2020/02/29(土) 15:45〜16:45 NHKスペシャル 選「死闘の果てに 日本vs.スコットランド」[字]
可能だったのか。
通常 キックをする場合
蹴る側と受ける側が目で合図するなど→
コミュニケーションをとる。
しかし…→
ラファエレは 一度も福岡を見ていない。
それでも…。
キックと
福岡の飛び出しのタイミングは→
完全に同じだった。
2人が見た「同じ絵」。
それは 数的に不利になったことで→
慌てて前に詰める10番ラッセルの姿だった。
流にも その絵が焼き付いていた。
選手同士の信頼があって→
初めて 同じ絵を見ることができると
語った福岡。
この
「同じ絵 セームページ」という言葉は→
3年前 日本代表のヘッドコーチとなった
ジェイミー・ジョセフが→
繰り返し説いてきた言葉だ。
前半は完璧だった日本の攻撃。
しかし うまくいき過ぎていることで
逆に不安も生まれていた。
日本の
攻撃プランを練ったトニー・ブラウン。
肉体と頭脳を酷使する日本の攻撃が→
「選手たちに過度の負担をかけている」と考えていた。
ここまで
防戦一方だったスコットランド。
実は タウンセンドヘッドコーチも
日本の戦いぶりは→
後半までもたないと見ていた。
ハーフタイムのスコットランド。
タウンセンドヘッドコーチは
そう 選手たちに指示していた。
後半 開始直後。
(実況)奪った…! 福岡だ。抜けた 抜けた 抜けた~!→
そのまま行く~! トライ!
福岡が相手のボールを奪い 4つ目のトライ。
この時点で
日本の勝利は確実と思われた。
しかし スコットランドの選手は
全く別の感触を抱いていた。
なぜ 失点したシーンが
チャンスだというのか。
このプレーが生まれた局面→
スコットランドは 日本に大きな綻びが生じていることに→
気付いていた。
それは 外側の このスペース。
この時 数的にはスコットランドに
優位な状況が生まれていた。
もし 福岡にボールを奪われなければ→
自分たちが トライをとっていたかもしれないというのだ。
素早い出足が持ち味の
日本のディフェンス。
前半 日本は
キックやパスの起点となる→
スコットランドの司令塔を
自由にさせないよう→
外側から素早く囲むように
プレッシャーをかける作戦だった。
スコットランドは 内側をつくしかなく→
そこをフォワードがタックルしてしとめるというものだった。
しかし 日本のフォワードは
前半 あらゆる局面で→
ハードワークを求められていた。
その疲れによってフォワードのタックルが少しずつ甘くなる。
そこをカバーするため
バックスの選手たちは→
内側に詰めなければならなくなっていた。
その結果 外にスペースが生まれてしまっていたのだ。
更に 福岡のトライで
ベスト8進出の可能性が高まったことが→
心理面に影響したと語る選手もいる。
僕としても…
(実況)
外のスペース! 少しスペースがある。
日本の綻びに気付いた
スコットランドは→
そこを徹底的につく作戦に切り替える。
試合の流れは一気にスコットランドに傾いていく。
(実況)押し込んでくる…
入ったか? 入りました!
この状況を見ていたエディー・ジョーンズ。
スコットランドが逆転するかもしれないと感じ始めていた。
今年3月。
イングランドが 宿敵 スコットランドと対戦した時のことだった。
前半 31対7と
大きくリードしたイングランド。
しかし 後半。
スコットランドが 怒とうの反撃。
一気に逆転されてしまったのだ。
残り30分。
スコットランドは
更にギアを上げる。
疲れの見えた4人のフォワードを
一気に交代。
日本を追い詰める作戦だった。