分かる。
何もできずに帰って来るのが
オチだ。
でも
そんなことやってみないと…。
知ったような口を利くな!
俺はな 何十年もこの身ひとつでやって来たんだ。
うまく行くか行かないかくらい
分かる。
あいつは優し過ぎる
。
あいつには無理だ
。
できないヤツに
できるって言うのは拷問だぞ。
(
惣一) 大体 君は 自分で旗を揚げようとしているヤツを→
支えるということが
どういうことか分かってるのか?
俺はな→
自分の家まで抵当に入れて資金繰りをしたのに→
給料を少し減らしただけで
社員から脅迫状が来た。
何もかも失って
自殺を考えたこともある。
現実に
そういうことが起こるんだぞ?
君は
そんなことを全て→
受け入れるだけの覚悟が
できているのか?
どうせ
まだ迷ってるんだろ?
♪♪~
さやか。
《ごめんね
祐一》
《おとうさんの言う通り→
やっぱり私には無理だ》
さやか!
祐一は 人生を懸けた決断をして→
私の人生まで背負う覚悟を
したのに…。
私は…→
ずっと心のどこかで→
起業も
インド行きも→
やめてくれないかな
って思ってた。
プロポーズされてから
ずっと。
結婚してからの生活のことを
計算してた。
さやか…
。
最初から
祐一を頼ろうとしてた。
私を幸せにしてくれるかどうか→
そういうふうにしか見てなかった。
《そんな私が
祐一と結婚したら→
足手まといになる》
《祐一のことを一番に考えたなら→
祐一のことが好きだったら…》
私たち→
一緒にいるべきじゃ
ない。
ごめん
。
♪♪~
あっ…。
何
してるんですか?
フゥ~
。
マジックを披露するタイミングを
狙っていた。
はぁ?
スポンサーが決まってお前の結婚が決まった瞬間に→
余興で盛り上げて
だめ押しするつもりだった。
だが
たった今 考えが変わった。
言いたいことを言いに行く
。
何ですか?
言いたいことって。
挑戦者は
いかなる理由にも邪魔されるべきじゃ ない。
そんなことしたら
スポンサー降りられるどころか→
後で問題になりますよ
。
俺をナメるな
。
それくらい余裕だ
。
私たちのために→
そんなことをするのはやめてください。
黒木…