書き出しているんです。
小野≫これは国の想定では
詳細が書き込まれていない
1週間、1か月、1年。
井上≫実は国の想定では長期の未来は
描かれていなかったので
今回、NHKはその長期の被災の連鎖というのを
さまざまな分野の専門家に
1つの場所に集まってもらって
これまで、バラバラに
研究していたのを1つの場所で
こうやって洗い出した。
小野≫細いところにも実は字が、いっぱい
書いてあるはずなんですね。
見えませんよね。
あまりにも細かすぎて。
拡大してみてもらいましょう。
なんか出てきました。
気になるところに行ってみてください。
隠れ避難所。これはなんですか。
井上≫隠れ避難所ですけれども首都直下地震の避難する人の数
720万人に上ると
されているんですが
この前、見てください
避難所に入れない人たちが多く出ると
予想されているんですね。
そうすると行き場を失った皆さんが
どこに行くかというと
例えば、オフィスとかマンションとか
ホテルのロビーとか
そういった隠れた避難所に
まずは避難します。
小野≫その先ずっと
つながっているんですか。
どういうことが起こるか。
井上≫ここから思わぬ事態が
広がってきます。行政による
実態把握ができなくなって
さらに進めると
この2つが出てきましたね。
衛生環境が悪化したり物資が不足したりと。
小野≫衛生環境悪化の先を見ると
ストレス、感染症。
その先が被災者同士のけんか。
感染症による関連死のリスク増大。
井上≫もう1個のほう
物資の不足を見てみると
不足していくと
窃盗といった犯罪が
起きやすくなります。
そうなると、一番端にある治安も悪化していくと。
小野≫こういうことを
それぞれ別々の分野で
自分たちの専門で
地震の研究をしていた方々が
初めて集まって
情報交換することで
見えてきたものが
このツリーになっていると。
まずは発災から1週間後。
デマとか風評被害とかいろいろありますね。
被災ツリーからは実は
こんな言葉が
浮かび上がってきました。
未治療死。
≫首都直下地震後の
日本の姿を探る、かつてない試み。
分析を行ったのは、復興や心理
医療、経営システムなど
それぞれの分野で災害を
研究してきた6人の専門家です。
≫分野を超えて議論することで
想定外の被災の連鎖をあぶり出していきます。
被災者支援の専門家が
まず指摘したのは
ライフラインの途絶が
長期化することです。
≫そのことが大きく影響するのが
医療の分野。
病院の機能が麻痺すると
指摘します。
≫専門家が書き出した
被災の連鎖をCGで表しました。
病院を襲う停電、断水
通信障害などライフラインの途絶。
医療機器が使えず
患者の治療は困難に。
負傷者を受け入れることもできず
多数の死者が出るというのです。
こうした被災の連鎖によって
どれだけの人が亡くなるのか。
専門家の協力を得て
シミュレーションしました。
災害医療の専門家
布施明さんです。
想定される重傷者は
2万1000人。
災害時の対応にあたる
都内の220の病院では
医療スタッフが