュタインの知性のカギを握るとみられる→
前頭葉と頭頂葉 5つのブロックは
見つからなかった。
脳は どこへ消えたのか。
取材を重ねる中→
ハーベイの資料に手がかりがあった
別の科学者にたどりついた。
ハワイ在住の
チャールズ・ボイド博士 68歳。
アインシュタインの遺伝子を
解析したいとハーベイに依頼し→
脳のブロックを
2つ受け取った事を認めた。
ブロックの番号は 198。
ロードマップで確認すると→
左の前頭葉から
切り出されたものだった。
しかし もう一つのブロックは…。
25年前 ボイド博士は→
アインシュタインの
遺伝的特徴を見いだしたいと→
脳からDNAの抽出を試みた。
ところが 保存状態が悪くDNAが壊れていた事が判明。
当時の技術では
それ以上 解析できず→
研究は失敗 ブロックも失った。
その後 大学を移籍し研究分野が変わったボイド博士。
再び アインシュタインの研究に