2019/03/14(木) 01:00〜01:50 NHKスペシャル「崖っぷちでもがんばっぺ〜おかみと社長の奮闘記〜」[字][再]

真冬の夜 三陸の小さな浜辺に光り輝く月の道が現れます。
東日本大震災から8年。
復興の光をともしてきた人たちは→
それはそれは
厳しい冬を迎えようとしていました。
被災地で復興を支えてきた旅館が→
存続できるかどうかの瀬戸際にありました。
ありがとうございました!
また会いましょう 皆さん!
震災直後は 復興の象徴として
大勢のお客さんで にぎわいました。
しかし ここ数年 客足は めっきり減り→
おかみは増える赤字に苦しんでいます。
旅館は震災後
国から多額の補助金を借りていました。
返済が猶予された5年が過ぎ→
2億円の支払いがついに 今年4月に始まります。
倒産の危機が迫っていました。
三陸では今 復興を支えた補助金の返済が始まっています。
この水産加工会社も
赤字経営の中 返済が迫っていました。
工場の運転資金には→
津波で犠牲になった息子の保険金までつぎ込んでいました。
返済の期日まで
残された時間は あと僅か。
よろしくお願いいたします。
倒産だけは避けようと 社長も→
そして おかみも→
生き残りをかけて 奔走していました。
これは 泣き 笑い→


苦しみながら 崖っぷちで奮闘する被災地のおかみと社長の物語です。
巨大な防潮堤の工事が
今なお続く 岩手県釜石市。
津波で大きな被害を受けた根浜海岸に→
一軒の老舗旅館が残っています。
被災の翌年に 営業を再開した宝来館です。
ロビーでは 宿泊客が釜石伝統の虎舞に見入っていました。
宿泊客を出迎えるのは→
地元で誰もが知る名物おかみの→
岩[外:3F642F3778827E651C8B82A4E9F06FD3]昭子さんです。
客は おかみの人柄に引かれてここを訪れます。
宿の売りは おかみが語る震災の記憶です。
宿の目の前に広がる根浜海岸に案内しました。
この石碑に携帯電話をかざすと
あの日の出来事が映し出されます。
早く来て!
先頭を走るのが おかみです。
来た来た 来た来た! 早く早く早く早く!
ほら早く! ほら早く!
後ろから迫る津波に のみ込まれました。
あっ あっ あっ あ~っ! あ~っ!
水中で気を失い 流されましたが→
宿の従業員に引き上げられ 助かりました。
震災直後の根浜海岸です。
周辺は津波で壊滅。
およそ600人が亡くなりました。
宝来館も1階は破壊されました。
それでも 避難所代わりに
根浜の人たちを受け入れました。
混乱の中でも おかみは持ち前の明るさで


みんなを支えました。
1年後 宿は復活。
震災の記憶を伝える拠点となりました。
おかみは あの日の体験を
無償で語り続けてきました。
おかみの話を目当てに
ボランティアや観光客が訪れ→
宿は 復興の象徴として
知られるようになりました。
宿の復活から7年がたった去年11月。
売り上げは芳しくありませんでした。
被災地への関心が薄れるとともに
訪れる観光客は減り→
運転資金を手元に残すことすら
難しくなっていました。
月の売り上げ見込みは 1,100万円。
目標に400万円ほど 届きません。
やあやあやあ…。
今 更に重くのしかかるのが補助金の返済です。
借りてから5年間の猶予期間が過ぎ→
2億円の返済が今年4月に迫っていました。
もし 払えなければ
倒産するおそれがあります。
宝来館は震災後
被災した企業の復興を促す→
国や県の補助金を利用しました。
地域の復興拠点として認められると→
復旧費用が支給されます。
このうち 1/4が無償です。
残りの3/3は 自己負担。

返済は無利子ですが猶予は最大で5年間です。
宮城と岩手の6,000社が
3,500億円の補助金で復活。
その返済が今 本格化しているのです。
もしもし もしも~し。
赤字経営の中で間もなく始まる
月110万円 240回払いの返済。
おかみは 地元の企業を回って
資金援助を頼んでいました。
かつて 宿の経営は