2020/01/01(水) 04:10〜05:00 NHKスペシャル選 東京リボーン 第2集「巨大地下迷宮」[字]

2020年に向け→
日本の首都 東京のリボーンが
始まっている。
戦争からの復興 高度成長期に続く→
戦後3度目の大改造である。
中でも 最も開発のエネルギーが
向かっているのが 私たちの足元。
そう 地下である。
狭い日本の中でも→
更に小さな土地しか
持たない東京は→
開発のフロンティアを
地下に求めてきた。
13の地下鉄路線
ショッピング街→
電気・ガス・通信などのライフライン。
東京は 迷宮ともいわれる→
世界で最も複雑で広大な地下世界を
築いてきた。
地下開発の最大の武器となったのは
シールドマシン。
鋭い刃先を持ち→
モグラのように 地下を一気に掘り進む。
日本は
トンネルの大きさや用途に合わせ→
大小さまざまなシールドマシンを
開発してきた。
世界最高峰のシールドマシン技術が→
小さな東京を 大きくしてきた。
しかし 地下工事には→


地上では考えられない困難が立ちはだかる。
最大の敵は 海に近い東京特有の軟弱地盤。
地下開発の黎明期から 工事は→
豆腐の中にトンネルを掘ると
例えられてきた。
一方 最高峰の地下技術は
乱開発も生んだ。
空間を拡大しようにも→
既に埋められている施設が密集し行く手を阻む。
命を削るような作業が続いている。
シリーズ「東京リボーン」。
SFコミック「AKIRA」の
シンボルキャラクターと共に→
ネオ東京の誕生を目撃する。
第2回目の今日は→
東京に残されたフロンティア→
地下大改造の最前線に ダイブする。
地下。 そこは 暗闇の世界。
何だか ワクワクしないか?
そこで待っているのは
モンスターか 守護神か?
巨大地下迷宮 行くぜ!
地下開発は 目に見えないだけに→
何が行われているのか
私たちが知ることは少ない。
深夜1時
終電を終えた地下鉄 稲荷町駅。
男たちが現れた。
向かうのは 地下鉄銀座線のトンネルの中。
13ある地下鉄路線の中でも→


銀座線は最も古い路線である。
今 大改修工事が行われている。
取り外したのは→
90年にわたって
地下鉄の運行を支えてきた木製の枕木。
それを
頑丈なコンクリート枕木に交換する。
枕木の重量は 1つ150キロ。
木よりも耐久性に優れ→
メンテナンスの手間が 劇的になくなる。
巨大地震にも耐える構造である。
しかし 作業できるのは→
終電が終わり 始発が動くまでの3時間だけ。
その間 交換できる枕木は
僅か10本である。
この作業は メトロ全線で行われる。
枕木の数は 70万本。
全てを交換するには
10年以上かかる。
気の遠くなるような
作業が→
寝静まった街で続けられている。
東京の地下開発は地下鉄の建設とともに始まった。
日本で最初に
地下鉄の建設が始まったのは 1925年。
地下鉄 銀座線の工事である。
主な現場は 路面電車の線路の真下。
技術が乏しい時代
工事は 原始的な方法で行われた。
路面電車の終電が出たあと

レールを撤去し 地面を掘る。
朝が近づくと レールを元どおりに戻す。
毎晩 道路を掘り返しては 元に戻すという作業を繰り返した。
浅草から上野までの2.2キロを
完成させるまでに→
2年がかかった。
その後も 丸ノ内線 日比谷線東西線など→
人口急増とともに
地下鉄建設が続けられた。
最大の敵は 地下水だった。