しわけない…。
◆申しわけないなあ。
そやけど、そうやろ。
言うてみ。
私のおかげやねんて。
私には５人、ぶら下がっとんねっ
て、
はっきり言うたらええねん。
お母さん、
そうなの？
◆ぶら下がってます。
◆いや、すごいな、あんた。
学校へ行ってんのかいな？
◆行ってます。
◆マジで行ってるの？
◆行ってます。
◆得意な科目は？
◆農業高校に行ってまして、
そこに
食品科学科という
科があって、
専門科目が一応得意です。
◆いっちょ前なこと言うとるな。
ちょっと社長やから…。
◆さらに、最近新たに開発したいっちゃんイチオシの商品が…
◆「プリンコロッケ」。
◆プリンコロッケ？
いろいろやってる。
あんの、それ。
◆ございます。
◆ちょっと見せて。
腹プリンプリンになるわ。
俺がプリンプリンやわ。
◆めちゃくちゃはまる人と、
めちゃくちゃ嫌がる人の差が
激しい商品でもあるので…。
◆俺、プレッシャーやわ～。
俺、プレッシャーやわ。
◆甘いということをまず頭に入れ
て、食べていただかないと、
普通のコロッケとかと違うので。
◆普通のコロッケと思って食べる
やん？
◆じゃあ、ちょっと、心の準備を。
◆何で心の準備せなあかんねんな。
◆スイーツなので。
◆やかましいわ！
やかましいなあ、もう。
何でやねんな。
何や、これ？
やっとわかってきたぞ。
イマイチやね。
◆いまいちですか。◆研究足らんわ。
◆いや、多分ね。
◆社長、これ、もらってくださいよ。
あなたの後ろには５人の人がぶら
下がってますんで、
ひとつ、代表として頑張ってくだ
さい。
◆姉のような特技が欲しいと
始めたのは、
自宅でのプリンづくり。
今は、家族５人を支える会社にまで成長しました。
そう、これからもいっちゃんは、
いっちゃんおいしいプリンを目指すのです。
◆若い人がやったらおいしいと言
う？
◆あのね…。
◆石川。若いからね。
◆いただきます。
おいしい！
◆えっ！
そう？
おいしい？
◆おいしいです。
◆ありがとうございます。
◆仕事できるようになったな。
◆ベリーグッド！
◆ここ何や？これ。
おもしろいなあ、これ。
こんにちは。
◆こんにちは～。
◆ここ、石屋さんということは、
お墓屋さん？
◆お墓屋さんですね。◆これ、幾らするの？
◆これ、値段がちょっと私わから
ないんです。
◆ええやん。
これ、目は何で黒いの？
石、入れてるの？
◆そうです。
◆ほんまや。
ひっついてるわ。◆びっくりしました！
◆ごめいなさいね。
ぶらぶらとしてたもんやから。
◆この辺をですか。
◆そうですねん。
◆いつも見てます。
◆ありがとうございます。
何で泣きかけやねんな？