2018/07/30(月) 22:25〜23:10 プロフェッショナル 仕事の流儀「農業経営者・多田克彦」[解][字]

ういう展望をきちっと出してほしいと思います。
(水音)
心躍る 東北の初夏。
ここは 男が暮らす岩手・遠野。
不思議な伝説が残る山里。
民俗学者 柳田国男によって
書かれた 「遠野物語」。
カッパや座敷わらしなどの
言い伝えが→
生々しく語られている。
それから 100年。
農業をなりわいとする その男は
今 新たな遠野の物語を紡ぐ。
それは
農業政策の専門家でもあった→
柳田国男の思想を受け継ぐ物語。
農民は 農業だけをなりわいとし独立すべきだ。
農業に旋風を巻き起こす男。
多田は 野菜作りだけでなく乳牛も育てる。
更に それらを使った
製品作りも手がける。
♪♪~(主題歌)
農業だけで 自立する。
30年前に誓った覚悟。
牛肉の輸入自由化で牛の値段は 8分の1に下がった。
だが 多田は諦めなかった。
販路を切り開くため自ら東京に乗り込んだ。
チーム遠野で挑む
海外への販路拡大。
仲間に伝えたいのは 自立の意識。


多田さんのふるさとは→
100年前に書かれた
「遠野物語」の舞台。
その美しさは
今も変わらない。
(取材者)どれですか?
柳田国男は 「遠野物語」の序文でこう書き記している。
近代化を推し進めていた
当時の日本。
柳田は カッパや座敷わらしなどの
伝承を語る事で→
発展ばかりを追求する
都市の人々に→
警鐘を鳴らそうとした。
多田さんも今 農業経営者として一つの戦略をとる。
「人々を驚かせる」。
多田は いつもその事を考えている。
(多田)アメリカ輸出の商談会は
これで2回目を…。
この日は 多田が仕掛けた→
東北の名産品を 東京の商社やスーパーに売り込む商談会。
挨拶で いつもの口癖が出た。
多田は 人々を驚かせるものをどのようにして生み出すのか。
その根本に まずあるのは
徹底した品質の追求だ。
すごいでしょ。
30年前に開いた5ヘクタールの この農場。
多田は 多忙を極める今も→
毎日 早朝に行う ここでの農作業を人任せにしない。
特に こだわるのは土作り。


農薬を用いず 有機肥料の使い方も毎年 見直してきた。
おはようございます。
多田が 朝の一仕事を終えた頃従業員たちが出勤する。
野菜作りと並ぶ もう一つの柱
牛乳の生産。
ここでも 長年
多田は 品質に こだわってきた。
この日も 牛乳の評判を聞きつけた
バイヤーが大阪から訪れた。
牛舎の中を自由に歩かせ
牛のストレスを減らす事で→
質の高い牛乳が生み出せると
多田は言う。
しかし 努力は
これだけに とどまらない。
「人々を驚かせる」。
そのために多田は 別の顔も併せ持つ。
それは おいしいスイーツを
生み出す パティシエの顔だ。
この日 作るのは
自らが生産する→
牛乳やチーズを使った
ジェラート。
多田は プリンやケーキなど→
常時 30種類以上のスイーツを販売する。
その上
新商品の開発も 常に取り組む。
試作を重ね ようやく 商品化に
こぎ着けたものがあった。
抹茶のプリンだ。

うん これはいい。
スーツですよね。 百姓のスーツ。
多田は更に もう一つ 顔を持つ。
それは 自ら販路を開拓する
セールスマンの顔だ。
この日 訪れたのは
神奈川の商社。
台湾で
高級スーパーを展開している。
どうぞ どうぞ。