訪れた人は 口をそろえて こう言います。
ミラクル。ミラクル。ミラクル。
「東京ミラクル」。
一度に１，０００人を超える人がぶつかることなく渡る交差点。
一晩中 消えることのない
きらびやかな夜景。
より取り見取りの美食の都。
ハイテク 伝統文化 ポップカルチャーそして おもてなしの心。
それらが混然一体となって
東京ミラクルをつくり出しています。
この番組では 私がナビゲーターとなり→
世界を驚かせる東京ミラクルの原動力→
そして それが なぜ生まれたのか
歴史を探っていきます。
今回のテーマは 東京の街に
縦横無尽に張り巡らされた鉄道網。
その路線の数は 圧倒的世界一。
ＪＲ４２路線 私鉄など ９１路線。
そして 地下鉄１５路線。
合計１４８もの路線がまるで脳神経のようにつながり→
１日のべ ４，０００万の人たちを
運び続けています。
恐れ入ります。 ご無理をせず
次の電車 ご利用下さい。
迷路のような路線図を前に
訪れた外国人は ぼう然。
途方に暮れてしまいます。
時間の正確さへの こだわりも世界一。
たとえ遅れても あの手この手の技で
遅れを取り戻します。
１０分以上の遅れでも
遅延としない国が多い中→
日本では ２０秒違っただけで
謝罪をしたことが話題になりました。
私は 今回 実際の鉄道ダイヤを使った
謎解きゲームに挑戦。
鉄道網の正確さへの こだわりを
体感していきます。
「シリーズ 東京ミラクル」。
ミラクルの表層をめくっていくとさまざまな試練に立ち向かってきた→
日本人ならではの物語が
浮かび上がってきます。
今回は 世界一 複雑で 正確な鉄道網
鉄道マンの時間との闘いに密着しました。
明日から あなたの電車を見る目が
変わるかもしれません。
４月１１日 私たちは ＪＲ東日本の心臓部
東京総合指令室にカメラを据えました。
撮影が許可されたのは 初めてのことです。
ここでは 首都圏を走る ２４の路線の運行を５５０人の指令員が管理しています。
さまざまなトラブルによって発生した
遅延を 列車や駅に指示を出し→
速やかに回復させるのが使命です。
列車運行の全ての基準となるのがこのダイヤグラムです。
縦が駅名 横に時刻。
筋と呼ばれる斜めの線が電車の動きを表しています。
筋をたどれば
秒単位で電車の動きが分かります。
例えば 新宿駅を１０時３１分５０秒に出発する
中央線 １００７Ｈは→
三鷹駅に １０時４８分５０秒に到着。
その間に ９本の電車と擦れ違います。
三鷹駅では 後続の特快待ちをするために
３分３０秒停車。
そのあと 立川方面に向かいます。
６時４１分。
指令室に最大級の警戒を求める
防護無線が鳴り響きました。
人身事故です。
２次被害を防ぐために付近の電車 全てを停止させます。
事故が起きた京浜東北線→
そして 周辺を走る中央線 山手線 総武線など→
５路線を停止させるに至りました。
通勤時間帯に都心の大動脈が止まり駅や乗務員から切迫した報告が届きます。
事故発生から５分後
総武線が真っ先に運転を再開しました。
しかし 併走する中央線は
まだ止まったままです。
こうなると
ふだんは 中央線を利用する客が→
総武線に流れてくるはずです。
総武線 秋葉原駅です。
ここは 山手線 京浜東北線も乗り入れる
都心の一大ターミナル駅です。
予想どおり
大量の乗り換え客が殺到し始めました。
遅延の最大の原因は
駅での停車時間が延びることです。
ふだんでも秋葉原駅は
最も遅延の発生する駅の一つです。
ダイヤでは
停車時間は ６０秒と決められていますが→
乗り換え客が多く
大幅に超えることが しばしばでした。
しかし この１年 工夫を重ね→
停車時間を １２秒短縮させることに成功しています。
大混雑という試練の中 遅延と闘ってきた
秋葉原駅の進化が試されます。
この整列ライン。 半年の試行錯誤の末