2019/09/07(土) 17:30〜18:00 ダーウィンが来た!選「進化するだまし合い!鳥のたく卵最前線」[字]


それぞれ→
相手とそっくりの

色や模様の卵を産むんです。
カッコウが卵を産んでから2週間。
ヨシキリの巣です。
ヒナが生まれていました。
食べ物を運び始めたヨシキリ。
でも
このヒナは カッコウの子です。
カッコウのほうが 産卵から ふ化までに
かかる日数が 2日ほど短いんです。
生まれてすぐの その2日間に
ヒナには大きな仕事が待っています。
あれ? 卵が動いています。
なんと 巣から落ちました!
犯人は カッコウのヒナ。
背中に触れたものを巣から放り出す習性があるんです。
こうして ヨシキリの卵を
一つ残らず巣から落とします。
ちょっと待った! ぷんぷん。


あ~ やっぱり来ちゃいましたね。
当然でしょ!
カッコウにとって ヨシキリは→
世話をしてくれる
言わば恩人でしょ。
それなのに 卵を全部
落としちゃうなんて ひどすぎますぞ!
お怒り ごもっとも。 でもこれは
カッコウのヒナが生きていくためには→
しかたがないんです。
どうして?
理由は体の大きさ。
カッコウは ヨシキリに比べ→
大人の体重が8倍ほどもあります。
それだけたくさんの食料が必要です。
カッコウのヒナが育つためには
巣を独り占めにするしかなかったんです。
托卵なんてしなければ
いいじゃないですか。
カッコウの親が
自分で育てればいいんですよ!
それはできません。
長い進化の歴史があるんです。
ところが偶然 他の鳥の巣に
卵を産み付けるものが現れ→
たまたま うまく育ちます。
すると 育ったヒナが大人になり同じことを繰り返します。
こうして世代を重ね
ついに 子育てを すべて→
他の鳥に頼るようになったというんです。

へえ~。
もはやカッコウは 巣作りや
子育ての能力を失ってしまいました。
命をつなぐには托卵しかないという
「宿命」を背負った鳥なんです。
う~ん。 「宿命」とまで言われれば
やむをえない気もしてきましたが…→
カッコウはカッコウで
かっこう(結構)大変なんですな。 なんて。
ずいぶん大きくなりました。
もう巣に入りきらなくなっています。
ヒナの大きな口に 頭を突っ込んで
食べ物を与えるヨシキリ。
今度は背中に乗って。
どっちが親鳥か分からないですよね。
だまされているのが不思議に思えますが
これが鳥の習性。
いったん卵を受け入れると
その後 疑うことは ほとんどないんです。
ずっとヨシキリの世話を受け続ける
カッコウのヒナ。
こうして 育ての親の姿や
巣作りの場所を学んでいきます。
そして将来
自分が托卵する時に生かすんです。
ついに 巣立ちを迎えました。
翌年の春ヨシキリの巣をしっかり見つけて→
命をつないでいくことでしょう。
続いての舞台はアフリカ ザンビア。
最近 托卵する鳥の驚くべき生態が

世界で初めて撮影されたんです。
托卵をするのは ミツオシエ。
全長は20センチほど。カッコウの仲間ではありません。
ハチクイ。
虫を捕らえる名ハンターです。
狙いをつけて…→
お見事! 空中キャッチです。
ミツオシエにとって
虫をとるのがうまい ハチクイは→
育ての親に もってこいなんです。
托卵が行われるのは地中深くに作られた巣の中です。
ハチクイは 細い穴を
50センチほど掘った奥に卵を産みます。
これは
赤外線カメラの映像。
実際には
巣の中は真っ暗です。
卵を 一生懸命
世話するハチクイ。
巣から出てきました。