2018/10/29(月) 22:25〜23:10 プロフェッショナル 仕事の流儀「歌舞伎俳優・市川海老蔵」[解][字]

危うさを、今一度、私たちは見つ
めるべきだと思います。
♪♪~
(拍手)
本番30分前の楽屋。
いきなり 市川海老蔵が
要望を突きつけてきた。
あ~。
緊張が走る。
だが。
スマートフォンを向けた。
(シャッター音)
今 40歳。 新たなステージに立つ。
♪♪~
5年前 父・團十郎を亡くし市川家の長となった海老蔵。
350年の歴史を背負う。
受け継がれてきたものを 次の世代へ。
父として 師匠として
新たな挑戦が始まっていた。
虎之助清正って…
海老蔵は言う。
4月中旬。
市川海老蔵は 翌日に大舞台を控えていた。
この日が撮影初日。
翌日は 市川家の屋号「成田屋」の由来となった→
成田山新勝寺での
10年に一度の舞台だ。
演目は 「連獅子」。
親獅子が 子獅子を 厳しい環境に置き力強く育てる話だ。
10年前の同じ舞台では


今は亡き父・團十郎と共に演じ→
海老蔵は子獅子だった。
今回は 親獅子を務める。
翌日。
よろしくお願いします。
ハハハハハハ。
じゃんけんぽい。 やった~!
あっちむいて ほい!
ハハハハハハ。
あっちむいて ほい!
あ 負けた。
やった~!
ふいに 海老蔵があることを聞いてきた。
己を取り巻く状況を見る海老蔵は
どこか冷めている。
見られる立場 批判される立場にあって
意識することがある。
(歓声)
父が亡くなって5年。
海老蔵は 伝統ある市川家を率いる
長となった。
(歓声)
350年前から連綿と続き歌舞伎を代表する市川團十郎家。
初代 市川團十郎は
今の歌舞伎の原形を作り上げた。
歌舞伎独特の化粧 隈取りも
初代が始めたものだ。
その後も 「勧進帳」や「助六」など→
歌舞伎十八番と呼ばれる家の芸をまとめ上げた七代目。
昭和の大スター 海老蔵の祖父 十一代目。


そして 父・團十郎が芸を受け継ぎ海老蔵へとつないできた。
この日 市川家の歴史に
新たな一歩を刻む言葉を 勸玄が発した。
(拍手)
(拍手)
♪♪~
親獅子は あえて我が子を崖から突き落とし はい上がらせる。
だが 子が心配になり
崖の下を そっとのぞき込む。
♪♪~
我が子への厳しさと 優しさのはざまで揺れる親獅子の姿を 海老蔵は演じた。
そうなると やっぱり 少なからず…
理想に少しずつ近づきたい。
その言葉を海老蔵は 日々実践する。
所作の美しさや演じる役の幅を追究するため→
長年トレーニングを続けている。
特に今年に入ってからは 頻度を増やし全く1日も休んでいないという。
ここでのトレーニングは
単なる筋力の増強ではなく→
肉体のバランスや 動きのなめらかさを
重視したものだ。
この日 海老蔵は
刀を使った「立ち回り」の際の→
僅かな自分の癖に気付いた。
だが 関心があるのは自分の肉体だけでないのが→
今の海老蔵だ。
4月下旬。
日頃の精進が問われる舞台が待っていた。
およそ270年前 二代目團十郎が作り上げた「雷神不動北山櫻」。
平安時代 みかどの跡継ぎを巡り

巻き起こる騒動を描く。
市川家が代々受け継いできた→
勇壮で豪快な芝居「荒事」を体現した演目だ。
海老蔵の役者としての強みの一つ。
鍛えた肉体を生かしキャラクターの全く異なる役を→
何役も演じ分けられることだ。
この演目で 歴代 誰も演じてこなかった→
1人5役に挑む海老蔵。
更に その役に 斬新な解釈を加える。
役の一つ…