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2018/12/26(水) 00:40〜01:30 NHKスペシャル 東京リボーン 第1集「ベイエリア 未来都市への挑戦」[字][再]


この景色を見るために移り住んできた人も多い。
キレイ!
じゃあ 乾杯!(一同)乾杯!
同じ時 辰巳団地。
ここから見える花火はかつて 夏の風物詩だった。
(花火の音)

タワーマンションに遮られ見えなくなった花火。
ここには その音だけしか届かない。
かつては あの人たちも→
誇らしげに 団地から工場への道を
通っていたのだろう。
最先端の輝きも 容赦なく忘れ去られ
次の流行に置き換えられていく。
東京は 記憶をなくし続ける街だ。
水泳会場 アクアティクスセンターから西へ1km。
ネオ東京の もう一つのシンボルが
出現しようとしていた。
バレーボール会場となる
有明アリーナ。
しかし この工事は
数多くの困難を抱える→
ミッションインポッシブルとも言うべき
難工事だった。
最大の難問は 工事現場の立地だった。
建設予定地のすぐ隣にはタワーマンションが2つ。
川を挟んで またマンション。
これほど住宅が密集する場所での巨大建造物の建築は 過去 例がない。
まず 問題になるのは 光だ。
一般的なアリーナの屋根はドーム型。
これでは 朝から夕方まで 太陽の光が


周囲に反射してしまい→
一日中 マンションを直撃してしまう。
解決するために画期的なアイデアが生まれた。
屋根を下にへこませた 反り屋根だ。
屋根をへこませると 太陽光の反射は周囲へは広がりにくくなる。
マンションに 最も光が当たるのは→
夏至の頃の日の入り直前の1時間のみ。
しかも ごく限られた場所だけで
あることが分かったのだ。
この反り屋根には 更なる利点がある。
エネルギーを 大幅に削減できる究極のエコ屋根なのだ。
中央部分の屋根だけをへこませることで→
外側にある1万5,000の観客席の数はそのままに→
空調が必要な体積を 2割削減。
更に 中央部分が低くなるため→
照明の量も
大幅に減らすことができるのだ。
2017年 有明アリーナの工事が始まった。
ここでも 難問が発生した。
東京都から
設計の見直しを迫られた影響で→
着工が 2か月遅れてしまったのだ。
通常のやり方では 到底2019年12月の完成には間に合わない。
工期を短縮するため→
建物本体と屋根とを→
同時並行で作るというアイデアが飛び出した。
しかし ここでもやはり 立地が問題になった。
敷地が狭く 建物本体と屋根を
同時に作るスペースが→
確保できないのだ。

解決する策が たった一つだけあった。
世界でも ほとんど行われていない
トラベリングという特殊な工法である。
屋根を 9分割して作り
出来た屋根から スライドさせていく。
これを 9回繰り返すのだ。
狭い敷地であっても 巨大建造物を効率的に作ることができる→
まるで パズルのような工法だ。
この難工事を任せられるのはこの男しかいなかった。
東京ミッドタウンなどを手がけてきた→
竹中工務店のエース中のエース 大山俊春。
オリンピックのバドミントン会場を仕上げ
そのまま 転戦してきた。
百戦錬磨の大山にとっても
トラベリングは 全く初めての工事だ。
9分割した屋根のうち
最初の1ブロックが完成した。
いよいよ トラベリングが始まる。
トラベリングの際屋根が滑っていくのは→
このレールの上。
この日は まず 屋根をレールに載せる作業から始まった。
今 巨大屋根の重みを支えているのは→
レールではなく この仮設の台だ。
これから ジャッキアップ装置を使って
屋根を 少しずつ上に持ち上げ→
台を 1つずつ外していく。
台が 全て外れれば屋根の重みが レールに移り→
スライドできるようになる。
ジャッキアップ スタート。
仮設の台が 着々と外されていく。

だが 程なくして トラブルが発生した。
屋根の外側部分の台が
なぜか抜けないのだ。
原因は何なのか。
その時だった。
大山が 答えを見つけた。
そう そう そう そう…。
原因は 屋根の重さの僅かな差にあった。
屋根には 仕上げ材が貼ってあるが→
そのバランスが 手前と奥とで

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