ニッポン! ニッポン!
なぜ あんなにも
引き付けられたのだろうか。
(実況)トライ!
なぜ あんなにも心を揺さぶられたのだろうか。
(実況)もうこれは 奇跡とは言わせない!
人々を熱狂の渦に巻き込んだラグビーワールドカップ。
5 4 3 2 1!
(歓声)
今大会 イングランドを準優勝に導いた
名将 エディー・ジョーンズ。
ラグビーを知り尽くした男の胸に
深く刻まれた試合がある。
エディーがベストゲームと絶賛したのは→
悲願のベスト8をかけた日本と→
「ティア・ワン」と呼ばれる強豪の一角
スコットランドとの一戦。
ラグビーの歴史に残る名勝負となった。
私たちは 今回日本とスコットランドのキーマン→
20人以上を取材。
人生も変わるであろう試合って→
一生の中に一回あるかないかなんで。
あの試合を生涯 忘れることはないでしょう。
更に 最新の映像技術を駆使して
この一戦をひもとくことにした。
浮かび上がったのは
高度な戦術を駆使した→
世界最高レベルの戦い。
この試合を見ていた南アフリカのファフ・デクラークは→
衝撃を受けたという。
そして 一進一退の息詰まる攻防が続いたラスト25分。
選手たちは 勝敗を超えた
不思議な感覚を味わっていた。
すごく苦しそうでしたけど→
楽しそうにみんな プレーしてたんで→
もっとやりたい思いはありました。
ラグビーを続けてきたのは人々の記憶に残る→
こんな
試合のためだったんだ→
そう感じました。
死闘 日本対スコットランド。
知られざる物語の幕が 今 上がる。
♪♪~
(アナウンサー)暴風に大雨。→
数十年に一度しかないような緊急事態です。
波乱含みの幕開けだった。
決戦を翌日に控えた10月12日。
日本列島を台風が直撃。
試合が中止となれば1次リーグ敗退が決まるスコットランド。
開催を強く訴えた。
1次リーグを確実に突破するためには日本は 勝つか引き分け。
スコットランドは
勝利が絶対条件だった。
決戦の舞台は 台風の爪痕が残る横浜。
それでも スタジアムには過去最多 6万7,000人が→
その瞬間を見届けようと集まった。
日本からおよそ1万キロ離れたスコットランド。
人々は 決勝トーナメント進出を
固く信じていた。
いよいよ決戦の火蓋が切られる。
(歓声)
試合開始直後。
(実況)ゲームキャプテンのレイドロウのハイパント。→
お~っと ちょっと 見失ったか。
スコットランドがキックを使って 日本を崩しにかかる。
そして 前半7分。
(実況)スコットランド。フィン・ラッセル 抜けた~!→
先制トライ スコットランド!
日本の出ばなを大きくくじく衝撃の立ち上がりとなった。
実は スコットランドは
打倒日本のプランを周到に練っていた。
今回 選手たちが
あの試合について初めて語った。
キャプテンを務めたスコットランドの英雄
グレイグ・レイドロウ。
前回のワールドカップで
日本と対戦 勝利している。
それでも
強い警戒心を抱いていたと明かした。
スコットランドの指揮を執る
タウンセンドヘッドコーチ。
日本とアイルランドとの試合を分析し→
キックを使った攻撃に勝機があるとにらんでいた。
しかし この日の日本は違った。
ここから スコットランドの予想を上回る攻撃を繰り広げていく。
(実況)抜ければチャンス。→
ここで松島! トライ!
華麗なオフロードパスで同点に追いつく。
(歓声)
そして ニュージーランド代表
オールブラックスを彷彿とさせる→
逆転のトライ。
(実況)つながった~! 飛び込んだ~!→
最後は稲垣!
(歓声)
更に…。
(実況)取った 取った 取った 抜けた~!
(歓声)
21対7とスコットランドを大きく突き放した。
前半の日本のボール支配率は 実に74%。