でも 慎重な方も何もしないわけではありません。
水に入って
一緒にカピバラを追っていました。
常に一緒の2頭は
狩りの方法も一緒に学んでいます。
お互い協力し合うとはいえ→
一方が もう一方をリードしているようですね。
2頭には
教えてくれる母親がいません。
ジャガーらしくなるために
自力で学んでいる最中です。
雨季が続き 湿原には
まだ足を踏み入れられません。
しかし チームは木に設置したカメラで→
エスペランサと子供たちの様子を確認する事ができます。
子供たちは生後10か月になり
随分と たくましくなりました。
あと1年と少しで
母親のもとを離れて自立します。
その時までに 準備を
整えておかなければなりません。
母親のエスペランサは
すでに子供たちに→
教えるべき事を全て伝えています。
この子供たちは母親のもとを離れても→
問題なく生きていけると思います。
経験豊かな母親に育てられた子供たちは→
パンタナールで 最高のスタートを
切る事ができるでしょう。
雨季の終わり
チームは ある決断をしました。
保護した2頭のジャガーを→
いよいよ野生の世界に解き放つのです。
その前に 健康状態を調べ→
居場所を知らせる発信機を取り付ける必要があります。
チームは 生肉で
2頭を おりに おびき寄せました。
2頭は
おりの中で一晩を過ごしました。
翌朝 心配な知らせが届きました。
夜の間に 1頭が おりの中でけがを負ったというのです。
けがをしたのは
勇敢な方のメスでした。
おりから出ようとして
格子と格闘したのです。
ジャガーは あの強力な顎で→
鉄の格子をかみ砕こうとしたんです。
猛烈な力で格子にかみつき
暴れているうちに→
犬歯の一本が折れてしまいました。
まあ 強い方のメスでよかったと思います。
少しぐらい傷を負っても→
狩りの能力にずっと たけていますから。
もう一方の小柄なメスは→
今も狩りに苦戦している事がうかがわれました。
体の あちこちの傷は→
手ごわい獲物を相手にした時にできたものです。
しかし 2頭の健康状態は
おおむね良好です。
傷が癒えて 発信機に慣れるまで→
あと ひとつきを囲いの中で過ごす事になりました。
そのあと 野生の世界へと
大きな一歩を踏み出すのです。
♪♪~
ひとつき後ついに その日がやってきました。
幼くして母親を失い→
困難なスタートを強いられた2頭のジャガーが→
もうじき自由を手に入れます。
チームは この日のために努力を重ねてきました。
ケーブルを力いっぱい引きました。
その瞬間 強い思いが込み上げました。 「今だ」って。
オーケー あとは2頭の好きなように。
こんな難しい挑戦をする事になるなんて。
ブラジルでも初めての試みなんです。
責任重大ね。
新しいスタートだ。
そうね。
2頭とも
すぐに出ていくでしょう。
それが
野生動物の本来の姿なんです。
人間による保護なんて
必要ありません。
しっかり生きろよ。
心配いらないわ。
あとは信じるだけです。
野生で生きていけると。
♪♪~
ここから先2頭に何が起こるかは→
遠隔カメラの映像と追跡装置のデータが
教えてくれるでしょう。
明くる朝 チームは早速→
2頭がどこにいるかを確かめます。
2頭の現在地の情報が
送られてきました。
(歓声)
柵の外にいるわ!
出ていきましたよ。
野生の世界にね。
扉を開け放って