2020/01/19(日) 23:00〜23:30 美の壺・選「しあわせの小宇宙 台所」[字]

♪♪~
さ~て とっておきの
ディナーをこしらえて→
妻を喜ばせますかね。
≪おっほん。え?
準備は いいか?
しゃべった?
このお面 前から怖かったんですよ。
でも妻が大事にしてるもんだからね。
料理対決の準備は いいか?
え? 別に料理対決なんて誰も言ってませんよ。
ん? わしの言うことが聞けぬのか?
制限時間15分。
始め!
いや… 何なんですか? 一体これ。
日々 欠かせない食事の支度。
生きるための空間それが「台所」です。
人によって さまざまな
理想の台所があります。
料理家の台所は 質実剛健に使いやすく。
アーティストの台所は絵画のように芸術的に。
展示というと大げさなんだけど…
およそ400年続く京都の料亭で大切に受け継がれてきた かまど。
人と台所が織り成す物語
その奥深い魅力を味わいます。
こちらは枝元さんのご自宅の台所。
職業柄 一日のほとんどをこの台所で過ごします。
例えば こういうとこが…
すごいぐちゃぐちゃになるタイプなので…
…でいてほしいと思いました。


台所の強さとは?
そこには料理のプロならではの
こだわりがありました。
調理台の天板に選んだ素材は御影石。
頑丈で やかんや鍋を直接 置いてもびくともしません。
床材には スレートを使用。
汚れても掃除しやすく冬も足元を冷やさない素材を選びました。
こんな仕掛けも。
つい散らかりがちな調理器具もたっぷり収納できる工夫です。
何か 本当に しょっちゅう こぼすし
汚すし。
だけど そういうもんだと思うんです。
何か 毎日って。
わあ ぐちゃぐちゃだって思いながら
やっていくんだけど→
それを受け止めてくれる台所が好き。
で ここが一番好きな場所です。
ありのままの「暮らし」が息づく台所。
そこに生まれる「音」にも耳を傾けてほしいと枝元さんは言います。
料理をしている時の勢いのある音とか→
静かに丁寧に準備を重ねていくような音とか→
そういう思いみたいなものが
消えていく音に→
すごく宿っていくような感じがして。
何か いいなと思ったんですよね。
人が生きて 暮らして 食べていく
気配がするっていうのが→
そこが美しいなって思えるところかなと
思う。
「台所」 最初のツボは…


人の営みに欠かせない台所。
世界各地の台所を実際に訪ね
調査した研究家がいます。
ずらりと並ぶ ミニチュアの家々。
実は さまざまな国の台所を再現した模型です。
地域によって異なる台所に引かれた
宮[外:3F642F3778827E651C8B82A4E9F06FD3]さんは→
半世紀にわたって台所を調査。
訪れた国は 50を超えます。
現地で感じた台所の面白さ。
それを表現したいと取り組んだのが模型作りでした。
こちらは ドイツの寒冷な地域の住居。
家の中央に クッキングストーブが置かれています。
これは調理の熱で 隣の部屋まで
あたためるための工夫です。
ネパール・カトマンズ地方の
伝統的な住まいです。
台所は どこかというと…。
なんと 建物の最上階にありました。
台所には守り神がいるため→
人は その上で暮らしてはいけないとされています。
こちらは イヌイットの住まい。
調理場は屋外に広がっています。
だから結局 食事を作るところが
なかったら→
人間の暮らしではないんじゃないかなと
思う。
夢中になって作るうちに
22体もの模型を制作。
暮らしの数だけ台所があります。

15分で何ができるっていうんだ。
は~っはっはっは… どうだ?
あなた 一体…。
わしは釜神。 台所の神だ。
もし お主が料理対決で勝ったらこの家の台所に宿ってやる。
宿る? 宿ると どうなるんですか?
永遠に おいしい料理が約束された家になるのだ。
えっ でも負けたら どうなるの?
永遠に おいしくない料理になる…。
え~ それ何?